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第31話
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すぐキスして、可愛い、とか、普通に言ってくれちゃう。
昨日まで、完全に片思いで、蒼紫に好きなんて言える日がくるなんて。
好きって言ってもらえるなんて。
もう想像したことも無いというか。願ったことすら、無かったというか。
なんかもう、今の状況が、幸せ過ぎて、困る。
しばらくくっついた後、鍵を開けて待っていると、智さんが入ってきた。
「思ってたより長くなっちゃったね。お疲れ、二人共。夕飯どうする?」
智さんに聞かれて、蒼紫を見上げると蒼紫が智さんに視線を向けた。
「弁当屋さん寄ってくれる? 寮の部屋でゆっくり食べたい」
「いいよ。帰る途中で寄るね」
蒼紫の返事に智さんが頷く。
「涼もそれで良いの?」
「うん」
「了解。忘れ物無いように荷物持って表に来て。車回すから」
「はーい」
てことで。
二人でお弁当を買って、寮に戻ってきた。
シャワーを浴びて、蒼紫の部屋に集合、てことになったので、いったん自分の部屋に戻ってきた。
一昨日までだったら、仕事が終わって帰ってきたら、もうその後は蒼紫とはあまり絡まなかった。
蒼紫は外に遊びに行っちゃうことが多くて。
部屋訪ねて行って、居ないと、勝手にちょっと落ち込むから訪ねることも無くなっていって。
――もしかしたら、仕事を始めてここに住んでから、プライベートでは、あんまり一緒に居られなくなっていたのかもしれない。
あんまり休みもないし、仕事の隙間に学校に行って、寮に送ってもらって、じゃあな、で別れて。
部屋にも誘われなかったし、誘うことも無かった。
だから。
今からまた蒼紫の部屋に行けると思うと、どう抑えようと思っても、ウキウキが止まらない。
昨日はまだ色々パニックだった。
蒼紫のところにいくのを遅くしたくて、シャンプーを二回もして、時間をかけた。
でも今日は――早く会いたくて、すごく急いだ。
ドライヤーも適当に終えて、急いで蒼紫の部屋に行くと、鍵は開いていたけど、蒼紫は、まだシャワーを浴びていた。
「蒼紫ー」
バスルームの外から、声をかけると。
「涼? もう来たのか?」
「うん」
「早や。昨日すげえ遅かったからゆっくりしてた。悪い、ちょっと待ってて」
「ん」
蒼紫のベッドの端っこに腰かけて、ベッドの上にあるクッションを、膝に乗せる。
嬉しい。
蒼紫の部屋で、蒼紫を待ってるの。
この瞬間だけで、なんかもう幸せで、嘘みたい。
シャワーが止まる音がして、バスルームの扉が開いた。
蒼紫がタオルで髪を拭きながら出てくると、お風呂上がりのいい香りが、ふわっと広がった。
「ごめんな、遅くて。良かった、鍵あけといて」
「うん」
そのまま、前に立った蒼紫が、軽くオレの頬に触れる。
手があたたかくてしっとりしてて、その温度が伝わってくる。
「鍵は閉めた?」
「あ、うん。閉めた」
「ん」
寮は基本は鍵を掛けることにはなってるけど、住んでるのは学校の仲間なので、不在時以外は空いてることも多いし―― ていうかそんなことより。
シャワー上がりの蒼紫。
――カッコイイなぁ。
髪が濡れてて――ほんとにカッコいい。
キレイ。瞳。
見つめ合ったまま、柔らかく、唇が重なって、キスされた。
「――風呂上がり、なんかめちゃくちゃ可愛い、涼」
ぎゅー、と抱き締められる。
「蒼紫……」
幸せすぎて、ふふ、と笑ってしまう。
まずいな。めちゃくちゃ浮かれてる。
昨日まで、完全に片思いで、蒼紫に好きなんて言える日がくるなんて。
好きって言ってもらえるなんて。
もう想像したことも無いというか。願ったことすら、無かったというか。
なんかもう、今の状況が、幸せ過ぎて、困る。
しばらくくっついた後、鍵を開けて待っていると、智さんが入ってきた。
「思ってたより長くなっちゃったね。お疲れ、二人共。夕飯どうする?」
智さんに聞かれて、蒼紫を見上げると蒼紫が智さんに視線を向けた。
「弁当屋さん寄ってくれる? 寮の部屋でゆっくり食べたい」
「いいよ。帰る途中で寄るね」
蒼紫の返事に智さんが頷く。
「涼もそれで良いの?」
「うん」
「了解。忘れ物無いように荷物持って表に来て。車回すから」
「はーい」
てことで。
二人でお弁当を買って、寮に戻ってきた。
シャワーを浴びて、蒼紫の部屋に集合、てことになったので、いったん自分の部屋に戻ってきた。
一昨日までだったら、仕事が終わって帰ってきたら、もうその後は蒼紫とはあまり絡まなかった。
蒼紫は外に遊びに行っちゃうことが多くて。
部屋訪ねて行って、居ないと、勝手にちょっと落ち込むから訪ねることも無くなっていって。
――もしかしたら、仕事を始めてここに住んでから、プライベートでは、あんまり一緒に居られなくなっていたのかもしれない。
あんまり休みもないし、仕事の隙間に学校に行って、寮に送ってもらって、じゃあな、で別れて。
部屋にも誘われなかったし、誘うことも無かった。
だから。
今からまた蒼紫の部屋に行けると思うと、どう抑えようと思っても、ウキウキが止まらない。
昨日はまだ色々パニックだった。
蒼紫のところにいくのを遅くしたくて、シャンプーを二回もして、時間をかけた。
でも今日は――早く会いたくて、すごく急いだ。
ドライヤーも適当に終えて、急いで蒼紫の部屋に行くと、鍵は開いていたけど、蒼紫は、まだシャワーを浴びていた。
「蒼紫ー」
バスルームの外から、声をかけると。
「涼? もう来たのか?」
「うん」
「早や。昨日すげえ遅かったからゆっくりしてた。悪い、ちょっと待ってて」
「ん」
蒼紫のベッドの端っこに腰かけて、ベッドの上にあるクッションを、膝に乗せる。
嬉しい。
蒼紫の部屋で、蒼紫を待ってるの。
この瞬間だけで、なんかもう幸せで、嘘みたい。
シャワーが止まる音がして、バスルームの扉が開いた。
蒼紫がタオルで髪を拭きながら出てくると、お風呂上がりのいい香りが、ふわっと広がった。
「ごめんな、遅くて。良かった、鍵あけといて」
「うん」
そのまま、前に立った蒼紫が、軽くオレの頬に触れる。
手があたたかくてしっとりしてて、その温度が伝わってくる。
「鍵は閉めた?」
「あ、うん。閉めた」
「ん」
寮は基本は鍵を掛けることにはなってるけど、住んでるのは学校の仲間なので、不在時以外は空いてることも多いし―― ていうかそんなことより。
シャワー上がりの蒼紫。
――カッコイイなぁ。
髪が濡れてて――ほんとにカッコいい。
キレイ。瞳。
見つめ合ったまま、柔らかく、唇が重なって、キスされた。
「――風呂上がり、なんかめちゃくちゃ可愛い、涼」
ぎゅー、と抱き締められる。
「蒼紫……」
幸せすぎて、ふふ、と笑ってしまう。
まずいな。めちゃくちゃ浮かれてる。
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