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お肉ちゃん
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秒で返事をしてしまったけれども、確認しなければならない事が、こちらにもある。
「あなた達って『ピンク教』と関係あったりする?」
「─────『ピンク教』?」
「ああ、『アンへ・ファータ』教の事ですか。我々は違います」
渋い顔をしながら、副隊長さんが答えた。
「そうだな。むしろ俺達は、敵対側だ。なぜそんな事を聞く?」
─────あら、反対側の人達ね。オッケーオッケー。
いやいや、アイツらの仲間だったら、また土の中に埋めるだけなんだけど!
にこやかに返事をしたら、ドン引かれた。─────あれ?
後ろをウロウロする奴がいなくなったので、機嫌を取り戻したシロ君の足取りは軽い。 自分も、森以外の景色は初めてなので、とても新鮮だ。
ごとごと揺れる荷馬車に、雑用係の少年が乗っていた。その両手には、イチゴの入った籠を大事そうに抱えている。 「傷まないの?」と聞いてみたら、『保存』の魔法を隊長さんにかけてもらったらしく、「大丈夫です!自分が無事に持っていくのですっ!」と眩しい笑顔で言われた。
「それにしても、シロ君は、色んなサイズになれるのですね。スゴイです」
シロ君の今のサイズは、『中』である。
ご飯を沢山食べたいときは、大型犬サイズの『小』。本来の大きさは『大』だ。
シロ君としては、『大』で行こうとしたら、馬が怯えてパニックになると言われ、『小』では恰好が付かないので『中』になった。
「賢いですねぇ~」
「でしょ~?うちの弟いい子でしょ~」
にこやかに笑い合う二人以外は、何とも言えない顔だ。
賢い、いい子と言われ、ご機嫌に尻尾をフリフリ振っていたシロ君だが、ピクッと反応し左前方を気にし、鼻をスンスンさせている。
「─────何?どうしたのシロ君」
シロ君の異変に気付くと同時に、気を利かせているのか、小っちゃい『ナビ』表示が出現する。
『ビックボアの群れがいます。その数、十五』
「ビックボア?」
「ビックボアですかぁ~あれは美味しいですよね~」
こちらの異変に気付かない少年から、のほほんとした返事が返ってきた。
注目すべきは名前ではない。
「美味しいの?」
「はい~。油のってて、やわらかくって美味しいです~─────あれ?」
美味しいお肉。と言われ、シロ君は猛然とダッシュしだした。
隊の後ろの方にいたので、他の隊員たちが、なんだなんだとこちらを向くが、次々と追い抜き、先頭付近まであっという間に追いつく。
「─────お?おおい。なんだなんだ」
「どうしました?」
先頭の三人が、後ろの騒ぎに気付いて振り返る。
今は取りあえず団体行動している(?)から、報告はしとかないとね~。
─────とは思うが、シロ君は止まらないので、そのまま追い越しながら叫ぶ。
「ビックボアってお肉の群れがいるらしいから、ちょっと狩ってくる~」
ちょっと近所へ買い物に行ってきま~す。みたいな感じで、フェンリルに乗った人物は恐ろしい言葉を口にして通り過ぎて行った。
「ビックボア?」
「お肉の群れ?」
「ビックボアの群れがいるのか?」
─────ちょと待てっ!と叫んだが。更に加速したのか、フェンリルの姿は既に小さくなっていた。
────ヒャッッハ──── お肉ちゃ────ん───まっててね────ん
─────響き渡る笑い声に、その場に全員が固まった。
「あなた達って『ピンク教』と関係あったりする?」
「─────『ピンク教』?」
「ああ、『アンへ・ファータ』教の事ですか。我々は違います」
渋い顔をしながら、副隊長さんが答えた。
「そうだな。むしろ俺達は、敵対側だ。なぜそんな事を聞く?」
─────あら、反対側の人達ね。オッケーオッケー。
いやいや、アイツらの仲間だったら、また土の中に埋めるだけなんだけど!
にこやかに返事をしたら、ドン引かれた。─────あれ?
後ろをウロウロする奴がいなくなったので、機嫌を取り戻したシロ君の足取りは軽い。 自分も、森以外の景色は初めてなので、とても新鮮だ。
ごとごと揺れる荷馬車に、雑用係の少年が乗っていた。その両手には、イチゴの入った籠を大事そうに抱えている。 「傷まないの?」と聞いてみたら、『保存』の魔法を隊長さんにかけてもらったらしく、「大丈夫です!自分が無事に持っていくのですっ!」と眩しい笑顔で言われた。
「それにしても、シロ君は、色んなサイズになれるのですね。スゴイです」
シロ君の今のサイズは、『中』である。
ご飯を沢山食べたいときは、大型犬サイズの『小』。本来の大きさは『大』だ。
シロ君としては、『大』で行こうとしたら、馬が怯えてパニックになると言われ、『小』では恰好が付かないので『中』になった。
「賢いですねぇ~」
「でしょ~?うちの弟いい子でしょ~」
にこやかに笑い合う二人以外は、何とも言えない顔だ。
賢い、いい子と言われ、ご機嫌に尻尾をフリフリ振っていたシロ君だが、ピクッと反応し左前方を気にし、鼻をスンスンさせている。
「─────何?どうしたのシロ君」
シロ君の異変に気付くと同時に、気を利かせているのか、小っちゃい『ナビ』表示が出現する。
『ビックボアの群れがいます。その数、十五』
「ビックボア?」
「ビックボアですかぁ~あれは美味しいですよね~」
こちらの異変に気付かない少年から、のほほんとした返事が返ってきた。
注目すべきは名前ではない。
「美味しいの?」
「はい~。油のってて、やわらかくって美味しいです~─────あれ?」
美味しいお肉。と言われ、シロ君は猛然とダッシュしだした。
隊の後ろの方にいたので、他の隊員たちが、なんだなんだとこちらを向くが、次々と追い抜き、先頭付近まであっという間に追いつく。
「─────お?おおい。なんだなんだ」
「どうしました?」
先頭の三人が、後ろの騒ぎに気付いて振り返る。
今は取りあえず団体行動している(?)から、報告はしとかないとね~。
─────とは思うが、シロ君は止まらないので、そのまま追い越しながら叫ぶ。
「ビックボアってお肉の群れがいるらしいから、ちょっと狩ってくる~」
ちょっと近所へ買い物に行ってきま~す。みたいな感じで、フェンリルに乗った人物は恐ろしい言葉を口にして通り過ぎて行った。
「ビックボア?」
「お肉の群れ?」
「ビックボアの群れがいるのか?」
─────ちょと待てっ!と叫んだが。更に加速したのか、フェンリルの姿は既に小さくなっていた。
────ヒャッッハ──── お肉ちゃ────ん───まっててね────ん
─────響き渡る笑い声に、その場に全員が固まった。
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