429 / 461
番外編
酒の肴 10
しおりを挟む
番のΩは、相手のαが発情すれば強制的に受け入れる器へと変貌していく。当然、由良も例外じゃない。身体がたちまち熱を帯び、俺を受け入れようと急速に熟成。アルコールで緩んでいた表情が、色欲に覆われて更に弛緩し俺を見上げた瞳が涙でトロリと甘く潤む。
「はぁ、はぁやてぇ」
俺の下で、ゾクゾク身体を震わせながら強請る由良。伸びてきた手首に力任せに噛み付いてやると、その刺激で由良の腰が震え、軽くイッたのがわかった。伸びた牙が食い込むほど力を入れたんだが、その牙に興奮したらしい。
「あぁ、疾風の牙・・・」
うっとりと噛み跡に頬を擦り寄せる由良。震える舌で歯型をなぞると呼吸が荒く乱れ、息継ぎの合間に「疾風ぇ、疾風ぇ」と上擦った声で何度も名前を呟き嬉しさを隠しきれないと涙を流している。俺に求められていることを全身で喜ぶ様子に、強引に腰を上げさせようとしていた動きが止まった。
番になる前の発情期の由良は、盛りのついた獣。正気を失い、過ぎた欲望に狂って壊れた人形のようだった。それまで発情Ω相手なら気にもしていなかった変化だったが、由良は別。意思が感じられない反応がつまらなすぎて、番になってからもわざと俺の発情に引っ張られないよう抑えてきたんだ、が。
おい、全然違うじゃねぇか。
チッと、俺に誤った情報を流していたこの場にいないりっちゃんへ舌打ち。番のΩもアングラの発情したΩも変わりがないとか、番持ちでもないりっちゃんの言葉を信じるんじゃ無かった。
規格外の遺伝子操作のつけで、萩野のαは凶器のペニスを持つ人間が多いからな。相手のΩを壊すし、滅多に番を持たない。りっちゃんも伝え聞いただけなんだろうが、確証も無いのにしたり顔で教えてくるなよな。
俺の苛立ちを知らない由良は、両手を広げ、柔らかく波打つ求愛フェロモンを部屋中に漂わせながら俺を求める。求められていることを実感出来た喜びに浮かれ、舌打ちにも反応せず、ひたすらαの所有欲を象徴する牙に魅せられていた。
「疾風、疾風・・・お、願いだ・・・その、牙、もっと見せてくれ」
背後からうなじを噛むときを除けば、由良にじっくりこの牙を見せたことは無かったか・・・俺の頬に触れ、必死に言い募る由良が可愛過ぎるな。
あぁ、マジで、ヤバイぞ、由良。
自分の中から途切れることなく湧き上がる発情の昂ぶりに、グラリと視界が歪んで見えた。
「はぁ、はぁやてぇ」
俺の下で、ゾクゾク身体を震わせながら強請る由良。伸びてきた手首に力任せに噛み付いてやると、その刺激で由良の腰が震え、軽くイッたのがわかった。伸びた牙が食い込むほど力を入れたんだが、その牙に興奮したらしい。
「あぁ、疾風の牙・・・」
うっとりと噛み跡に頬を擦り寄せる由良。震える舌で歯型をなぞると呼吸が荒く乱れ、息継ぎの合間に「疾風ぇ、疾風ぇ」と上擦った声で何度も名前を呟き嬉しさを隠しきれないと涙を流している。俺に求められていることを全身で喜ぶ様子に、強引に腰を上げさせようとしていた動きが止まった。
番になる前の発情期の由良は、盛りのついた獣。正気を失い、過ぎた欲望に狂って壊れた人形のようだった。それまで発情Ω相手なら気にもしていなかった変化だったが、由良は別。意思が感じられない反応がつまらなすぎて、番になってからもわざと俺の発情に引っ張られないよう抑えてきたんだ、が。
おい、全然違うじゃねぇか。
チッと、俺に誤った情報を流していたこの場にいないりっちゃんへ舌打ち。番のΩもアングラの発情したΩも変わりがないとか、番持ちでもないりっちゃんの言葉を信じるんじゃ無かった。
規格外の遺伝子操作のつけで、萩野のαは凶器のペニスを持つ人間が多いからな。相手のΩを壊すし、滅多に番を持たない。りっちゃんも伝え聞いただけなんだろうが、確証も無いのにしたり顔で教えてくるなよな。
俺の苛立ちを知らない由良は、両手を広げ、柔らかく波打つ求愛フェロモンを部屋中に漂わせながら俺を求める。求められていることを実感出来た喜びに浮かれ、舌打ちにも反応せず、ひたすらαの所有欲を象徴する牙に魅せられていた。
「疾風、疾風・・・お、願いだ・・・その、牙、もっと見せてくれ」
背後からうなじを噛むときを除けば、由良にじっくりこの牙を見せたことは無かったか・・・俺の頬に触れ、必死に言い募る由良が可愛過ぎるな。
あぁ、マジで、ヤバイぞ、由良。
自分の中から途切れることなく湧き上がる発情の昂ぶりに、グラリと視界が歪んで見えた。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる