可愛いΩのナカセカタ

三日月

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番外編

真似っこ、お揃い、あのひとと 15

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 まぁ、結論から言えば・・・雪ちゃんが酷いことになっていて。目の当たりにした今、あたしの血管はブチキレそうだ。自分のバカさ加減が許せない。多人数で包囲し、怪我もさせずにラチるから、売り飛ばす商品扱いだとばかり思って油断した、気を抜いた。
 まだ未熟な嵐の群れは、青嵐の保護下。つまり雪ちゃんに何かあれば、あたし達の群れを荒らされたも同然、報復必然。

 相手を気絶させて穏便に、なんて、悠長な時間はほんの僅かで終わりを告げた。倉庫に入った途端、Ωの発情フェロモンが流れてきたのがわかったから。悲鳴と怒号を鳴り響かせ、彩葉を従え突き進む。蹴り飛ばした鉄扉の向こう側。誘発剤を打たれ、酩酊した雪ちゃんに群がるαに拳を遠慮なく叩き込み、大事なナニを握り潰し、引きちぎる。


「・・・チッ、せっかく疾風様みたいに、 この両手は大切な未来の番を抱き締めるために取っておきたかったのに」


「疾風の叔父様、そんな乙女回路だったかにゃ~」
 

「煩い、彩葉っ
 あたしの勝手な解釈よ」


 最近は、疾風様の真似して足技に磨きをかけてきたのに、咄嗟のことだと心が逸り、手が早まる。床に倒れた雪ちゃんの安否確認は彩葉に任せ、手当たり次第にぶちのめし、逃げようとするその背には床を砕き、転がる破片を遠慮なく投げつける。

 意外にも、彩葉にはΩの発情フェロモンが効かなくて、あまり見せたくなかったあたしが彩る凄惨シーンまで見られて。隠すことは諦めた。そのついでに雪ちゃんは任せ、今のあたしはヤツらを逃がさず一網打尽に潰すのが最優先。二度と同じことを起こしたいなんて思うなよっ

 雪ちゃんが開口具を着けさせられ、吐瀉物まみれでヤられてるところまで目にしたら。彩葉は御嬢様だから、悲鳴上げて逃げていくかと思っていたのに全く揺るがない。
 感情も、気配も、揺るがず安定、平淡、冷静。軽やかな足取りで血が飛び散る床を進み、雪ちゃんに近づき、安否を確認。

 血と暴力に染まったこの異常事態に於いて、彩葉の平時と変わらない振る舞いが意味する不気味さ。あたしがそれに、やっと気付ける余裕を得るより先に。彩葉は雪ちゃんの脇で立ち上がり、周りに向けて、転がるヤツらにむけて、静かに微笑んで見せたのだ。
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