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押しかけ従魔
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「私は終わったよ~。おっさんこそ『従魔』の登録とやらはしたの?」
頭ピコピコ君。どうやら荷台から逃げたうちの一匹らしい。
主のいなかったピコピコ君は逃げ出した時、どうやらおっさんに目を付けたらしい。
この場合『押しかけ従魔』と言って、勝手に主を決めて勝手についてくるらしい。
解放され、逃げ出したのが現場がギルド前。獣は強い者に惹かれてくるという事で、それなりに強い人間達が他の場所より多く集まっていたギルド周辺では、『押しかけ従魔』騒動がおっさんだけでなく、あちこちで発生した。
「今から登録するところじゃが、受付が『従魔』契約の列で大変なことになっとる」
あらまー職員さんは大変だね~。
突然押しかけてきた動物達を、無碍に出来る冒険者はそうそういないらしい、そもそもそこを見抜かれてるよね。
先刻も両肩を猫型の動物に乗られ、お互い気に入らないのか、ケンカを始めた二匹に巻き込まれた冒険者は「こらこら~お前たち~仲良くしないか~」とデレデレしていたし。本人は嬉しそうだったが、左右から来る猫パンチで顔面傷だらけになってもニヨニヨしている姿はちょっと怖かった。
─────私?誰も来なかったよ。犬系の子達がシロ君に「あ、若。お疲れっす」という感じで、ぞろぞろ挨拶に来ただけだよ。
「ドルク様~その子の名前決まったんですか~?僕、まだ決めてないんですけど~」
「きゅ」
おっさんの所に来た子がやたら存在感があるので気付かなかったが、ウィル君の所にも『押しかけ』が来ていた。
クリクリお目目の小さなモモンガ系。
会議室にお茶を持ってきてくれたウィル君に、ちゃっかりくっ付いていた。
しかも振り返ったウィル君の首後ろから覗くというあざとさで、自分も含めその場にいた女性陣が悶絶した。
「エゾモモンガ系じゃんっ!かわい─────っ!」
発狂した女性陣にビビり、モモンガちゃんは襟元からウィル君の服の中に隠れてしまったのだ。
今はちょっと慣れてくれたのか、襟元から顔だけ覗いてる。‥‥‥‥あざとかわェェ。
「自分が『従魔』持ちになると思わなかったので~皆さんが指摘するまで気付きませんでしたよ~」
「それを言うならワシもじゃ。この歳で『従魔』持ちになるとはな‥‥‥‥」
「まだまだ現役で働けって事じゃない?」
なんじゃと?と怒ったふりをしてるが、内心は嬉しそうだ。
まあ、おっさんの所の子、見た目カッコいいもんね~。─────ま、うちの弟の方がカッコいいですけど。
戻ってきたフロアは、さっきの雰囲気とは全然違う阿鼻叫喚の嵐だった。
「ね、ねえ今度はどう?『チビ』っ!」
─────パアァンっ!
「『ポンタ』これでどうだっ!」
─────ビリィィィィ
「皆さん用紙には限界があるんですよっ!よっっっっく考えてくださいっっっ!!」
従魔に名前を却下され、紙吹雪と化した書類の海の中で職員さんがキレていた。
‥‥‥‥センス問われるのか‥‥‥‥。
「‥‥‥‥おっさん‥‥‥‥何に決めたの?」
「ん?ワシはこれじゃっ!」
どどんっ!と自信満々に広げた用紙には─────
「『ピーコ』じゃっ!!」
ギャアァァァァ─────!!
即効で紙吹雪の仲間となりました。
「む?気に入らんのか!??なぜじゃ!?」
「『ピーコ』はないよ‥‥‥‥」「ないですね‥‥‥‥」
「お主だって『シロ』ではないか」
─────ぬ。私をそっち側に寄せないでくれ。
「『シロ君』は渾名だよ~」
「む。フェンリルは『真名』持ちか‥‥‥‥それもそうか、ううむ」
『ピーコ』を却下されたおっさんは、新しい用紙を持って悩みだした。
ウィル君は書かなくていいのか?と聞くと
「僕、騎士団所属なんで、提出先が違うんです~。ドルク様はギルドと団に出さないといけないんですよね~」
そうか、おっさんは二足の草鞋を履いてるから、ギルドに出さなきゃいけないんだ。
「‥‥‥僕、ここでじゃなくて良かったです‥‥‥‥」
─────ギイィィ─────ワウウウ─────シャーシャー動物達が怒りまくる中。
なぜじゃ─────!─────コレもダメなの!─────もうネタが下りてこねぇェェ!!と叫ぶ人間達。
「おまえらぁぁぁぁっ!脳みそ限界突破で絞り出せぇぇぇぇ!!」
─────キレるギルト職員を見ながら同意した。
頭ピコピコ君。どうやら荷台から逃げたうちの一匹らしい。
主のいなかったピコピコ君は逃げ出した時、どうやらおっさんに目を付けたらしい。
この場合『押しかけ従魔』と言って、勝手に主を決めて勝手についてくるらしい。
解放され、逃げ出したのが現場がギルド前。獣は強い者に惹かれてくるという事で、それなりに強い人間達が他の場所より多く集まっていたギルド周辺では、『押しかけ従魔』騒動がおっさんだけでなく、あちこちで発生した。
「今から登録するところじゃが、受付が『従魔』契約の列で大変なことになっとる」
あらまー職員さんは大変だね~。
突然押しかけてきた動物達を、無碍に出来る冒険者はそうそういないらしい、そもそもそこを見抜かれてるよね。
先刻も両肩を猫型の動物に乗られ、お互い気に入らないのか、ケンカを始めた二匹に巻き込まれた冒険者は「こらこら~お前たち~仲良くしないか~」とデレデレしていたし。本人は嬉しそうだったが、左右から来る猫パンチで顔面傷だらけになってもニヨニヨしている姿はちょっと怖かった。
─────私?誰も来なかったよ。犬系の子達がシロ君に「あ、若。お疲れっす」という感じで、ぞろぞろ挨拶に来ただけだよ。
「ドルク様~その子の名前決まったんですか~?僕、まだ決めてないんですけど~」
「きゅ」
おっさんの所に来た子がやたら存在感があるので気付かなかったが、ウィル君の所にも『押しかけ』が来ていた。
クリクリお目目の小さなモモンガ系。
会議室にお茶を持ってきてくれたウィル君に、ちゃっかりくっ付いていた。
しかも振り返ったウィル君の首後ろから覗くというあざとさで、自分も含めその場にいた女性陣が悶絶した。
「エゾモモンガ系じゃんっ!かわい─────っ!」
発狂した女性陣にビビり、モモンガちゃんは襟元からウィル君の服の中に隠れてしまったのだ。
今はちょっと慣れてくれたのか、襟元から顔だけ覗いてる。‥‥‥‥あざとかわェェ。
「自分が『従魔』持ちになると思わなかったので~皆さんが指摘するまで気付きませんでしたよ~」
「それを言うならワシもじゃ。この歳で『従魔』持ちになるとはな‥‥‥‥」
「まだまだ現役で働けって事じゃない?」
なんじゃと?と怒ったふりをしてるが、内心は嬉しそうだ。
まあ、おっさんの所の子、見た目カッコいいもんね~。─────ま、うちの弟の方がカッコいいですけど。
戻ってきたフロアは、さっきの雰囲気とは全然違う阿鼻叫喚の嵐だった。
「ね、ねえ今度はどう?『チビ』っ!」
─────パアァンっ!
「『ポンタ』これでどうだっ!」
─────ビリィィィィ
「皆さん用紙には限界があるんですよっ!よっっっっく考えてくださいっっっ!!」
従魔に名前を却下され、紙吹雪と化した書類の海の中で職員さんがキレていた。
‥‥‥‥センス問われるのか‥‥‥‥。
「‥‥‥‥おっさん‥‥‥‥何に決めたの?」
「ん?ワシはこれじゃっ!」
どどんっ!と自信満々に広げた用紙には─────
「『ピーコ』じゃっ!!」
ギャアァァァァ─────!!
即効で紙吹雪の仲間となりました。
「む?気に入らんのか!??なぜじゃ!?」
「『ピーコ』はないよ‥‥‥‥」「ないですね‥‥‥‥」
「お主だって『シロ』ではないか」
─────ぬ。私をそっち側に寄せないでくれ。
「『シロ君』は渾名だよ~」
「む。フェンリルは『真名』持ちか‥‥‥‥それもそうか、ううむ」
『ピーコ』を却下されたおっさんは、新しい用紙を持って悩みだした。
ウィル君は書かなくていいのか?と聞くと
「僕、騎士団所属なんで、提出先が違うんです~。ドルク様はギルドと団に出さないといけないんですよね~」
そうか、おっさんは二足の草鞋を履いてるから、ギルドに出さなきゃいけないんだ。
「‥‥‥僕、ここでじゃなくて良かったです‥‥‥‥」
─────ギイィィ─────ワウウウ─────シャーシャー動物達が怒りまくる中。
なぜじゃ─────!─────コレもダメなの!─────もうネタが下りてこねぇェェ!!と叫ぶ人間達。
「おまえらぁぁぁぁっ!脳みそ限界突破で絞り出せぇぇぇぇ!!」
─────キレるギルト職員を見ながら同意した。
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