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7、英雄の家
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ーー予想通り、依頼もすぐに終わらせることができたので、その足でギルドに向かうと、言われた通りに『受付のボニー』と言う女性を探した。
タイミングがよかったのか、人混みの奥に見えた受付の中に彼女を見つけた。
マントのフードを目深に被り、静かに彼女がいる受付の順番を待つ。
自分の番がくると、何も言わずに《依頼書》と事務員の《手紙》を渡す。
ボニーと言うこの女性はかなり優秀なのかもしれない。
何も言わずにすぐに事情を察したのか、素早く封筒を開封して中の手紙を確認して、声を落として、
「明日以降に任務達成報告を受理します。」
そう言って、《明日の日付》で手続きをしてくれる。ヘンリーも黙ったまま頷く。
提出したギルドカードの名前を見ても顔には出さず、手続きを進めてカードの返却の時にぎゅっと手を握ってきて、目を見て強く頷いてくれる。
「応援しています。」
小声で強く伝えてくれて、手を離すと何事もなかったように真顔で、
「お疲れ様でした。……次、どうぞ。」
と事務的な表情に戻った。
ヘンリーも心の中で感謝しながら、すぐに受付から離れるとギルドを後にする。
ーー今日2人目の優しさに触れて、また心が軽くなるのを感じながら、自分の屋敷に向かうのだった。
ーー家に着いたヘンリーは思わず、周りを確認してしまう。
計画がバレていないか
でも、追っ手も見張りも尾行もなかったのでホッとする。
「あ、そうだ。」
ついでに思い出したように俺は上を見上げて屋敷をじっと見つめると、そこには立派な屋敷がある。
だけど、よく見れば……いや、わかる人にはわかるもの、そう、屋敷には結界がはられているのだ。
勿論、それは自分ではったものだ。既存の結界にほんの少しだけ手を加えたものをはっている。
ただ守るだけでなく、ある程度の反撃も可能な結界。
通常の結界(実は誰にも破れない最強の結界)を念のために数枚(普通の人にはできない)をはって、その結界の中に攻撃されたら反撃する魔法を組み込んで(これも普通の人にはできない)から、壊された時の保険として自動で結界が修復される自動結界修復魔法(誰にも使えない)も組み込み、壊れた時の場合に備えていた。
俺はそれをじっと見つめて、屋敷の結界はヒビはおろか少しも傷付くことなくはった時のままであることを確認する。
「(よし、大丈夫そうだな。)」
それから門を開けて中に入ると、結界は壊れることなくヘンリーを受け入れる。
敷地内も特に問題なく綺麗な状態を保っていた。屋敷自体も綺麗な状態できちんと管理できているのを見て、初めて屋敷を持った時の感動が少しだけ甦ってくる。
中に入ると、自動的に灯りがともっていく。
目の前の大きな階段の前にメイド服を着た白い髪の少女とメイド服を着た水色の髪の少女が並んでたっていた。
空間魔法にしまっていたものを取り出す。
小さな箱を手のひらに乗せてふたを開けると、その小さな中には《屋敷と庭》があって、よく見るとこのヘンリーの屋敷に似ていた。
屋敷の前にはメイド服を着た白い髪の少女と水色の髪の少女の人形もある。
「ルル、ララ」
白い髪の少女の方をルルと呼び、水色の髪の方をララと呼ぶと、箱の中の人形も微かに光って、目の前の二人はゆっくりと目を開けた。
『お帰りなさいませ、ご主人様』
ヘンリーを認識すると、声を揃えて挨拶する。
「うん。ただいま。いつも屋敷を守ってくれてご苦労様」
そう言って誉めると、二人は小さく嬉しそうに微笑む。
そこに足元周辺にいたものが近付いてくる。
「お前たちもいつもご苦労様」
そう足元にいたのは、いつも屋敷を掃除して建物を綺麗に保っていてくれるスライムたちにもお礼を言う。
よく見ると、小さな箱の中にもスライムの人形もある。
実はこれもヘンリーお手製の魔道具で、離れた場所にいても屋敷の精霊たちと交流できるようにしていたのだった。
「お風呂の用意できてる?」
と確認すると、二人が頷いてくれたのですぐに風呂に入ることにした。
「……はあぁぁぁぁぁ」
体を洗ってから湯船に浸かると、これまでの疲れが声から漏れていく。しばし、風呂で疲れを癒すと、
「……さて、どうするかな?」
と呟いていた。
少し長めに風呂を堪能してから上がると、髪をタオルで拭きながらソファに座った。するとすぐにルルとララが飲み物を準備してくれる。
「お食事は?」とルルに聞かれたから頼むとすぐに二人は準備にかかった。
魔道具で髪を乾かしながら、《これからどうするか》とぼうっとしながら考えていた。
ふと宙に浮きながら、色んな角度から自分の髪を乾かしてくれている魔道具を見つめる。
この魔道具もまた、ヘンリーが開発したもので、日々の過酷な仕事のせいで、まだ正式には発表できていなかった。
この魔道具を知っているのは王と王家と一部の貴族のみで、勿論、王家の特に女性陣には重宝されていた。
王たちのは勿論、皆のためにも正式に開発、商品登録して発売したいが、それもままならず……。
八方塞がりな今の状況にどうするべきかと改めて考えるのだった。
タイミングがよかったのか、人混みの奥に見えた受付の中に彼女を見つけた。
マントのフードを目深に被り、静かに彼女がいる受付の順番を待つ。
自分の番がくると、何も言わずに《依頼書》と事務員の《手紙》を渡す。
ボニーと言うこの女性はかなり優秀なのかもしれない。
何も言わずにすぐに事情を察したのか、素早く封筒を開封して中の手紙を確認して、声を落として、
「明日以降に任務達成報告を受理します。」
そう言って、《明日の日付》で手続きをしてくれる。ヘンリーも黙ったまま頷く。
提出したギルドカードの名前を見ても顔には出さず、手続きを進めてカードの返却の時にぎゅっと手を握ってきて、目を見て強く頷いてくれる。
「応援しています。」
小声で強く伝えてくれて、手を離すと何事もなかったように真顔で、
「お疲れ様でした。……次、どうぞ。」
と事務的な表情に戻った。
ヘンリーも心の中で感謝しながら、すぐに受付から離れるとギルドを後にする。
ーー今日2人目の優しさに触れて、また心が軽くなるのを感じながら、自分の屋敷に向かうのだった。
ーー家に着いたヘンリーは思わず、周りを確認してしまう。
計画がバレていないか
でも、追っ手も見張りも尾行もなかったのでホッとする。
「あ、そうだ。」
ついでに思い出したように俺は上を見上げて屋敷をじっと見つめると、そこには立派な屋敷がある。
だけど、よく見れば……いや、わかる人にはわかるもの、そう、屋敷には結界がはられているのだ。
勿論、それは自分ではったものだ。既存の結界にほんの少しだけ手を加えたものをはっている。
ただ守るだけでなく、ある程度の反撃も可能な結界。
通常の結界(実は誰にも破れない最強の結界)を念のために数枚(普通の人にはできない)をはって、その結界の中に攻撃されたら反撃する魔法を組み込んで(これも普通の人にはできない)から、壊された時の保険として自動で結界が修復される自動結界修復魔法(誰にも使えない)も組み込み、壊れた時の場合に備えていた。
俺はそれをじっと見つめて、屋敷の結界はヒビはおろか少しも傷付くことなくはった時のままであることを確認する。
「(よし、大丈夫そうだな。)」
それから門を開けて中に入ると、結界は壊れることなくヘンリーを受け入れる。
敷地内も特に問題なく綺麗な状態を保っていた。屋敷自体も綺麗な状態できちんと管理できているのを見て、初めて屋敷を持った時の感動が少しだけ甦ってくる。
中に入ると、自動的に灯りがともっていく。
目の前の大きな階段の前にメイド服を着た白い髪の少女とメイド服を着た水色の髪の少女が並んでたっていた。
空間魔法にしまっていたものを取り出す。
小さな箱を手のひらに乗せてふたを開けると、その小さな中には《屋敷と庭》があって、よく見るとこのヘンリーの屋敷に似ていた。
屋敷の前にはメイド服を着た白い髪の少女と水色の髪の少女の人形もある。
「ルル、ララ」
白い髪の少女の方をルルと呼び、水色の髪の方をララと呼ぶと、箱の中の人形も微かに光って、目の前の二人はゆっくりと目を開けた。
『お帰りなさいませ、ご主人様』
ヘンリーを認識すると、声を揃えて挨拶する。
「うん。ただいま。いつも屋敷を守ってくれてご苦労様」
そう言って誉めると、二人は小さく嬉しそうに微笑む。
そこに足元周辺にいたものが近付いてくる。
「お前たちもいつもご苦労様」
そう足元にいたのは、いつも屋敷を掃除して建物を綺麗に保っていてくれるスライムたちにもお礼を言う。
よく見ると、小さな箱の中にもスライムの人形もある。
実はこれもヘンリーお手製の魔道具で、離れた場所にいても屋敷の精霊たちと交流できるようにしていたのだった。
「お風呂の用意できてる?」
と確認すると、二人が頷いてくれたのですぐに風呂に入ることにした。
「……はあぁぁぁぁぁ」
体を洗ってから湯船に浸かると、これまでの疲れが声から漏れていく。しばし、風呂で疲れを癒すと、
「……さて、どうするかな?」
と呟いていた。
少し長めに風呂を堪能してから上がると、髪をタオルで拭きながらソファに座った。するとすぐにルルとララが飲み物を準備してくれる。
「お食事は?」とルルに聞かれたから頼むとすぐに二人は準備にかかった。
魔道具で髪を乾かしながら、《これからどうするか》とぼうっとしながら考えていた。
ふと宙に浮きながら、色んな角度から自分の髪を乾かしてくれている魔道具を見つめる。
この魔道具もまた、ヘンリーが開発したもので、日々の過酷な仕事のせいで、まだ正式には発表できていなかった。
この魔道具を知っているのは王と王家と一部の貴族のみで、勿論、王家の特に女性陣には重宝されていた。
王たちのは勿論、皆のためにも正式に開発、商品登録して発売したいが、それもままならず……。
八方塞がりな今の状況にどうするべきかと改めて考えるのだった。
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