希望を歌う悪の姫

花村 ネズリ

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ペア戦開幕

決勝戦

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「これより決勝戦を行う。両者準備はいいかな。






始めーーーー」




試合開始の合図と共に、
リカルド様が動く。




ルド「光よ‥敵を貫く剣となれ。」


今まで、体術での接近戦で攻めていたリカルド様。

初めから魔法を使うという事は、
それだけ強敵だということ。

そして、
相手をよく知っているのと同時に、
相手に知られている‥


アル「光よ、大切な人を守る盾となれ。」



ルド「光の剣ーーー」

アル「光の盾ーーー」






凄まじい魔力のぶつかり合いに、身体が吹き飛びそうになるのを、必死で耐える。



男の方はほんと!熱くて嫌になりますわ!




リア「よそ見してんじゃないわよ。害虫ごときが!!」

ラピス「っ!」



眩しい光の中、
こちらに飛んでくる紫の液体。

持っていた日傘でガードすると、
その液体が触れた部分から、
日傘の布が溶け始める。

お気に入りの日傘でしたのに残念ですわ。


跡形もなく溶けてしまった傘を見て、
リア様の魔法が危険である事は、充分に分かりました。





そして、わたくしを殺しにきていることもーーー




ラピス「随分と毒々しい魔法ですわね。」


そこまで何故わたくしを恨むのですか。
殺したい程の恨みをわたくしは
貴方に植えつけたのでしょうか。




まあ、どちらでもいいですが


リア「はっ!美しいでしょ?私の毒をたっぷり喰らわせてあげる。」



ラピス「そうですわね‥美しい花には棘があるものです。


だけれど‥それはお互い様ですわ」


わたくしは、負けるわけにはいかないのです。



リア「っ!?あんたと一緒にすんじゃないわよ!!

毒よ!害虫を溶かしなさい!!


ポイズンボールーーー」


先ほどと同様にこちらに向かってくる液体
それを踊るように避ける。


ラピス「ふふ、リア様。
茨の棘の中で踊り狂うのも悪くはありませんわ。」




リア「ちっ!流石しつこい害虫ってとこね。
そんなに私の毒が気に入ったなら、もっともっと浴びせてあげる!!!


毒よ、その棘で敵を刺し殺せ



ハリヤマノ毒針ーー」




詠唱を、終えたリア様
その前には大きな液体の球が増幅していく。

周りには針のようなものを纏い、
刺々しい球体がフィールドを侵食していく。

それは、激しい戦闘をするお二人の王子にも
降りかかり


ルド「っ!?ーー邪魔するな女狐が!!」


リア「ふふ、嫌ですわ。リカルド様、これはペア戦ですのよ?」



アル「‥リア‥その魔法は危険すぎるんじゃないか?」



リア「‥大丈夫ですわよ‥。リカルド様が相手なのですから、これぐらいしないと勝てませんわ‥。」


アル「相手はリカルドだけじゃないよ」


リア「っ、そんなに‥あの女のことが‥
これは勝負です!戦での情けなど、王の座を継ぐ貴方には必要ありません!!


全てを飲み込みなさい!!」


アル「リア待て!!!」


アルベルト様が、リア様を止めようと足を踏み出すが、
すでにリア様の周りは毒の針で覆われ、近づくことができない。



ルド「くそがっ、めんどうな魔法を!!
おい、ラピス!!俺の後ろにこい!!」


ラピス「はい。」

リカルド様の言う通り、彼の背後にまわる。
確かにこれは危険ですわ。
わたくしの防御魔法でもいつまで持つか‥


なら、ここはリカルド様にお任せするしかありません。



ルド「光よーー全てを反射しろ!!カウンター!!ーーーー」

これでーーこの場は凌いで‥






リア「甘いですわ‥。


二重魔法展開
土よその身を隠せ、



土隠れーーー」













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