【ドS勇者vsオレ】オレ様勇者に執着&溺愛されてるけど、ドSだから大変✨奨励賞受賞

星井 悠里

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第3章

「目覚める」

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「どんなって……?」
「オレらに感じ取らせない程の強力な結界なんて、結構な力を使うはずなのに、ルカ、ずっと張ってたんだよな」
「――――」
「つか、オレらから見えない結界って、そもそもなんだっつー話……」

 呆れたように、倒れたままのルカを見下ろして、ため息をついてる。

「ソラ、さっき、魔王のとこに居たんだろ? お前の気配、感じて見に行ったら、魔王とルカが居るし、なんな訳?」
「――魔王の結界の中に居た時も、オレのこと、見えなかったの?」
「そう。つか、その前にも、一瞬、気配を感じたんだよな。でもすぐになくなったから、なんだろうとは思ってたんだけど」
「それって多分……ルカの結界から出て、魔王のところに飛ばされる瞬間、かな……?」

 不思議そうなカノンに、思い当たることを聞いてみると、ゼクスが、それだな、と頷いてる。

「――そういうことかぁ。ルカも魔王も、なんでお前に結界を張りまくってるんだ?」

 カノンはめちゃくちゃ不思議そう。

「……魔王は、多分、ルカに見えないように、だと思うけど」
「じゃあ、ルカは、なんで?」

 はー、とため息を吐くカノンと、隣で黙って考えてるっぽいゼクスを見ながら、オレも、考える。

 魔王の結界の理由は、今言ったとおり、オレを、ルカに見せないためだよね……。
 魔王がオレをさらったのは、自分が魔王としてルカの世界にきた時の光と、オレが現れた時の光が、一緒だったからって、言ってたから――あれだな、自分がどこから来たのか、知りたがってたって話だ。

 ルカは……オレをルカの世界に送った奴がいるなら、そいつに見えないようにって言ってた訳で。
 ――神様二人が不思議がるような、そんな強力な結界を、ずっとオレに張っててくれたんだなぁと思うと。なんだかちょっと感動して、また涙が滲む。

 とにかくさ、とカノンがまた話し始める。

「さっき、お前の気配を感じた時も、本当は、そのまますぐ元の世界に返そうと思ったんだ。こんな説明はせずに、元の世界に返して、ソラもルカも、お互いのことは忘れさせればいいし……全部が元通り、あとは、さっさとルカが魔王を倒して、魔王を戻せばいい、とも思ったんだけど……」
「……けど、何?」

 オレは首を傾げながら、腕の中のミウを、よしよしと撫でる。

 元の世界に……無理無理戻されて、ルカのこととか、忘れるとこだったんだと思うと。それが、本来そうあるべきだと思うのに、切なさに、泣きそう。
 ……もう今のオレにとって、ミウのフワフワは、かなりの精神安定剤だ。

 ゼクスとカノンは、顔を見合わせて、眉を寄せた。

「ただ、あれだけの結界を張ってまで、守りたかった奴を、ルカがすんなり忘れてくれるのかっていうのが気がかりで――ルカは、色々規格外なんだよな。ソラのことを思い出されて、居なくなったダメージで魔王を倒せないとかなったら困るし」

 そこまでカノンが言った時、横たわっていたルカが、不意に動き出して、額を押さえながら体を起こした。

「あ。ルカ……!」

 ミウは、オレの腕からふわりと浮いて、オレは、ルカの隣に膝をついた。よかった、目が覚めて。
 なんだかものすごくほっとして、またまた涙が浮かぶ。

 ルカは、ぼんやりした顔をしてる。
 まだ目を開けたばかりで、状況とかは何も分かってないと思うのに。
 
 ふ、とオレに視線を向けて、顔を見つめた瞬間。
 「ソラ」と名を呼んで、そのままオレを引き寄せた。


「……何、泣いてンだ」

 そう言って。腕の中に、守るみたいに。
 ……よけい、涙が、滲む。


 すると、カノンが呆れたようにため息をついた。


「――だからさぁ……なんで勝手に目覚めるわけ? 起きれるはずないんだけど……」


 ほんと嫌、と、カノンがぼやいている。



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