ホラーの詰め合わせ

斧鳴燈火

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その他

兄妹

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妹はボール遊びが好きだった。
まるいボールを手に持っては近くの公園まで走っていった。
「お兄ちゃん。早く早く!」
よく遊びに公園まで連れて行ったものである。
特にドッチボールなどをしてやると喜んだ。

「お兄ちゃん早くってば!」
でも、そそかっかしい一面もあるので気をつけないといけない。
よく周りも見ないで道路を渡ったりする。
「危ない!」そう叫んだ時には遅かった。

トラックに跳ねられた。一瞬何が起きたかわからなかった。妹は血を流し地面に倒れている。
ショックで私も気を失った。
思えばあの時から妹はボールで遊ばなくなった。
外に遊びに行かず、今も布団の中で寝ている。
元気もなくなり。まるで別人みたいだ。



お兄ちゃんは私のことが大好きだった。
だから、私が公園に遊びに行くときはいつも喜んでついてきた。たまにいやらしい目つきで私のことをみる時もあったけど、優しい、いいお兄ちゃんだったと思う。あの時までは。

公園に向かう途中、道路を渡った。
「危ない!」私は急にふきとばされて、地面に転がった。目をあけると兄の頭が地面に転がっていた。意識が遠のき気がつくと病院にいた。
私は一週間入院した。
「お帰り」
退院して帰ってくると兄は自宅にいた。
何事もなかったかのように。

今も部屋の角に立ってじっと見ている。

本当のことを言うべきなのか、言わない方がいいのか私にはわからない。
お兄ちゃんはまだ自分が死んでいることには気づいていない。
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