聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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見てない‥‥‥‥

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「あ~消えちゃう~」

 少女の無邪気な声につられて、その方角に視線を向けると、巨大な神の姿は陽の光に溶け込むように消えつつあった。
やがて景色が元に戻ると、無意識に止めていた息を盛大に吐出しした。

「‥‥‥‥はぁぁぁ。この歳になって、ここまで肝が冷える事が起きるとはな‥‥‥‥」

 周りの大人たちは目の前で起きた奇跡にいまだ呆然とし、子供たちは今見た事を大人たちに興奮気味に報告をしていた。

「すっごくきれいだったね!おにいちゃん」

「‥‥‥‥う、うん。そうだね」

 少年はどちらかと言えば大人よりの年齢だったため、妹より無邪気に見ることは出来ず、大人と同じ姿勢でいた。
 
 次第に落ち着いてきた人々の間からは「一体なんだったんだ」という疑問と共に、「祭り?祭りか?」という声と「‥‥‥‥しても、良いのだろうか」という会話になり、自然とこちらに視線が集まる。

 そうだろうな。あまりの出来事に、どこまでが許容範囲なんだろうという線引きの確認がギルト長に向けられたのである。

─────こちらだって知りたいわぃ!

 胸の内を表に出す訳にはいかず、取りあえず通常に戻るよう促した。

「取りあえず、ギルドにもどるか」

 あちらも蜂の巣をつついたような騒ぎになっているのは容易に想像できるが、いかない選択肢はないだろう。

「おにいちゃん、すごかったね。行っちゃう前に、こっちに手を振ってくれてしっ!」

  無邪気に報告する女の子の台詞に、軽く眩暈を覚えた。─────手を振る?こちらに!?‥‥‥‥これ以上は勘弁してほしい、子供の勘違いとしておこう‥‥‥‥。

「─────でも、反対の手になんか黒いのもってたけど、あれなんだったんだろう?」

 ‥‥‥‥子供の見間違いとしておこう‥‥‥‥。


「何よ何よ何よっっっ!!ムカつくっ─────!!」

 苛立ちの声と共に、アリサの部屋にあった物が、派手な音を鳴らしながら盛大に床に散らばった。
 意味不明な絵柄の花瓶も、原型が無くなるほど、細かく無残な姿に粉砕された。

 何なのよあの女っ! 身体的特徴からして、確実に日本人なのは分かった。
 その容姿から単なる『モブ』要員だと高をくくったら、完全に上をいかれた。
  
 ‥‥‥‥いいえ!私はこの世界で一番の『チート』を貰ったはずよっ!
 手ごたえのないヤツラばかりで、ちょっとばかり油断しただけよっ!

 ‥‥‥‥そうよっこれは『逆ハーレム』が出来るまでの、通過点でしかないのよっ!!

 そこでジークを縛っていた『糸』が切れている事に気が付いた。 

「ジークと繋がっていた『糸』が切れてる‥‥‥‥!?‥‥‥‥死んだ?それともあのモブに‥‥‥‥」

 一番の美形の取り巻きが自分から離れた事に気付き、一回は収まっていた苛立ちが、再び込み上げてきた。

「『アンへ・ファータ』様!─────出てきなさいよっ!聖女の私が一番なはずでしょ!一体どうなってるのよっ!説明しなさいよっっ!!!」
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