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本編

クマさーん!言い方ー!

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 「・・・お前・・・この位でバテるのか。体力無いな」

 「いやいや・・・、待って。ガイルが歩くの早すぎて、僕ずっと走ってついていってるからね!」

 『冒険者よ・・・坊ちゃんは足が短いんだ。考えてあげて』

 「クマさん!言い方!僕が足が短いんじゃなくて、ガイルが長いの。いい?ガイルの足が長くて僕がついていくのが大変なの。はい、言い直し!」

 『冒険者よ・・・冒険者の足が長いから坊ちゃんがついていけなくて困ってるぞ』

 「うんうん」

 「・・・・・・そうか」

 もー、クマさん言い方大事なんだからね!
 僕は足は短くないはず!
 ガイルの足が長いだけ!

 「じゃ、一旦ここで休憩するか。このままだとお前魔法陣発動どころじゃなさそうだしな」

 「はーい!」

 やっと分かってくれた!
 そうなんだよね。今もーバテてて、魔法陣に魔力なんて流せる余裕無いんだよね・・・。
 
 木に背を預けて、座り込む。
 マジックバッグ から果実水を取り出し、喉を潤す。

 あー、染み渡る。

 休憩しながら、クマさんを見つめる。

 クマさん・・・森とか広いところ好きだよねー。
 もー、めっちゃ走り回ってる。
 コロコロと転がりながら遊んでるのは、めっちゃ可愛い。
 なんかもふもふのボールが転がってるようにしか見えないんだよね!

 「いつ見ても、お前のぬいぐるみ不思議だよな。本当になんで動いてるんだろう・・・」

 「うーん、クマさんに関しては、僕はもう深く考えるのはやめたよ!」

 「まぁ、確かに考えたところで良く分からないしな」

 「うんうん。でも、誰かにクマさんが攫われちゃったら困るから、誰にも言わないでね」

 「あぁ、それは別に心配しなくていい。こんな話したところで誰も信じないだろうしな。俺だってこの目で見なければ信じなかっただろうしな。まぁ、誰にも言わないな」

 確かに、誰がこんなの信じるんだって感じだよね。

 クマさんは、いつまでもずっと一緒にいてくれるのかな。
 いつか急に動かなくなる日は来るんだろうか?
 僕の側にいる限りは、僕の魔力で動き続けるのだろうか。
 正直なところ、いつか動かなくなるんじゃって心配なんだ。

 今までは、ただのクマのぬいぐるみだと思って、独り言を呟いていただけだけど、今は会話が出来る。
 それが今は凄く楽しい。
 もし、いきなりクマさんが喋れなくなっちゃったら・・・僕はその時、その寂しさに耐えられるのだろうか。
 クマさん、いつまでも一緒にいてね。
 僕の魔力で良ければいくらでも持っていっていいから。
 いなくならないでね。
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