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本編

魔法陣を考える

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 僕の収入の殆どは、商業ギルドで販売している【転移】のスクロールだけと言って良い。
 他にも売っているけれど、稼ぎは微々たるもの。

 最近は、ゴブリンも倒す様になったから、冒険者ギルドの方でも少しずつ稼ぎは出つつあるけれど、商業ギルドでの稼ぎには及ばず。

 今は、邸に居た時の服やら宝石やらを売ったお金があるから、生活に困ることはないけれど、いつまでもそれを当てにしていられない。

 散財しなければ、すぐにどうこうなることはないけれど・・・それでももう少し稼ぎが欲しい。

 【転移】のスクロール程ではないけれど、そこそこ買われるようなもの何かないかな。

 うーん。

 ベッドに寝転がり、天井を見つめながら悩んでいると、クマさんも僕の隣にコロンと寝転んだ。

 『坊ちゃん、どうしたの?』

 「んー、【転移】以外に売れそうな魔法陣何かないかなーって考えてるんだけど、全然思い浮かばなくて・・・」

 『ほむ。なるほど。売れるものとなると難しいね・・・』

 「そうなんだよね。僕が使うだけなら幾らでも考えられるんだけどね。売るとなるとねー・・・」

 『ここは、あの冒険者に聞いてみたらどうだろうか?実際に使う人間に聞くのが1番だと思うよ』

 「おぉー!流石クマさん!そうだよね!ガイルに聞いてみれば良いんだね!」

 そうだよ。僕が無い頭を悩ませるよりも一流冒険者がいるじゃないか!
 ガイルに聞けば、何か良い案が出てくるかもしれない。

 夕方になったら、冒険者ギルドに行ってみようかな。
 きっと、狩りが終わってギルドに寄る筈だから。

 そうと決まれば、ガイルに渡す為の【転移】の魔法陣を今から描きまくって、準備しておこう。

 お酒とか食べ物は、部屋に帰るときにガイルと選べば良いかな。

 「よしっ!クマさん、夕方になったら冒険者ギルドに行って、ガイルに会ってこよう。そうしたら、ガイルを誘ってここでご飯食べよー」

 『・・・ここで?食堂じゃなくて?』

 「うん。ガイルはさ、クマさんが動いてるの見るの好きみたいなんだよね。だからここで」

 『・・・・・・冒険者はクマさんを見過ぎだと思うんだ』

 「う、うん。そうだね。僕もそう思うけど・・・あ、クマさんも流石にガイルの視線が気になっちゃう?」

 『うーん、少し気になるかもしれない。クマさんはぬいぐるみだから子供達から見られるのには慣れてるから気にならないんだけど、どうにもガタイの良い男に見られるというのは、なんとも言えないものがあるよ』

 「なるほど・・・ガイルにクマさんが照れちゃうから見るの少し控えてって言っておこうか」

 『うん、そうしてくれると嬉しい』

 「分かった!じゃ、今日ガイルが部屋にきた時に言っておくね」

 ふふっ。ガイルに見られてる事、気にしてたんだね。
 いつも気にせずベッドで遊んでるのかと思ってたよ。
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