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第2章

◇真夜中*拓哉

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 ふ、と、目が覚めた。
 何かが触れている感触。

 ――――……抱き締めた時のまま、腕の中にいる、織田。
 ……あったかいな、織田。

 めちゃくちゃにヨがらせて。
 最後は、眠ったのか、気を失ったのか分からないような感じで。

 落ちてくれて良かった。
 ――――……そうじゃなかったら、まだ続けてたかも。

 ――――……なんだろうな。
 エロイ事、覚えたての高校生みたいだよな、オレ。

 そこらへん、そろそろツッコミ入りそうだけど。まあ、織田はそんなこと、言わないか……。
 というか、その頃ですら、こんなにまでは、なってなかったのに。

 求められたらしてたし、雰囲気でもしてたし。
 自分からこんなに、求めた事が無かったから。むしろ淡泊なんじゃないかと思ってたのに。

 自分でも、ちょっと意味が分からない位。
 ……可愛いなと思うと、触れたくてしょうがなくなる。

 ……しつこすぎて、嫌われないようにしないとなー……。

 なんて、いまだかつて欠片も心配してこなかった事を思いながら。
 腕の中でスヤスヤ寝てる織田を、じっと見つめる。



 初めて会った時。男なのに、なんでかすごく、可愛いと思って。

 ――――……日々、ますます可愛いと思っていって。
 側に居たくて、仲良くなりたくて。

 オレを一番、好きでいてほしいと思って。
 仕事中も、仕事以外でも、めちゃくちゃ構い倒して、優しくして、家にも連れ帰ったっけ……。

 いつも、笑ってるし。
 でもって、すぐ赤くなるし。

 よく涙目にもなるし。

 ――――……色んな顔、ほんと……可愛いって、思って。

 付き合って。
 キスしたり、セックスしたりするようになって。

 ――――……可愛い以外の顔も、見るようになって。
 めちゃくちゃ。 愛おしいし。
 

 ――――……。

 ちゅ、と髪にキスする。

 前髪を掻き上げて、額を出してみる。
 幼い感じになるのが可愛くて、そのままじっと見つめてると。


 ――――……起きねえかな……。なんて思ってしまう。


 スヤスヤ寝てるのも、可愛いけど。
 ――――……やっぱり、こっちを見てくれる顔が一番可愛い。

 でも、絶対起きなそうな顔で、触れてもキスしても、ぴくりとも動かないで、寝てる。

 自然と、ふ、と笑ってしまう。


 ――――……なんでこんな、好きになったかなぁ……。


 まあでも。
 好きなとこなら、いくらでも言えそう。

 不思議なのは、オレみたいな、基本冷めてると自覚ある奴が、
 こんなに織田の事を、めちゃくちゃ好きで、可愛いと思えてるってこと。


 
 ほんと不思議だけど。
 ――――……織田見てると、幸せでしょうがないし。



 ……ほんと可愛い。
 じっと織田を見つめながら。いつの間にか、また、眠りについていた。





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