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本編

冒険者ギルドで待ち伏せ

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 空がオレンジ色に染まり出した頃、冒険者ギルドは賑わいを見せる。
 狩りを終えて帰ってきた冒険者で混雑している為、ギルド内に入る事なく、外の扉から少し離れた位置でガイルがギルドに来るのを待つ。

 「あれー・・・いつぞやの迷子ちゃんだよね」

 ・・・迷子。
 あれか、冒険者ギルドに登録きた日に迷子だと勘違いされた時のことか!

 「違いますっ!あの時は、迷子じゃなくて冒険者ギルドに登録に来ただけです」

 「え?君冒険者なの?」

 「はい・・・」

 思わず声が小さくなる。
 うー、やっぱり冒険者に見えないよね・・・。

 目の前の彼は、背も高く・・・んー、ガイルと同じ位かな?
 ラベンダー色の長い髪を緩く編んでいて、優しげな雰囲気の中にもほんのり色気のある人だ。
 彼の後ろには、女性が2人・・・3人パーティーなのかな。

 「こんなに可愛いのに、冒険者ねー。怪我しちゃうよ?」

 彼は、そういうとクマさんの頭をポンポンと手を乗せる。
 うっ、それは言い返しにくい・・・。
 何度かクマさんが居なければ、大怪我をしていたことがあるから・・・。

 クマさんをぎゅっと抱きしめ、黙り込む。

 「あー・・・ごめんね?別に虐めてるわけじゃ無いんだけど・・・あ、俺カイっていうの。君の名前はなんていうのかな?」

 「イズールです・・・」

 「イズール君・・・よし、イズちゃんって呼ぶね」

 「え・・・イズちゃん?」

 「うん、似合ってるよ」

 「・・・・・・」

 「で、イズちゃんはギルドに入らずここで何してるの?迷子じゃ無いんだよね?」

 まだ迷子だと思われてた!?

 「えっと、友人が来るのを待っているんです」

 「なるほど。お友達は冒険者なんだね」

 「はい、ガイルって言うんですが・・・」

 僕がそういうと、カイさんは僕の両肩をガッと掴んで詰め寄る。

 「イズちゃん!ガイルの友達なの!?」

 「え?えぇ、まぁ・・・」

 何!?何なの!?
 カイさんはガイルの知り合いなのかな?

 「へぇー・・・あのガイルにねぇ」

 「あの・・・カイさんはガイルの知り合いですか?」

 「あぁ、まぁ知り合いっちゃー知り合いかな?良く狩場でもギルドでも顔合わすしね。自ずと顔見知りになるっていうかさ。軽く話すことはあるんだけど・・・あいつって基本的に他人に興味がないから・・・イズちゃんが友達ねぇ。ガイルは君の何に興味を持ったのかな?」

 あー、なるほど。
 ガイルって人付き合い悪いのか。
 僕は、初めから面倒見の良い人だと思ってたから知らなかったな。
 まぁ、ガイルが興味があるのは僕じゃなくて、クマさんなんだけどね!
 しかし、ここでクマさんについて話すことは出来ない・・・。

 「多分・・・僕が冒険者らしくなかったので心配してくれたんだと思います」

 「ふーん、そんな親切な奴には見えないけどね」

 そういうと彼は、納得してないと言う様に僕をじーっと見つめてきた。
 うぅ、疑うように見られても本当のことは言えないよー!
 
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