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11、続く初めてのお見合い
ーー何だか色んな意味で熱くなってしまった。
そっと息を整えていると、ふとエミリーちゃんと目が合う。
その瞳の中に何かがあるように見えた。
「(やっぱり、本音としては、公爵にお見合いして欲しくはないのかな?)」
ーーそうだよね。今の父親は公爵様なんだもの。娘としては父親に変な虫(女)なんてついて欲しくないだろうし……。
それでも、ちゃんと本人に聞いた方がいいでしょうね。公爵とちゃんと父娘をしているのなら、ね。
でも、今はそのタイミングじゃないわね。後で聞くタイミングあったら聞こうかな?
ーーそんな風に考えてから、自分がこのお見合いに対してかなり前向きになっていることに気付いて驚く。
ーーふと、また視線を感じて、その方を向くと、何だか今にも泣きそうな表情になっていた父と目があってしまう。
「(……お父様ってば……。)」
ーーこれが娘親っていうのですか……。
父の今の気持ちが何となく分かったけど、同時に父の背後に母のニッコリ笑顔の圧が見えてしまい、何も言えなくなってしまう。
目があった父も母のことを思い出したのか、
「……そ、それ、じゃあ、私はこの辺で、失礼します。」
と、変な挨拶で帰っていった父。
「(ーーお父様!)」
さすがにお見合い中だから引き止める訳にもいかず、笑顔で見送った。
ーー取り残された私と公爵とエミリーちゃん。
ーー沈黙。
どうしようかと考えていると、公爵が「コホンッ。」と小さく咳払いをする。
「……それでは、庭でも案内しましょう。」
と、立ち上がった公爵。
「あ、はい。」
私も慌てて立ち上がると、座ったままのエミリーちゃんに気が付く。
「エミリーは、ここで待っていなさい。」
私が何かを言い出すよりも早く、公爵はエミリーに指示を出してしまう。
「(え!? えええ~~~~? 二人っきりなの!?)」
私が驚いていると手を差し出されてしまい、もうそのエスコートを受けるしかなくて、おずおずとそっと公爵の手に自分の手を重ねた。
すると、すぐに獲物は逃がさない……とでも言うように私の手は公爵の腕にがっちり優雅に紳士的にホールドされてしまう。
「(ひぇぇぇぇぇっ。)」
内心、かなり動揺しながらエスコートされてしまう。
ーー公爵と二人きりで華やかで豪華な庭園を歩いていく。
私の歩くペースに自然と合わせてくれる公爵の優しさに密かに感動。
ーーそれにしても、これがあの『ダークヒーロー』と呼ばれるほどの『残虐非道の冷酷無慈悲な悪役公爵』なのだろうか。
「(とてもそんな風には見えないけど……。)」
私はこっそりと隣を歩く公爵を気付かれないようにそっと見上げる。
ーーうん。格好いい。
思わずまた赤くなってしまう。いけないいけない。
私の視線に気付いているのか、ニッコリ微笑む公爵。
「!!」
ーーホント、心臓に悪い……。
何とか冷静を保つ。
「……ここの庭は気に入っていただけましたか?」
危うく公爵の質問を聞き逃すところだったフィオナ。
「ーーーはい! とても、美しいお庭ですね。」
ニッコリと答えると、
「気に入ってもらえてよかったです。」
と嬉しそうにした公爵が答えていたので、
「ーー気に入らなければいつでも言ってください。いつでもブッ壊して作り替えさせるので……」
というぶっ飛んだ言葉を聞き逃してしまうところだった。
「……はい……って、え!?」
驚いて公爵を見上げると、さっきよりも何か意味がこもったように微笑んでくる。
「(……今のは、冗談、だよね?)」
私が戸惑っているのが分かったのか、心を呼んだかのように、
「ーーいえ、冗談ではありませんのでいつでも言ってください。」
と笑って簡単に言ってくる公爵。
ーーそれ以上何もいえなくなってしまう。
ーーまた、二人の間に沈黙が流れていく。
隣を歩く公爵の様子と小説の公爵の様子の違いに、思ってる以上に戸惑ってしまう。
ーー小説『悪役公爵の哀しみ』では、最終的には皆殺しちゃうヤバい人だったのに普段の公爵は、こんなにも紳士で素敵な人だったのね。
「(………ん?)」
そこで初めて私は違和感を感じていた。
「(?????)」
ふと首をかしげて考えてみる。
ーーそうだ。
私はあることを思い出した。
『小説では公爵は闇落ちしていた』
ということを。
そうだよ。どうしてこんな一番肝心なことを忘れていたんだろ……。
ーーそうなのだ。
小説の公爵は、闇落ちしていた。
でも、この公爵は……。
私は隣を歩く公爵をもう一度そっと見上げた。
ーーこんな穏やかそうな人が、あんな風になってしまうなんて……。
でも、確かにそうなってもおかしくないのかもしれない。
ーー公爵の事情を考えれば……。
二人の公爵のことを考えると、胸が締め付けられるほどに苦しくなってしまうのでした。
そっと息を整えていると、ふとエミリーちゃんと目が合う。
その瞳の中に何かがあるように見えた。
「(やっぱり、本音としては、公爵にお見合いして欲しくはないのかな?)」
ーーそうだよね。今の父親は公爵様なんだもの。娘としては父親に変な虫(女)なんてついて欲しくないだろうし……。
それでも、ちゃんと本人に聞いた方がいいでしょうね。公爵とちゃんと父娘をしているのなら、ね。
でも、今はそのタイミングじゃないわね。後で聞くタイミングあったら聞こうかな?
ーーそんな風に考えてから、自分がこのお見合いに対してかなり前向きになっていることに気付いて驚く。
ーーふと、また視線を感じて、その方を向くと、何だか今にも泣きそうな表情になっていた父と目があってしまう。
「(……お父様ってば……。)」
ーーこれが娘親っていうのですか……。
父の今の気持ちが何となく分かったけど、同時に父の背後に母のニッコリ笑顔の圧が見えてしまい、何も言えなくなってしまう。
目があった父も母のことを思い出したのか、
「……そ、それ、じゃあ、私はこの辺で、失礼します。」
と、変な挨拶で帰っていった父。
「(ーーお父様!)」
さすがにお見合い中だから引き止める訳にもいかず、笑顔で見送った。
ーー取り残された私と公爵とエミリーちゃん。
ーー沈黙。
どうしようかと考えていると、公爵が「コホンッ。」と小さく咳払いをする。
「……それでは、庭でも案内しましょう。」
と、立ち上がった公爵。
「あ、はい。」
私も慌てて立ち上がると、座ったままのエミリーちゃんに気が付く。
「エミリーは、ここで待っていなさい。」
私が何かを言い出すよりも早く、公爵はエミリーに指示を出してしまう。
「(え!? えええ~~~~? 二人っきりなの!?)」
私が驚いていると手を差し出されてしまい、もうそのエスコートを受けるしかなくて、おずおずとそっと公爵の手に自分の手を重ねた。
すると、すぐに獲物は逃がさない……とでも言うように私の手は公爵の腕にがっちり優雅に紳士的にホールドされてしまう。
「(ひぇぇぇぇぇっ。)」
内心、かなり動揺しながらエスコートされてしまう。
ーー公爵と二人きりで華やかで豪華な庭園を歩いていく。
私の歩くペースに自然と合わせてくれる公爵の優しさに密かに感動。
ーーそれにしても、これがあの『ダークヒーロー』と呼ばれるほどの『残虐非道の冷酷無慈悲な悪役公爵』なのだろうか。
「(とてもそんな風には見えないけど……。)」
私はこっそりと隣を歩く公爵を気付かれないようにそっと見上げる。
ーーうん。格好いい。
思わずまた赤くなってしまう。いけないいけない。
私の視線に気付いているのか、ニッコリ微笑む公爵。
「!!」
ーーホント、心臓に悪い……。
何とか冷静を保つ。
「……ここの庭は気に入っていただけましたか?」
危うく公爵の質問を聞き逃すところだったフィオナ。
「ーーーはい! とても、美しいお庭ですね。」
ニッコリと答えると、
「気に入ってもらえてよかったです。」
と嬉しそうにした公爵が答えていたので、
「ーー気に入らなければいつでも言ってください。いつでもブッ壊して作り替えさせるので……」
というぶっ飛んだ言葉を聞き逃してしまうところだった。
「……はい……って、え!?」
驚いて公爵を見上げると、さっきよりも何か意味がこもったように微笑んでくる。
「(……今のは、冗談、だよね?)」
私が戸惑っているのが分かったのか、心を呼んだかのように、
「ーーいえ、冗談ではありませんのでいつでも言ってください。」
と笑って簡単に言ってくる公爵。
ーーそれ以上何もいえなくなってしまう。
ーーまた、二人の間に沈黙が流れていく。
隣を歩く公爵の様子と小説の公爵の様子の違いに、思ってる以上に戸惑ってしまう。
ーー小説『悪役公爵の哀しみ』では、最終的には皆殺しちゃうヤバい人だったのに普段の公爵は、こんなにも紳士で素敵な人だったのね。
「(………ん?)」
そこで初めて私は違和感を感じていた。
「(?????)」
ふと首をかしげて考えてみる。
ーーそうだ。
私はあることを思い出した。
『小説では公爵は闇落ちしていた』
ということを。
そうだよ。どうしてこんな一番肝心なことを忘れていたんだろ……。
ーーそうなのだ。
小説の公爵は、闇落ちしていた。
でも、この公爵は……。
私は隣を歩く公爵をもう一度そっと見上げた。
ーーこんな穏やかそうな人が、あんな風になってしまうなんて……。
でも、確かにそうなってもおかしくないのかもしれない。
ーー公爵の事情を考えれば……。
二人の公爵のことを考えると、胸が締め付けられるほどに苦しくなってしまうのでした。
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