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番外編
酒の肴 14
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風呂と食事を終えさせてから、青嵐を集団登校の集合場所まで送っていく。家から目と鼻の先にある公園で、ゴミの集積所も隣接してるからついでにゴミを持たせてな。
「へへへッ」
青嵐は、風音を抱えて歩いてる俺をチラチラ振り返っては笑う。その後ろを歩かせている凪や風花も、二人で手を繋いで振り返りはしないがニマニマしてんな。
「青嵐、前向いて歩け」
「はーいっ」
返事だけは良いな。公園に着くと、青嵐はゴミを捨ててから待っていた子どもの輪に入っていく。おはようと挨拶されてるのに、開口一番が「俺のお父さん、カッケーだろぉっ」だ。そのせいで、一気にその場の視線が集まった。ここに青嵐を連れてくる度、お決まりのパターンだ。
子どもについてきた保護者の、特にβの目は遠慮が無い。挨拶をされてそれに返し、適当に世間話を交わす。由良は近所付き合いが上手いし、ペラペラ家庭のことを話すようなこともしないが。矢鱈と子どもや俺のことを褒めてるからな。その視線は好意的なんだがまとわりついてくる。
ワラワラと、子どもまで俺に向かって寄ってくれば、残っていた凪と風花が前に出てボディガードの真似事。
「僕達のお父さんですっ」
「あげないんだからっ」
まぁ、言ってることは馬鹿げてるが。
小学校まで歩き出すのを待っていたら、幼稚園に着くのも遅れるしな。適当に切り上げて、徒歩で幼稚園まで向かう。
この辺りは、バース性が混在してる学区だが、αの子どもは学区外のα専用かそれに近い私立へ通うのが当たり前。なので、青嵐が公立の小学校に通うとわかった途端、受け入れる側の方が慌てていた。
まぁ、由良効果で青嵐が幼稚園で一緒だった他のαの子どももついて来たしな。由良のαタラシは相変わらずだ。
帰っても由良は起きてないだろうな。今日はゆっくり寝かせてやるかと考えながら歩く。書類も揃えたし、入社式まで時間はあるしな。
「お父さん、また鼻唄歌ってるぅ」
風花に指摘されるまで気付かなかった。外でも意識してねぇとつい出ててくるとか、浮かれてんな。抱いていた風音は、俺の真似をして「フフフーン」とやりだす。褒めろ、褒めろと全身で訴えてくるから、「上手いもんだな」と言ってやったらあとの二人も対抗して鼻唄の合唱。
幼稚園に着くまでそれは続いた。
「へへへッ」
青嵐は、風音を抱えて歩いてる俺をチラチラ振り返っては笑う。その後ろを歩かせている凪や風花も、二人で手を繋いで振り返りはしないがニマニマしてんな。
「青嵐、前向いて歩け」
「はーいっ」
返事だけは良いな。公園に着くと、青嵐はゴミを捨ててから待っていた子どもの輪に入っていく。おはようと挨拶されてるのに、開口一番が「俺のお父さん、カッケーだろぉっ」だ。そのせいで、一気にその場の視線が集まった。ここに青嵐を連れてくる度、お決まりのパターンだ。
子どもについてきた保護者の、特にβの目は遠慮が無い。挨拶をされてそれに返し、適当に世間話を交わす。由良は近所付き合いが上手いし、ペラペラ家庭のことを話すようなこともしないが。矢鱈と子どもや俺のことを褒めてるからな。その視線は好意的なんだがまとわりついてくる。
ワラワラと、子どもまで俺に向かって寄ってくれば、残っていた凪と風花が前に出てボディガードの真似事。
「僕達のお父さんですっ」
「あげないんだからっ」
まぁ、言ってることは馬鹿げてるが。
小学校まで歩き出すのを待っていたら、幼稚園に着くのも遅れるしな。適当に切り上げて、徒歩で幼稚園まで向かう。
この辺りは、バース性が混在してる学区だが、αの子どもは学区外のα専用かそれに近い私立へ通うのが当たり前。なので、青嵐が公立の小学校に通うとわかった途端、受け入れる側の方が慌てていた。
まぁ、由良効果で青嵐が幼稚園で一緒だった他のαの子どももついて来たしな。由良のαタラシは相変わらずだ。
帰っても由良は起きてないだろうな。今日はゆっくり寝かせてやるかと考えながら歩く。書類も揃えたし、入社式まで時間はあるしな。
「お父さん、また鼻唄歌ってるぅ」
風花に指摘されるまで気付かなかった。外でも意識してねぇとつい出ててくるとか、浮かれてんな。抱いていた風音は、俺の真似をして「フフフーン」とやりだす。褒めろ、褒めろと全身で訴えてくるから、「上手いもんだな」と言ってやったらあとの二人も対抗して鼻唄の合唱。
幼稚園に着くまでそれは続いた。
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