聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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デカ盛り戦争

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『─────うるさいわねっ!今それどころじゃないのよっ!』

 姿の見えない虚空から聞こえてきた声は、いつかの甘ったるい口調ではなかったが、イライラしていたアリサにはその事に気づかない。

『─────なんなのよっこの忙しい時に‥‥‥‥』

 現れた女神は豪奢な椅子に座ったまま、何故か後頭部に光源を放ち、顔がはっきり見えない姿ではあったが、アリサにはそんな事はどうでもよかった。

「ちょっとどうなってるのよ!私が最強じゃないの!? モブに歯向かわれるなんてありえないんだけどっ!」

 自称女神事アンへ・ファータは、キャンキャン喚く小娘を見下ろしながら逆に冷静さを取り戻し、自分のするべき役柄をこなす。

「貴方は何を言っているのかなぁ~。貴方の願いをすべて叶える為には、ちょっとしたスパイスも必要じゃないかな~」

 いつもの甘ったるい調子で話しかけられた為、アリサのテンションがちょっと下がる。

「‥‥‥‥そ、そうよね」 

 「そうよ~。だいだいそんなつまらない事で、いちいち私を呼び出さないでちょ~だい?─────え、何?」

「─────はぁ?肝心なことでしょっ─────えっ!?」

  パ─────ン──────────ッ!!

 その日教団の施設に、空から巨大な雷が落ちた。
 その轟音は周囲の街にも届き、何事かと人々が空を見上げる騒ぎとなった。

 その日の空は、雲一つない晴天であった。



 「フンフンフン~♪」

 じゅわぁと油のいい音が鳴り、鍋の中で順調にジャガイモが揚がりつつあった。

「ジャ・ガ・イモン追加切っといたよ─────これぐらいで足りるかい?」

 マールさんから、大量のカットされたジャガイモが届いた。

「ありがとう~!何といってもお姫さんのご所望なんでね。でもなんか辿り着かない予感しかしないから‥‥‥‥」

「男連中ばかりだからね‥‥‥‥。毒見とか味見とかいいながら、姫様に辿りつくまでに無くなっちまうもんね‥‥‥‥」

 そうなのだ、最初はビビッて手をフライドポテトに手を出さなかった連中が、その正体を知ってしまい味を覚えてしまった途端、飢えた集団となって集りに来る始末。
 第一便を送り出したのが先刻だが、配膳係が見事に敗北して帰ってきたのだ。

 元の姿に戻ったお姫様だが、すべてが終了した途端、「デカ盛りお願い」とオーダーが入った。

 ‥‥‥‥なお「夕食時でいいんじゃない」という私の提案は秒で却下された。
 可愛い美少女フェイスでうるうるされたら「かしこまり~」と言うしかない。

 という事で、厨房に乱入してささっと作ってみたが、配膳係が見事に空になった器を涙目で持って戻ってきたのだ。

‥‥‥‥誰か知らんが、姫さんのに手を出していいのか?

─────私?只今絶賛『トンカツ』の仕込みの真っ最中ですけど、なにか? 
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