巻き込まれ田中の国守り奮闘記!!

花村 ネズリ

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序章

トイレのように流されていく田中

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魔法陣に乗り、またあの城へと戻ってきた
俺の気分は最悪だ




部屋に行く道中、
ふと、窓の外の景色に視線がいく。

やはり、飛んでいるのは鳥ではなく
大きな翼のドラゴンで


俺はルクさんのあの話を思い出す。
リガルさんの伝説‥かっこよかったな‥


俺も、ドラゴンと仲良くしてみたかった‥
そんな事を考えながら、いつまでも離されへん腕に嫌気がさした。



「タナカ様ッ、どうして!?」



辿り着いた部屋は、映画やドラマで見るスイートルームで‥
少し生活感のあるその部屋には3つのベッドがあって、

3人で一夜を過ごそうとしていたんやなってそんな事を考える。




「はは‥やられました‥見事に」


部屋に入った途端、俺を見て口を手で押さえる王女さん。
この人きっと心配してくれてたんやろな‥


「っ、タナカ様‥役に立てない私を許してください‥っ、」

本当は俺が出て行く時、止められたかもしれん。
だけど、同年代くらいのか弱い少女に、
そんな事は言えんかった。


「ッ‥ありがとう‥王女さん」



「なに2人でこそこそ離してんだよ?ほら、田中!ここが俺達に用意された部屋なんだ!本当は一人一人部屋を用意してくれてたらしいんだけど、俺達でお願いして一つ部屋になったんだぜ?」



「っ‥」


「おい、元気ないな?どうしたんだよ?」


「リーネも、ずっと黙ってるし、どこか調子悪いの?」




「いえ!大丈夫です‥ただ、外出される時は、せめて、一言だけでも、私共に伝えていただきたかったと‥心配、したのです。」


「す、すまん!俺達、秋がいない事に気づいてすぐに飛び出したからつい‥これからは気をつけるよ!」


「ゔう‥でもその言い方嫌だな‥なんだか籠の中の鳥って感じだね‥」




「「‥」」


しんと静まりかえる部屋。



「皆様は‥これから、どうするおつもりですか」



口を開いたのは王女さんで、俺はその言葉に困惑する。


「え」


どうするって言われても‥
何も考えてないしな俺‥
無理やり連れてこられて、我が儘野郎を探すかなんかで



「先程王様が目を覚まされて、
皆様方の選択に任せる、と‥
そう仰られました。
この国の為だけに、若き青年の時を犠牲にして、魔王退治を強要するつもりはないと‥
もちろん、皆様の好きなように、生活して頂いて構いません。
全て、この国が皆様をサポートいたします。
冒険したり‥ギルドに所属したり‥
学園に通い平凡な暮らしだって‥なんだって構わないんです‥。
王様は、貴方達の幸せを‥願っています‥」


「リーネ。俺は‥この国のために戦うよ」


必死で笑顔をとりつぐろう王女さんの言葉を遮り、そんな言葉を言うこの男。

そりゃそうや、ここで投げ出したら、
これから横暴な態度もできんくなるしな

賢い男やで‥



ってことで、木下は勇者として頑張るってことで、俺は開放してくれへんかなー。
冒険して、チマチマ稼いで、
そしていつかドラゴンに会ったりとか‥
学校行って、魔法ってやつ習うのも楽しそうやし。自由に選択できるならばそうする。



自由にできたら、な




「夕‥」



「おいおい!そんな心配そうな顔するなよ!安心しろって!俺運強い方だし、それに、俺には仲間がいるしな!な!田中!」


「‥」



未来に夢を膨らましていた俺は、木下の言葉で現実に戻る。
逃げ場なし、か



「タナカ様もッ行かれるのですか?!」


「‥?ああ、そうだけど?俺たち友達だし、もちろん、ついてきてくれるよな?」

なんでお前が答えるねん‥それに、
友達の定義がおかしい。
俺を連れて行って特になるとすれば

囮か、召使いか‥はは、笑えるわ



「俺は行きたくないけど、」

「お前本当素直じゃないよな!!はは!」

俺の言葉にかぶせてそう言う木下。
この俺の無の表情見て、
お前と一緒に行きたいと思ってる顔に見えるか?


「はあ‥」


つかほんま嫌やねんけど
すぐ死ぬやん。俺測定したから分かるけど、
一般ピーポーやで



言いたい‥めっちゃ言いたい


けど‥



「‥タナカ様、」

「田中くんがいてくれたら、きっと大丈夫だね!ま、まあ‥もちろん。男二人旅じゃ華がないし?わ、私も、ついて行ってあげる!」


「琴美!お前まで行くことないだろ!」

「っ!私は私の決めた道を行く!なんと言われようと夕についていくんだから!」


「琴美‥」



ルクさんを、守る為や‥こいつらからーー






「わたくしも‥お供致します。」

「え、?!」


予想外の王女さんの言葉。
反応した俺に、ニコリ微笑んだ彼女はとても弱々しくて



そしてそれ以上に逞しかったーー




「り、リーネまで!?はは、なんだよお前らっ、結局、皆んな一緒じゃないか‥ふは、ありがとよ‥俺、少しビビってたから、気が楽になったよ!」



ああ、俺も‥王女さんが居てくれるだけで、なんか心強いわ‥


ありがとう、王女さん






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