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第23話
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翌朝。
寮の食堂で、朝食を食べてから、登校した。
オレは窓際の一番後ろ。
蒼紫は廊下側の前から三番目。
とりあえず教室を入って、ばらけて、オレは、自分の席に鞄を置いた。
「おっはよー、涼」
前の席から元気に声をかけてくるのは、宮市 純也。職業は、モデル。結構売れてて、こいつも結構忙しい。お互い忙しくてなかなか会えないけれど、気が合って、一年の時から仲が良い。寮に泊まりに来たりもするので、蒼紫とも仲良くなってる。
「あれー? 涼、なんか寝不足っぽい顔してるけど。平気? クマできてるよ。珍しいね」
「あー……ちょっとだけね」
オレ、すぐクマに出るんだよなー……。
昨日、そこまでは、遅くなってないのに。
昨日はあの後、蒼紫のベッドで、抱き締められて、眠った。
ちゃんと心の準備が出来てから抱くからと言った蒼紫は、確かにそういうことは、しなかったんだけど。でも、キスしたり抱き締めたり。オレの心臓を乱しに乱して。
――しかも蒼紫は、オレを抱き締めたまま、先に寝ちゃったけど。オレは、なかなか眠れなくて。
腕の中であんまり動けなかったから、何時なのか時計も見れなかったけど、結構眠ったの遅かった、かも。
しかも。
朝起きても。
……まあ一緒に寝たんだから、当たり前なんだけど。
目覚めた直後に。
この世で一番大好きな人が。
目の前で、オレを見つめてるという。
心臓にめちゃくちゃ悪い、目覚めを迎えてしまって。
朝イチから、強烈すぎて。
急いで、自分の部屋に戻って、顔洗って歯を磨いて、制服を着ていたら。
部屋に入り込んできた蒼紫に、むぎゅー、と抱き締められて。
どうしたの? と聞いたら、とりあえず外出る前に抱き締めておこうと思って、とか、言うし。
結局ちゅうちゅうキスされて、もう。
……嬉しいやら、恥ずかしいやら。
すでに、朝から、いっぱいいっぱいな訳で。
こてん、と机に突っ伏すと。
純也がクスクス笑った。
「涼たち、今日は仕事ないの?」
「午後から取材とか」
「写真撮影は無いの?」
「あると思うー……」
「じゃあダメじゃん。まあ、メイクで隠せるかな?」
「多分この位なら、バレないから……まあ午後までには目も覚めるし」
はー、とため息をついていると。
「何して寝不足だったの?」
「何して……?」
……蒼紫の腕の中で、ぎゅーて抱き締められてて、とても心臓が寝られる状態じゃなくて、目の前の、カッコ良すぎる寝顔にときめいてたら、結構遅くなっちゃいました。
――とか、言える訳、ない。
うーん……。
黙って突っ伏していたら、でっかい手がオレの頭を包んで、クシャクシャされた。
「おー、蒼紫、おはよ」
「ん、はよ。涼、どした?」
頭の上で、純也と蒼紫が喋ってる。……オレの頭撫でてんの、蒼紫か。
「なんか、涼、寝不足っぽいね」
「寝不足?」
蒼紫の不思議そうな声がするので、仕方なく、ゆっくりと顔を上げた。
「寝不足なの? 涼」
蒼紫が、あれ? という顔で首を傾げながらオレを見つめる。
まあ。寝不足になるほど遅く寝たわけではないもんね。特に蒼紫は。
その反応も、分かるけど。
「なかなか、寝付けなかったから、かも……」
嘘が言えず、そう言ったら、純也があははーと笑い出した。
「珍しいなー。オレはいつでもどこでも五秒で寝れるとか言ってるのに」
「まあいつもはほんとにそうなんだけど……昨日は――」
「昨日は?」
「ちょっと嬉しすぎなことが、あって」
つい素直にそう言ったら。
蒼紫が。
ものすごいびっくりした顔で固まって。
オレをマジマジ見つめると。
「痛たっ?」
蒼紫の手が、オレの両頬をぶにぶにっとつまんで。
なんか、捏ねた。
「いたたただた、なに? 何なの?」
騒いでるオレを、純也が大笑いで見てるし。
「あはは、蒼紫、何してんの。すげー面白いんだけど」
……めっちゃ楽しそうだけど、純也。
その時予鈴のチャイムが鳴って、頬が離された。
む、とした顔で、蒼紫が離れていく。
何なの、もう! 蒼紫ってばっ。
ほっぺがーーー!
と思っていたら、ポケットでスマホが震えた。
まだ先生が来ていないので、ちらと見たら、蒼紫で。
なんだよっと思ったら。
『キスしたくなるから、可愛すぎること言わないで。かろうじてほっぺ摘まんで耐えたぞ』
「――……」
かあっと、知らず、赤くなって。
オレはスマホを閉じて。ぱたんと、机に、倒れた。
寮の食堂で、朝食を食べてから、登校した。
オレは窓際の一番後ろ。
蒼紫は廊下側の前から三番目。
とりあえず教室を入って、ばらけて、オレは、自分の席に鞄を置いた。
「おっはよー、涼」
前の席から元気に声をかけてくるのは、宮市 純也。職業は、モデル。結構売れてて、こいつも結構忙しい。お互い忙しくてなかなか会えないけれど、気が合って、一年の時から仲が良い。寮に泊まりに来たりもするので、蒼紫とも仲良くなってる。
「あれー? 涼、なんか寝不足っぽい顔してるけど。平気? クマできてるよ。珍しいね」
「あー……ちょっとだけね」
オレ、すぐクマに出るんだよなー……。
昨日、そこまでは、遅くなってないのに。
昨日はあの後、蒼紫のベッドで、抱き締められて、眠った。
ちゃんと心の準備が出来てから抱くからと言った蒼紫は、確かにそういうことは、しなかったんだけど。でも、キスしたり抱き締めたり。オレの心臓を乱しに乱して。
――しかも蒼紫は、オレを抱き締めたまま、先に寝ちゃったけど。オレは、なかなか眠れなくて。
腕の中であんまり動けなかったから、何時なのか時計も見れなかったけど、結構眠ったの遅かった、かも。
しかも。
朝起きても。
……まあ一緒に寝たんだから、当たり前なんだけど。
目覚めた直後に。
この世で一番大好きな人が。
目の前で、オレを見つめてるという。
心臓にめちゃくちゃ悪い、目覚めを迎えてしまって。
朝イチから、強烈すぎて。
急いで、自分の部屋に戻って、顔洗って歯を磨いて、制服を着ていたら。
部屋に入り込んできた蒼紫に、むぎゅー、と抱き締められて。
どうしたの? と聞いたら、とりあえず外出る前に抱き締めておこうと思って、とか、言うし。
結局ちゅうちゅうキスされて、もう。
……嬉しいやら、恥ずかしいやら。
すでに、朝から、いっぱいいっぱいな訳で。
こてん、と机に突っ伏すと。
純也がクスクス笑った。
「涼たち、今日は仕事ないの?」
「午後から取材とか」
「写真撮影は無いの?」
「あると思うー……」
「じゃあダメじゃん。まあ、メイクで隠せるかな?」
「多分この位なら、バレないから……まあ午後までには目も覚めるし」
はー、とため息をついていると。
「何して寝不足だったの?」
「何して……?」
……蒼紫の腕の中で、ぎゅーて抱き締められてて、とても心臓が寝られる状態じゃなくて、目の前の、カッコ良すぎる寝顔にときめいてたら、結構遅くなっちゃいました。
――とか、言える訳、ない。
うーん……。
黙って突っ伏していたら、でっかい手がオレの頭を包んで、クシャクシャされた。
「おー、蒼紫、おはよ」
「ん、はよ。涼、どした?」
頭の上で、純也と蒼紫が喋ってる。……オレの頭撫でてんの、蒼紫か。
「なんか、涼、寝不足っぽいね」
「寝不足?」
蒼紫の不思議そうな声がするので、仕方なく、ゆっくりと顔を上げた。
「寝不足なの? 涼」
蒼紫が、あれ? という顔で首を傾げながらオレを見つめる。
まあ。寝不足になるほど遅く寝たわけではないもんね。特に蒼紫は。
その反応も、分かるけど。
「なかなか、寝付けなかったから、かも……」
嘘が言えず、そう言ったら、純也があははーと笑い出した。
「珍しいなー。オレはいつでもどこでも五秒で寝れるとか言ってるのに」
「まあいつもはほんとにそうなんだけど……昨日は――」
「昨日は?」
「ちょっと嬉しすぎなことが、あって」
つい素直にそう言ったら。
蒼紫が。
ものすごいびっくりした顔で固まって。
オレをマジマジ見つめると。
「痛たっ?」
蒼紫の手が、オレの両頬をぶにぶにっとつまんで。
なんか、捏ねた。
「いたたただた、なに? 何なの?」
騒いでるオレを、純也が大笑いで見てるし。
「あはは、蒼紫、何してんの。すげー面白いんだけど」
……めっちゃ楽しそうだけど、純也。
その時予鈴のチャイムが鳴って、頬が離された。
む、とした顔で、蒼紫が離れていく。
何なの、もう! 蒼紫ってばっ。
ほっぺがーーー!
と思っていたら、ポケットでスマホが震えた。
まだ先生が来ていないので、ちらと見たら、蒼紫で。
なんだよっと思ったら。
『キスしたくなるから、可愛すぎること言わないで。かろうじてほっぺ摘まんで耐えたぞ』
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