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第11話
しおりを挟む「……ふ……」
触れただけなのに、胸がぎゅっと苦しい。
唇が離れて、またすぐ重なる。息が足りなくて、声が零れた。
「……あおし……」
何度もキスされる間に、名前を呼んだら、蒼紫がふ、と唇を離した。
「涼……」
蒼紫が、触れてしまいそうなくらい近い距離で名を呼ぶ。
まっすぐに見つめられて、動けなくなる。少し離れて、角度が変って、また、触れる。
「涼……ほんとに、好き?」
「うん。……ほんと」
「キス、嫌じゃない?」
「……やじゃない」
「――」
「……ていうか……」
何て言おうか困ってるみたいな蒼紫を見つめて。
「まだちゃんと信じられないけど――嬉しい」
そう言ったら。
蒼紫の腕の中に、抱き締められた。
「すげえ、好き、涼」
初めて、聞く。
こんな近くで。
蒼紫の、こんな、熱っぽい、声。
「……涼――」
抱き込まれて。
キスされる。
さっきよりも、少しだけ長く重なる。
不意に舌がかすめて、びく、と肩が揺れた。
「……っん……」
キスは、あの時もした。でも、全然、違った。
初めての感覚に、声が零れた。急に恥ずかしくなって、一度離れようと思ったけれど、
蒼紫の手がそっと後ろで支えていて、退くことを許してくれない。
胸が苦しいくらいドキドキして、息が、ちゃんと吸えない。
どうしたらいいのか分からないのに、離れたくないと、ただ思う。
強く抱き込まれて。瞳を閉じてるしか、出来ない。
一度離れようとして蒼紫の胸についた手は、力を失って、そこを握りしめるしかない。手が震えて、力が入らない。
蒼紫とキスしてるって言うだけでいっぱいいっぱいで。
頭の中、真っ白で、それ以外は、何も考えられれなくて。
「……好きだ、涼」
熱を帯びた、甘い、やさしい声が、青しとオレの唇の間からこぼれて、体中が一気に熱くなる。
「ガキん時から、ずっと好き、だった」
ぼやけた視界の中で。
蒼紫がまっすぐにオレを見つめて言う言葉は真剣で。
女の子たち、何だったの。とか。
どうしても気になることは浮かぶんだけど。
もうそれは……後でいいや。
「オレも。ずっと好きだった」
言ったら、またキスされる。
……キス魔なのかな。蒼紫。
いきなり、最初から、どんだけするの。そう思いながらも。
幸せ過ぎて。抵抗する気なんか、かけらもない。
顔が熱い。優しいキスなのに、吐く息まで、熱くなる。
指が、どうしても、震える。
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