接近禁止!なのにその壁を、溺愛男子に破られました

らいち

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第一章

誰かの気配がする

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 秋永君が私の送り迎えをするようになってから1週間以上が経った。
 そのころになると、みんなが驚いたように私を見ることは無くなったけど、でもなぜだか未だにじろじろと見られ続けている。あんまり気持ちのいいものじゃないんだけどね。

「じゃあ、送ってくれてありがとう」
「うん。また明日、気を付けてな」
「うん、バイバイ」

 いつものように改札口まで送ってもらって、秋永君と別れて帰路に就いた。

 なんだか変なの。最初はあんなに戸惑ってたのに、今ではすっかり慣れて、送ってもらうのが当たり前になっちゃってる。

 そんな自分の変化を可笑しく思いながら、慣れた通学路を鼻歌交じりに歩く。だけどしばらく歩いているうちに違和感を覚えた。

 もしかして、誰かにつけられてる……?

 気のせいかなとも思ったんだけど、やっぱり違うみたい。一定の距離を置いて、誰かがヒタヒタと自分の後をついてくる足音が聞こえる。

 ええっと、ちょっと待って。冷静になれ、私。たまたま私と同じ方向で、同じ歩幅の人が後ろにいるだけかもしれないじゃない。後ろから足音が聞こえてくるからって、必ずしも変態とは限らないでしょ。

 でも、もしも変質者とかストーカーみたいな人だとしたら? そのままにしておくわけには、いかないよ?

 ……そうだよ。万が一のこととは言っても、ちゃんと考えなくちゃダメだよ。どうすればいい? 不自然じゃなく、それを確かめる方法は……?

 私はそれこそ必死で考えて、悩んだ末、すぐに問い詰めに行くのは止めにした。もし万が一私の勘違いだとしたら、恥ずかしいどころか相手に不快感を与えることにもなりかねないから。

 後ろからは、まださっきと同じようについてくる気配がする。私は意を決して道路の脇に寄ってしゃがみこみ、靴ひもを直している体を装った。
 もしも後ろをついてくる人がストーカーとか変質者でなかったとしたら、しゃがんでる私を通りこしてさっさと先に歩いていくだろう。私はそうであってほしいと願いながら、ゆっくりと靴ひもを結びなおした。

「…………」

 ……どういうこと? 誰も私を追い抜いていかないよ。しかもそれどころか、さっきまであったあのヒタヒタという靴音の気配もしなくなっている。もしかして道を曲がって、どっか別の方に行っちゃったってこと?

 両方の靴ひもを結びなおした私は、スッと立ち上がってまた歩き始めた。意識を後方に集中しながら、いつもと変わらないペースで歩く。だけどやっぱり、しばらく歩き続けてもあの足音らしき気配は感じなかった。

 ……なんだ。思い過ごしか。ヤダなー、自意識過剰だね。
 苦笑するとともにホッとした。余計なことを考えなくて済むのなら、それに越したことは無い。

 ホッとして気分が良くなった私は、お気に入りのコミックが今日発売だということを思い出したので、少し寄り道をして買いに行くことにした。
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