可愛いΩのナカセカタ

三日月

文字の大きさ
433 / 461
番外編

酒の肴 14

しおりを挟む
 風呂と食事を終えさせてから、青嵐を集団登校の集合場所まで送っていく。家から目と鼻の先にある公園で、ゴミの集積所も隣接してるからついでにゴミを持たせてな。


「へへへッ」


 青嵐は、風音を抱えて歩いてる俺をチラチラ振り返っては笑う。その後ろを歩かせている凪や風花も、二人で手を繋いで振り返りはしないがニマニマしてんな。


「青嵐、前向いて歩け」

「はーいっ」


 返事だけは良いな。公園に着くと、青嵐はゴミを捨ててから待っていた子どもの輪に入っていく。おはようと挨拶されてるのに、開口一番が「俺のお父さん、カッケーだろぉっ」だ。そのせいで、一気にその場の視線が集まった。ここに青嵐を連れてくる度、お決まりのパターンだ。
 子どもについてきた保護者の、特にβの目は遠慮が無い。挨拶をされてそれに返し、適当に世間話を交わす。由良は近所付き合いが上手いし、ペラペラ家庭のことを話すようなこともしないが。矢鱈と子どもや俺のことを褒めてるからな。その視線は好意的なんだがまとわりついてくる。
 ワラワラと、子どもまで俺に向かって寄ってくれば、残っていた凪と風花が前に出てボディガードの真似事。


「僕達のお父さんですっ」

「あげないんだからっ」


 まぁ、言ってることは馬鹿げてるが。
 小学校まで歩き出すのを待っていたら、幼稚園に着くのも遅れるしな。適当に切り上げて、徒歩で幼稚園まで向かう。
 この辺りは、バース性が混在してる学区だが、αの子どもは学区外のα専用かそれに近い私立へ通うのが当たり前。なので、青嵐が公立の小学校に通うとわかった途端、受け入れる側の方が慌てていた。
 まぁ、由良効果で青嵐が幼稚園で一緒だった他のαの子どももついて来たしな。由良のαタラシは相変わらずだ。
 帰っても由良は起きてないだろうな。今日はゆっくり寝かせてやるかと考えながら歩く。書類も揃えたし、入社式まで時間はあるしな。


「お父さん、また鼻唄歌ってるぅ」


 風花に指摘されるまで気付かなかった。外でも意識してねぇとつい出ててくるとか、浮かれてんな。抱いていた風音は、俺の真似をして「フフフーン」とやりだす。褒めろ、褒めろと全身で訴えてくるから、「上手いもんだな」と言ってやったらあとの二人も対抗して鼻唄の合唱。
 幼稚園に着くまでそれは続いた。
しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。読む前に注意!誤字脱字あり。受けが外面は一人称私ですが、砕けると僕になります。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...