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38 記憶 side 陸
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上気した顔で、身体の熱を冷ますように息をふぅと吐いた渡は、俺の下半身に目を向けふにゃりと笑う。
スエットパンツを押し上げてるこの物騒な凶器を前にこの態度。
実物を見て触れたあとだぞ?
思ってたもんと違ってたとか、尻込みしたりはねぇのかよ?
無防備な渡を前に耐えてる俺の気も知らねぇで、渡は続けて俺の口元を見上げるとくふふっと嬉しそうに笑顔を重ねた。
なんだ?と訝しんでいたら、渡の指が頬に触れてくる。
じんわりと俺より温かい指先から渡の熱が伝わってきて、その心地よさに自然と目を細めていた。
荒ぶっていた食い気が、簡単に飼いならされてくのを感じる。
「俺な。
自分がΩになってるってわかってから、いつか陸の牙をこんなふうに見られるんかな、陸に抱かれて噛まれるんかなって妄想しまくっててん。
それが、ここに来てからいっぱい見れて嬉しいねん」
「お前の豪胆さに驚くわ」
ニコニコと言われた内容に、目を見開く。
実物前にしても、まだそんなふうに言えんのかよ。
あぁ、もぉ、コイツには一生驚かされそうだ。
その手を捕らえ、今後に思いを馳せつつ嗤いながら軽く指先を噛む。
「んなこと言ったら、遠慮なくそこら中噛んじまうぞ」
渡は「ひゃあっ」と声を上げると、即座に手を引っ込めた。
流石にやり過ぎたかと思ったんだか、その手で耳を擦りながら「もぉ、声がヤバいっっ」とブルッと震わせ俺を潤んだ目で見てくる。
「り、陸の声、いつもとちごて色っぽすぎるんわ」
「そりゃ、当たり前だろ」
ここに何しに来てるんだよ、あほ。
俺よりヤル気満々なとこもあんのに、急にこんなところを見せてくる。
アンバランスな渡を抱き寄せ、腰を押し付けた。
「練習、するんだろ?」
「す、するっ」
渡の肩越しに右手の指をたっぷりの唾液で濡らす。
背後から左手でパンツと下着を摘み、窄まりの場所を探るために右手をその下に入れた。
柔らかな湾曲の狭間に指が触れると、渡はぎゅっと首にしがみついて来た。
緊張で閉じた蕾に、円を描くように塗り込む。
渡は、ヒュッと息を吸い込み身体を強張らせた。
「力、入れんな。
傷つけたくねぇ」
「う、うん」
腕の中で、渡はコクコク頷いてからゆっくりと息を吸って吐いてを繰り返した。
違和感を散らすために、渡の呼吸に合わせて入り口を刺激し緩んだタイミングを見計らう。
さっきよりもかてぇな⋯慎重にいかねぇと。
目の前の噛みつきたくなる首筋から気を逸らすために、俺も深呼吸で緊迫した熱を下げようと試みた。
渡が何回目かに吐いた呼吸で指が沈み、暖かくぬめり絡みついてくる肉を注意深く割り開いていく。
「あ、あっ・・・」
反射的に侵入の違和感から逃れようと、渡の腰が浮く。
一度動きを止めた方が良いと頭ではわかってんのに、渡の甘い声をもっと引き出してぇ気持ちが強過ぎる。
スエットパンツを押し上げてるこの物騒な凶器を前にこの態度。
実物を見て触れたあとだぞ?
思ってたもんと違ってたとか、尻込みしたりはねぇのかよ?
無防備な渡を前に耐えてる俺の気も知らねぇで、渡は続けて俺の口元を見上げるとくふふっと嬉しそうに笑顔を重ねた。
なんだ?と訝しんでいたら、渡の指が頬に触れてくる。
じんわりと俺より温かい指先から渡の熱が伝わってきて、その心地よさに自然と目を細めていた。
荒ぶっていた食い気が、簡単に飼いならされてくのを感じる。
「俺な。
自分がΩになってるってわかってから、いつか陸の牙をこんなふうに見られるんかな、陸に抱かれて噛まれるんかなって妄想しまくっててん。
それが、ここに来てからいっぱい見れて嬉しいねん」
「お前の豪胆さに驚くわ」
ニコニコと言われた内容に、目を見開く。
実物前にしても、まだそんなふうに言えんのかよ。
あぁ、もぉ、コイツには一生驚かされそうだ。
その手を捕らえ、今後に思いを馳せつつ嗤いながら軽く指先を噛む。
「んなこと言ったら、遠慮なくそこら中噛んじまうぞ」
渡は「ひゃあっ」と声を上げると、即座に手を引っ込めた。
流石にやり過ぎたかと思ったんだか、その手で耳を擦りながら「もぉ、声がヤバいっっ」とブルッと震わせ俺を潤んだ目で見てくる。
「り、陸の声、いつもとちごて色っぽすぎるんわ」
「そりゃ、当たり前だろ」
ここに何しに来てるんだよ、あほ。
俺よりヤル気満々なとこもあんのに、急にこんなところを見せてくる。
アンバランスな渡を抱き寄せ、腰を押し付けた。
「練習、するんだろ?」
「す、するっ」
渡の肩越しに右手の指をたっぷりの唾液で濡らす。
背後から左手でパンツと下着を摘み、窄まりの場所を探るために右手をその下に入れた。
柔らかな湾曲の狭間に指が触れると、渡はぎゅっと首にしがみついて来た。
緊張で閉じた蕾に、円を描くように塗り込む。
渡は、ヒュッと息を吸い込み身体を強張らせた。
「力、入れんな。
傷つけたくねぇ」
「う、うん」
腕の中で、渡はコクコク頷いてからゆっくりと息を吸って吐いてを繰り返した。
違和感を散らすために、渡の呼吸に合わせて入り口を刺激し緩んだタイミングを見計らう。
さっきよりもかてぇな⋯慎重にいかねぇと。
目の前の噛みつきたくなる首筋から気を逸らすために、俺も深呼吸で緊迫した熱を下げようと試みた。
渡が何回目かに吐いた呼吸で指が沈み、暖かくぬめり絡みついてくる肉を注意深く割り開いていく。
「あ、あっ・・・」
反射的に侵入の違和感から逃れようと、渡の腰が浮く。
一度動きを止めた方が良いと頭ではわかってんのに、渡の甘い声をもっと引き出してぇ気持ちが強過ぎる。
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是非、続きをお願いします。
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Q様
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お待ちしてくださる方の感想を糧に頑張ります(*˘︶˘*).。.:*♡
久しぶりに最新話まで読みました。陸に対してかなちゃんと一緒に怒ってイライラしてたのが、肝の座った無自覚天然小悪魔な渡に振り回される陸が不憫で笑えます(* ̄∇ ̄*)
渡と陸の心情が丹念に描かれていて、恋愛給餌特化型αの事もより知る事が出来て良かったです。
番を食べちゃいたくなる様子も究極な表現というか形というか、心理学を学んで書いておられるのかなとふと思いました。
作者様は療養中との事、私も療養中の身ですので、無理せずに療養して回復されたら無理のない範囲で更新お願いします。
学校でもところ構わずイチャつき、渡に振り回される陸を気長に楽しみに読み返しながら待っています。
rose様
感想ありがとうございます〜
陸は、渡には全面降伏(幸福)負け確定なのでこれからもどんどん振り回されまくってぜひ鬱憤を晴らして今後もどんどん笑っていただければ•̀.̫•́✧
オリジナルをどんどん入れても良いオメガバなだけに、初めて書いた特化型(未発表作では諸々有)が伝わっていて嬉しいです〜
心理学は学んでないのですが、いろんな学に触れたほうが表現力は深まるんでしょうね⋯理解するのが難しそう(;´Д`)
rose様も療養されてるんですね。
お心遣いありがとうございます。
rose様も御自愛くださいね。
現在、第二部の途中からぼちぼちと読み返してるところです。
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