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第四章

第109話

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 遠征部隊は帰還したあと、ロクな休息なくオニ兄上への報告となっていた。

「休息なくすまないが直接報告を頼む」

「今回の騒動の原因は『呪怨瓶じゅおんへい』と呼ばれる魔王時代の遺物と推定されます。
 この魔道具には瘴気しょうきを蓄積し放出する効果があり、魔王信奉者や魔族が好んで使ったそうです。
 効果としては高位魔族や魔王、封印されるような強大なモンスターの復活や回復、一時的な強化にも使えるようで温厚なサラマンダーの狂乱も『呪怨瓶じゅおんへい』が原因ではないかというのが、神殿の高位神官であるツナーグ様の見解です。
ナオス様と神殿の皆様のご協力で破壊できたのでひとまずは安心できるかと……」

 遠征からの期間中に考えていたものなのだろう。
 ビンセントは淀みなく簡潔に報告を述べた。
 二人はビンセントの報告を聞いて、顔を見合わせると露骨に安堵の表情を浮かべた。

 よほど陸の交通が封鎖されていたことが精神的負担になっていたようだ。

「魔王時代の遺物がどうして我が領地に……昔勇者様がこの地に逗留されたというがそれと関係が?」

(急な流れ弾が来た! 責任転嫁しないでご思惟。逗留していたのは、RPGでおなじみの巨大モンスターが居て船が動かせないイベントなどで、物理的に動けなかっただけだ)

「それはないでしょう。『呪怨瓶じゅおんへい』という魔道具は数年~数か月で効果が表れるそうなので……」

「これで一安心だな」

「いえ」

 兄の言葉を即座にビンセントが否定するとこう続けた。

「ここ最近のモンスターの目撃数増加が、たった一つだけの『呪怨瓶じゅおんへい』目撃が原因だとは到底思えません」

「他にもあるといいたいのか?」

「バカなことを言うな」

「私は可能性の話をしただけのことそれを判断するのは、オニ様を始めとするコッロス公爵の方の仕事です」

「兄上政治の仕事とは常に最悪を想定し、最善の策を速やかに実行することではないでしょうか?」

「しかしッ!」

「王たる者、部下の功績だけでなく失態さえも自らのことと受け止め考えることが役割ではないでしょうか? 何も悲観しろと言っている訳ではありません。楽観視せず警戒しろと言っているのです」

「……判った。進言を重く受け止め対策を講じると約束しよう……」

「ではこちらがメロンと請求書となります」

(一度やってみたかったんだよなぁド〇ターXごっこを真面目な場面で)
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