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第4章◇なんで?
「迷うのは」
しおりを挟む4か月は、我慢してた。
――――……毎日電話はしてたし。顔も、ビデオ通話だから見れたけど。
やっぱり、横にある笑顔とは、違う。
4か月……寂しかったんだよなあ……オレ。
快斗に頼りきりだった事に、今更だけど気づいて。
1人で頑張らないとって、思って。
快斗が居なくても、大丈夫って、思って、頑張ってた。けど。
別にやらなきゃいけないこととかは、1人でもやれてたけど。
多分一番支えられてたのは、メンタル。
「愁、食べたら勉強道具用意取りに行って、向こうに持ってこ」
「うん、わかった」
この声が、笑顔が、すぐそばにあると――――……。
嬉しくてしょうがないや。
オレ、ほんとにほんとに。 快斗の事が、大好きなんだよね……。
だから、そういう意味で好きだって言われても。
男同士だとか色々思っても……大好きが勝っちゃって、もうそれ以上、何も思えないというか。
きっと他の男に告られたら、絶対すぐ断ってる。
最大の理由は、「男同士だから」だ。
でも、相手が快斗だと、その理由で断るっていう選択肢は、無い。
快斗がオレをそういう意味で好きだと言ってくれるのなら、もうそれでいいよって言いたくなる位は、快斗の事だけが、特別に大好きなんだけど……。
……迷うのは。
もうそれでいいよ、なんていう好きで、受け入れていいんだろうかって事。
大好きだからもうそれでいいよ、なんて。
……それは、おかしいのかな、失礼なのかなって。
大好きすぎて、キスしても気持ち悪くない。
……快斗のキスは、気持ちよかったから――――…好き。だけど。
友達の大好きと、恋の大好きの違いが……ほんとに分からない。
あともうひとつ迷うのは。
――――……快斗はほんとにオレで良いのかなあって事かなあ……。
「ごちそうさまでした」
食べ終わって、2人一緒に立ち上がる。
食器を母さんの所に運んで、2人でオレの部屋に上がった。
「愁の部屋、久々」
「変わってないよね?」
「ん。そーだな」
ドアに寄りかかったまま、快斗が部屋を見回した。
「な、快斗、何の勉強するの?」
「重いからあんまり持ってこなかったんだ。とりあえず英単語覚えるのと、いくつか薄い参考書だけ持ってきた」
「オレのでできるなら持ってっていいよ」
「んー。じゃもう、一通り持ってくか。1週間あっちで勉強するんだし」
「うん」
2人で本棚から色々出して、積み上げていく。両手いっぱい持って、家を出て、快斗の家に戻った。
テーブルに勉強道具を積み上げて、ふー、とため息。
「受験生って……憂鬱だよね?」
オレの言葉に快斗が苦笑いを浮かべる。
「そうだな。ま、この1週間は一緒にがんばろ」
「ん」
快斗はいつも、前向き。
――――…後ろ向きなこと言わないから、一緒にいると、前を向ける。
だから、遊んでた仲間も、部活の仲間も、学校の皆も、快斗のことが好きで、ついていってた気がする。なかなか、居ないと思う、こんな奴。
分かってる。――――… 快斗がオレを好きなんて、言ってくれてるのって、ある意味、奇跡みたいな気がするくらいで。
告白の答えを待たせてるなんて、快斗を大好きな奴らに言ったら、絶対めちゃくちゃ怒られる、と思う。ていうか、そもそもオレが相手って、誰も信じないだろうけど。
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