星は夜に抱かれ光り輝く〜人の顔がお金に見えちゃう貧乏貴族オメガは玉の輿にのりたい!のに苦学生アルファに恋する?〜

虎ノ威きよひ

文字の大きさ
12 / 12

番に【後編】※

しおりを挟む
「ぁっ! ひぁあっ」
 
 膝裏を抱えて大きく足を広げられ、奥を突き上げられる。
 纏っていた衣服はとうに床に落ち、背中の下で白いシーツはぐちゃぐちゃにシワが酔っていた。

 何度も頂に導かれたことが分かる、白濁で濡れたセルジュの腹。
 そしてシャルルと繋がっている入り口は、オメガ特有の体液と放たれた愛液が混ざり泡立っていた。

「も、だめぇっ」
「何が、だめ……っなんだ?」
「わかんない! で、でも、もぅ」
「嫌だと言われないとやめられないな……!」
「ぁああっ」

 荒い息と共にズンっと音がするほど抉られ、セルジュは背中を逸せて痙攣する。
 さすがは発情期、というべきだろうか。
 未だ薄くなることなく、熱は放たれる。

「まだ、まだイってるからぁっ」
「セルジュは……っ、その状態で突かれるのが好きだろう?」
「ゃ、ん、あぁっ! いじ、わるだ……!」

 普段の紳士的な、物語の王子様のようなシャルルからは考えられない。
 そしてセルジュも、口では止まることを請いながらも与えられる快楽に溺れ切っていた。
 このまま一週間、ずっとシャルルと居られるのだと思うと幸福感に満たされる。

 だがシャルルが急に動きを止めた。そして、中の熱をじゅぷっと淫らな音を立てて抜いてしまう。
 セルジュは突然の喪失感に、眉を切なげに顰め吐息を漏らす。

「は、ぁん……っ、どうし……!?」

 問いかける言葉は途中で止まった。ぐるりと視界が回ったのだ。

 状況についていけないまま、胸が体温の移ったシーツにつき、臀部を大きな手で掴まれる。
 いやらしく濡れそぼった双丘と、その谷間の蕾をシャルルに突き出すような格好にされた。

「な、に……?」
「こうしないと、出来ないから」
「なに、を……っんん」

 改めて蕾にシャルルの先端が触れる。焦らすように谷間を滑らされて、セルジュは堪らず腰を揺らした。

「中の方が……っ、気持ちいぃだろ?」
「はは、セルジュ……貴方は本当にっ」
「ぁん、ふ、ぁぁっ」
「煽るのが上手い」

 再び挿入された熱は、セルジュの好きなところを完璧に心得ている。
 動きに翻弄されて、すぐに高みが近づいてきた。

「ぁっ……! 俺、またぁっ」
「ん、一緒に……っ」

 シャルルの逞しい体がセルジュの背中全体を覆う。その温もりに、ますます鼓動が速くなり脳が痺れる感覚を覚える。
 不意に、シャルルの唇が汗ばんだ頸に触れた。
 ピクリと本能が反応を示す。

「シャル」
「セルジュ、何が起こってもずっと……私のそばに」
「……っ、もちろんだ」

 振り返ってシャルルの顔を見ようとすると、吸い付くように唇を唇で覆われた。
 腰の動きは激しさを増していき、くぐもった喘ぎ声は飲み込まれていく。
 そして。

「愛してる」

 言葉を残して顔が離れた。
 頸に硬いものが触れる。

「ぃっ……あああぁああ!」
「っ、……!」

 アルファの発達した犬歯が皮膚を突き破る鋭い痛み。
 しかしそれを上回る体内の快感。
 腹に感じる放たれたシャルルの熱。

 矯声を部屋に響かせたセルジュの目から、一筋の涙が零れ落ちた。

 ◆

「痛むか?」
「不思議となんともない。でも」
「でも?」
「シャルルと、繋がってるって感じがする」
「私もだよセルジュ」
 
 翌日、日が高く昇ってから起きた番たちはベッドの上で抱きしめ合う。
 セルジュの発情期が終わるまで、ずっと離れることはなかった。
 
 おしまい
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

金浦桃多
2024.04.25 金浦桃多
ネタバレ含む
2024.04.26 虎ノ威きよひ

金浦桃多さん、お読みいただきありがとうございます!

超、王道なお話でした!
必死すぎて人の顔がお金に見えていますが 笑

攻めにちょっとSっ気あるのいいですよね( ´ ▽ ` )

本当にありがとうございました!

解除
ペンギン3号
ネタバレ含む
2024.02.29 虎ノ威きよひ

お読みいただきありがとうございますー!
おっしゃる通り、ずっと仲良くイチャイチャしている2人だと思います☺️

解除
12
2024.02.22 12
ネタバレ含む
2024.02.23 虎ノ威きよひ

お読みいただきありがとうございます!
嬉しいです。
本当に素敵な表紙ですよね!

解除

あなたにおすすめの小説

溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~

液体猫(299)
BL
毎日投稿だけど時間は不定期   【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸にクリスがひたすら愛され、大好きな兄と暮らす】  アルバディア王国の第五皇子クリスは冤罪によって処刑されてしまう。  次に目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。    巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。  かわいい末っ子が過保護な兄たちに可愛がられ、溺愛されていく。  やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで新たな人生を謳歌する、コミカル&シリアスなハッピーエンド確定物語。  主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ ⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌ ⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

魔法使い候補生は夢を叶えられない

ユーリ
BL
魔法使いの採用試験に何度も落ちる凪は、幼馴染で魔法省に勤める理斗に頼み込んで二泊三日の合宿をしてもらうことに。これで合格すれば晴れて魔法使いになれるけれど…?? 「魔法使いじゃなくて俺の嫁になれ」幼馴染の鬼教官攻×夢を叶えるため必死に頑張る受「僕がなりたいのは魔法使いなの!」ーー果たして凪は魔法使いになれる??

アルファの双子王子に溺愛されて、蕩けるオメガの僕

めがねあざらし
BL
王太子アルセインの婚約者であるΩ・セイルは、 その弟であるシリオンとも関係を持っている──自称“ビッチ”だ。 「どちらも選べない」そう思っている彼は、まだ知らない。 最初から、選ばされてなどいなかったことを。 αの本能で、一人のΩを愛し、支配し、共有しながら、 彼を、甘く蕩けさせる双子の王子たち。 「愛してるよ」 「君は、僕たちのもの」 ※書きたいところを書いただけの短編です(^O^)

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。

叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。 幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。 大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。 幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。 他サイト様にも投稿しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。