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第一章
参ったなあ
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「何買って来たの?」
興味津々といった風情で、雅乃が秋永君の手元を覗き込む。
「ああ、これ? おにぎりとサラダの大盛り。未花ちゃんから唐揚げとキンピラもらったから」
嬉しそうにどや顔で言う秋永君に、ああ~と言った表情で雅乃が私を見た。
……だから、そんな風に見ないでよ。
「おい……、ヒロ……、お前早すぎ……。全力で走っていくなよな」
「ああ、わりわり。当麻が遅すぎるんだろ」
「ああ~? ……ったく。……あ、俺もここで食べても大丈夫?」
「うん、いいよ。ね? 未花?」
「うん」
「あ、いいんだ。良かった。さすがに登校くらいは大丈夫だろうとは思ったけど。……糸魚川さんってさ、必要ないのに男子が寄って来たら片っ端から殴り倒すイメージだからー」
「おい、変な誤解してんなよ」
「……それはっ! 不意打ちに近づかれるとびっくりして反射的に手と足が出ちゃうだけなの。……ずっと、男嫌いだったから」
「今は、違うのか?」
椎名君は、目をちょっぴり丸くして私に聞いた。
「……違わない。でも、男の人皆が皆厭らしい人たちばかりじゃないのかなって、ちょっとだけ思えるようにはなったかな……」
言いながら、チラリと秋永君を見る。すると秋永君もこちらを見ていて、パチリと目が合った。そして目が合ったと同時に凄く優しい表情をされて、胸がキュウンってなった。
うう~ん。やっぱりなんだか変な感じだよ。秋永君に対しての私の反応、今までとなんだか違い始めてる。ちょっぴり恥ずかしいような、微妙な気持ちにどうしても戸惑っちゃう。
私はそれがなんだか気まずくて、気を取り直そうとお弁当箱を取り出してカパッと開けた。それを見た雅乃も、同じようにお弁当を広げる。秋永君も椎名君も、同じように広げ始めた。
「わあ、美味そー」
私の作った唐揚げをお箸でつまんだ秋永君に、椎名君が感嘆の声を上げた。
「だろー? あげないからな」
「なんだよー、ケチー。ね、糸魚川さん、俺も貰ってもいいよね?」
「え? えとっ……」
「ダーメ! 未花ちゃんからもらった時点でもうこれは俺のモノなんだから、拒否権は俺にあるの。ダメったら、ダメ」
「チェー、ケチ―」
ぶうぶう文句を言う椎名君を横目に、秋永君がパクリと唐揚げを頬張った。そしてすごく美味しそうな幸せそうな顔で、もぐもぐと食べている。
もう、参ったな。こんなに幸せそうな顔されたら、また作ってあげたくなっちゃうじゃないの。
……だけど、不思議だなあ。男子にこんな風に何かしてあげたいとか、傍にいてもらって安心するとか、そんな風に思えるようになる日が来るだなんて、今まで想像もつかなかったよ。
「ホントよね」
「……え?」
雅乃が、まるで私の心の声が聞こえたかのように絶妙に頷いたから驚いた。驚いて、食べ終わった弁当箱を片付ける手が止まった。するとそのびっくりした私の顔を見て、雅乃は可笑しそうに笑った。
「なに驚いてんのよ。大体想像つくもん。……でも、良かった。ちょっと安心したよ」
「雅乃……」
興味津々といった風情で、雅乃が秋永君の手元を覗き込む。
「ああ、これ? おにぎりとサラダの大盛り。未花ちゃんから唐揚げとキンピラもらったから」
嬉しそうにどや顔で言う秋永君に、ああ~と言った表情で雅乃が私を見た。
……だから、そんな風に見ないでよ。
「おい……、ヒロ……、お前早すぎ……。全力で走っていくなよな」
「ああ、わりわり。当麻が遅すぎるんだろ」
「ああ~? ……ったく。……あ、俺もここで食べても大丈夫?」
「うん、いいよ。ね? 未花?」
「うん」
「あ、いいんだ。良かった。さすがに登校くらいは大丈夫だろうとは思ったけど。……糸魚川さんってさ、必要ないのに男子が寄って来たら片っ端から殴り倒すイメージだからー」
「おい、変な誤解してんなよ」
「……それはっ! 不意打ちに近づかれるとびっくりして反射的に手と足が出ちゃうだけなの。……ずっと、男嫌いだったから」
「今は、違うのか?」
椎名君は、目をちょっぴり丸くして私に聞いた。
「……違わない。でも、男の人皆が皆厭らしい人たちばかりじゃないのかなって、ちょっとだけ思えるようにはなったかな……」
言いながら、チラリと秋永君を見る。すると秋永君もこちらを見ていて、パチリと目が合った。そして目が合ったと同時に凄く優しい表情をされて、胸がキュウンってなった。
うう~ん。やっぱりなんだか変な感じだよ。秋永君に対しての私の反応、今までとなんだか違い始めてる。ちょっぴり恥ずかしいような、微妙な気持ちにどうしても戸惑っちゃう。
私はそれがなんだか気まずくて、気を取り直そうとお弁当箱を取り出してカパッと開けた。それを見た雅乃も、同じようにお弁当を広げる。秋永君も椎名君も、同じように広げ始めた。
「わあ、美味そー」
私の作った唐揚げをお箸でつまんだ秋永君に、椎名君が感嘆の声を上げた。
「だろー? あげないからな」
「なんだよー、ケチー。ね、糸魚川さん、俺も貰ってもいいよね?」
「え? えとっ……」
「ダーメ! 未花ちゃんからもらった時点でもうこれは俺のモノなんだから、拒否権は俺にあるの。ダメったら、ダメ」
「チェー、ケチ―」
ぶうぶう文句を言う椎名君を横目に、秋永君がパクリと唐揚げを頬張った。そしてすごく美味しそうな幸せそうな顔で、もぐもぐと食べている。
もう、参ったな。こんなに幸せそうな顔されたら、また作ってあげたくなっちゃうじゃないの。
……だけど、不思議だなあ。男子にこんな風に何かしてあげたいとか、傍にいてもらって安心するとか、そんな風に思えるようになる日が来るだなんて、今まで想像もつかなかったよ。
「ホントよね」
「……え?」
雅乃が、まるで私の心の声が聞こえたかのように絶妙に頷いたから驚いた。驚いて、食べ終わった弁当箱を片付ける手が止まった。するとそのびっくりした私の顔を見て、雅乃は可笑しそうに笑った。
「なに驚いてんのよ。大体想像つくもん。……でも、良かった。ちょっと安心したよ」
「雅乃……」
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