聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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やり返しにいこうか

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 洗脳されてない事にホッとした。が、軽症と判断された。
 私の『おまじない』は『付与』に近いそうだ。────という事で重めの『おまじない』をかける。

「知らない人についてっちゃ駄目なのよ~シロ君は変な匂いに負けたりしないのよ~私が大好きよね~そうだよね~」
 
  ん゛ぬぬぬぬぬとその他諸々の念を込めた『桃ちゃん』は、異様な迫力を放つものになった。 
 
  なんかソレ怖いんだけど。と躊躇するシロ君の口に、グイグイ押し込んだらシロ君がペカッと光ったが進化はしなかった。がっかりしないの
 
  変なところで落ち込んでいるシロ君を横目に、『ナビ』に問いかける。

「『邪香』とやらを使っている奴が、近くにいるってことよね?」

 『そうなります』

「じゃあ~ちょっ~とアイサツといこうか~~」

 ─────そのケンカ買ったるわ~んふ。シロ君、引かないの。
 やられたらやり返すのよ。そこに慈悲は存在しない。
 
「お前、なんか怖いぞ」

「えぇ~ヤダ~シロ君がいじめられたのよ~弟がいじめられたら、お姉ちゃんは怒っちゃうものなのよ~」

 自称認定弟をぐりぐりと撫でまわす莉緒と、「だれが姉だっ!」とその手から逃れようするじゃれ合いは、しばらく続くと思われたが。

 目標物を『サーチ』がとらえました。と『ナビ』の介入によりストップされた。


「シロ君大丈夫?」

「問題ない、不愉快な匂いってだけだ」

『大丈夫でしょう』とナビが言う(?)ので、結界を解除してみたのだ。 
 威力マシマシの桃ちゃん成分で、耐性がついたようだが、嫌な臭いだという事に変わりはないようだ。 
  ちなみに、自分にその匂いは感じられない。やっぱり犬(?)って鼻がいいのかな?当人(?)には言えないけどねっ!

「‥‥‥‥臭い」

『風下ですから』

 『ナビ』はどうも自分に優しくない。そのかわりといってか、白陽には甘い気がする。さっき『シロ君』呼びしていたし、どうも態度に差がある。それにしても

「‥‥‥‥この世界来てから初めての人間が、悪党ってどうなの」

 今現在、私たちは焚火を取り囲んで、宴会をしている男たちを木の陰から覗いている。
 着ている物は小汚く、身なりに気を使ってないのが遠目でもわかる。かなり酔いがまわっているのか、大声で喚き合い、笑い声をあげている。嫌いなんだよねああいうの。

  悪党って決めつけたのには理由がある。

 奴らの周り、そして後方に小山が出来ていた。────すべて、事切れた人のようだ。
 ‥‥‥‥それを魔獣と思われるモノ達が、群がってむさぼり食べている。 
 
 そんな光景を、笑いながら見ているのだ。
 
 犠牲になっている者達は、知り合いでも何でもないが、─────胸糞悪い。

「悪趣味な奴らだ」

 シロ君が顔に皺を寄せて、不愉快そうに呟く。
 本当そうよね。正義の味方ぶるつもりじゃないけど

「全員、焼却処分ね」
 
 左手の上に『炎』を展開する。─────慈悲?ないよ。

 『捕らえられている者がいる模様です』 

   おぃいいいっ!─────それを先にいってよっ!
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