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しおりを挟む「__………、__、ごめん、ごめんよ、…」
そんなに悲しい表情をしないで…
「私は、何もしてあげられなかった……」
そんなことない。貴方はいつも傍に居てくれた。
「苦しむお前を、助ける事が出来なかった…」
貴方のせいじゃない。これは、私の生まれ持った運命。
貴方が罪悪を感じる事なんてない。
大丈夫、私は居なくなるけど、
またすぐに私は貴方の傍に行くだろうから。
段々、気が遠くなる……
あぁ、貴方の顔がぼやけて見える。
私はもうすぐ何も感じなくなるのだろう。
これでも私は、貴方に救われていた。
だから、幸せだった。
最期の力を振り絞り、私はきっとまた逢えます、と微笑んだ___。
「……ん、………?」
何か、夢を見ていたような気がする。
とても悲しくて、寂しくて、でも幸せな……
何の夢だったかな…?
「ユリーナ、おはよう。起きているかい?」
「お兄様?おはようございます、ちょうど起きた所です」
では直ぐ支度しておいで。と扉越しに言うと、お兄様は下の階へと降りて行った。
昨日、私は学園から帰って来た後、お兄様の顔を見たら泣いてしまいそうな気がして、
逃げるように自室にこもってしまったのだ。
心配するお兄様に、疲れているだけだから寝させてほしいと、
我が儘を通してしまった。
それが余計にお兄様を心配させる要因になってしまったのかもしれない。
それでも、泣き顔を見せるよりはましだろうと思う。
「お待たせしました、お兄様。」
「あぁ、大丈夫だよ。」
では頂こうか。
お兄様の言葉で朝食が始まる。
今日はお父様もお母様も、遠出していて家に居ない。
いつもは家族皆での朝食も、今はお兄様と私の二人だけだ。
「……ユリーナ、どうしても辛いなら、無理はしなくていいんだよ。」
私は何があってもユリーナの味方だから。そう言ってお兄様は優しく微笑んだ。
きっと何か聞きたい事があって、態々私の部屋の前まで来て声をかけたのだろうに、
お兄様は最後まで何も聞いて来ることはなかった。
「お兄様、ごめんなさい。」
心配かけてしまって……本当にごめんなさい。
でも、まだ大丈夫。だってあれは、皆の本心ではなく、きっと呪術のせいだと思うから__
そう思って大丈夫だとお兄様に告げた。
その時のお兄様の表情が、いつか見たことあるような、誰かの泣きそうな顔と重なって見えた。
「……?」
それが誰なのかは、思い出せないまま___
_____________________
学園の門まで来て、馬車から降りると、私は深呼吸する。
大丈夫。負けるな。
昨日、ウェルミナに祈りが少しでも届いたことで、
私は試してみたい事があった。
呪いのせいだとは思うが、もしあれが皆の本心であったらどうしようか…
それに、やはりあの冷たい視線はとても辛い。
そんな不安はあるが、やってみる価値はあると思った。
「よし。」
己の手を握りしめ、力を入れる。
心を強めるように、前をしっかり向いて教室へ向かった。
でも結局、私のそんな決意は脆くも崩れ去るということを、私はもう少し慎重になるべきだったと後悔することになる___
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