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第一章
雅乃はお見通し?
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美人な三輪さんと話してるだけでムカムカする。女子が秋永君に近づくのに、イライラする。これはもう、他の答えなんてありえないんじゃない?
「…………」
ニコニコと私を見つめる雅乃を前に、私は頭を抱えてため息を吐いた。
「……信じらんない」
「だよね」
「…………」
秋永君の印象は、確かに最初から他の男の人とは違っていた。こんな面倒くさい私に、躊躇するどころか普通に話しかけて来たりして。しかも、私に対して配慮する気配なんて欠片もなかった。なんて図々しい人なんだろうって、心底思ったもの。
だってさ、男の先生たちですら私に接する時は距離を取ってくれるんだよ? なのに秋永君だけは、図々しいくらいにあくまで普通に接したがっていんだもの。
しかもそれで、私の拳の被害にも合わなかったんだから、流石というか何というか……。まあ空手を習っていたって言っていたから、かわすくらいどうってことない事だったんだろうけど。
……なんだろ。でもそれに関しては、今でもやっぱりちょっとムッとする。
だけど結局はボディガードまでしてもらって、凄く凄く頼もしかったんだよね。いつの間にか秋永君といることも楽しくなっていたし、傍にいてくれることすら、安心できる存在になっていて……。
「……そう言うことかぁ」
「ん? なに?」
「……秋永君のこと……、私知らない間に好きになっちゃってたんだな……」
「そっか」
雅乃は驚くでもなく、静かに頷いた。きっと何にも言わなくても、私の行動を見ていて薄々勘付いていたのだろう。
「でもさー、それにしても、いつもと違う感じの余所余所しさはなんで?」
「……それは、余所余所しいというよりは、どうしていいのか分からないっていうのが正しいかも」
「なにそれ?」
いぶかしい表情で雅乃が私を見る。なんだかものすごく恥ずかしい気持ちになったけど、心配してくれているので正直に答えることにした。
「……実は今朝ね、秋永君に……、好きだって告白されたんだ」
「ええっ!? うわっ、マジ? 言ったんだー! うわー、決心ついたんだ―! さすがだー」
「……て、えっ? なに? 秋永君、雅乃に相談とかしてたの?」
「ううん? されてないよ」
「え? だって、今」
「だーってぇ。見てたら分かるよ。未花のこと、すっごい大好き、可愛いって感じで見てたもん」
「…………」
ケラケラ笑いながら話す雅乃の言葉に、絶句するとともに顔がカーッと熱くなった。
「で? よろしくお願いしますって、返事するわけね?」
「……、う、うん」
「そうか、そうか。頑張れ、頑張れ。ああ、良かったー。私も嬉しいよー。だって初めてだったもんね、未花が触れるくらい近くにいても大丈夫な男子って」
「うん……」
……実際は、触れても大丈夫だったんだけど。
でも、まだそこまで話してしまうのは恥ずかしいから、私は心の中でこっそり呟くだけに止めておいた。
「…………」
ニコニコと私を見つめる雅乃を前に、私は頭を抱えてため息を吐いた。
「……信じらんない」
「だよね」
「…………」
秋永君の印象は、確かに最初から他の男の人とは違っていた。こんな面倒くさい私に、躊躇するどころか普通に話しかけて来たりして。しかも、私に対して配慮する気配なんて欠片もなかった。なんて図々しい人なんだろうって、心底思ったもの。
だってさ、男の先生たちですら私に接する時は距離を取ってくれるんだよ? なのに秋永君だけは、図々しいくらいにあくまで普通に接したがっていんだもの。
しかもそれで、私の拳の被害にも合わなかったんだから、流石というか何というか……。まあ空手を習っていたって言っていたから、かわすくらいどうってことない事だったんだろうけど。
……なんだろ。でもそれに関しては、今でもやっぱりちょっとムッとする。
だけど結局はボディガードまでしてもらって、凄く凄く頼もしかったんだよね。いつの間にか秋永君といることも楽しくなっていたし、傍にいてくれることすら、安心できる存在になっていて……。
「……そう言うことかぁ」
「ん? なに?」
「……秋永君のこと……、私知らない間に好きになっちゃってたんだな……」
「そっか」
雅乃は驚くでもなく、静かに頷いた。きっと何にも言わなくても、私の行動を見ていて薄々勘付いていたのだろう。
「でもさー、それにしても、いつもと違う感じの余所余所しさはなんで?」
「……それは、余所余所しいというよりは、どうしていいのか分からないっていうのが正しいかも」
「なにそれ?」
いぶかしい表情で雅乃が私を見る。なんだかものすごく恥ずかしい気持ちになったけど、心配してくれているので正直に答えることにした。
「……実は今朝ね、秋永君に……、好きだって告白されたんだ」
「ええっ!? うわっ、マジ? 言ったんだー! うわー、決心ついたんだ―! さすがだー」
「……て、えっ? なに? 秋永君、雅乃に相談とかしてたの?」
「ううん? されてないよ」
「え? だって、今」
「だーってぇ。見てたら分かるよ。未花のこと、すっごい大好き、可愛いって感じで見てたもん」
「…………」
ケラケラ笑いながら話す雅乃の言葉に、絶句するとともに顔がカーッと熱くなった。
「で? よろしくお願いしますって、返事するわけね?」
「……、う、うん」
「そうか、そうか。頑張れ、頑張れ。ああ、良かったー。私も嬉しいよー。だって初めてだったもんね、未花が触れるくらい近くにいても大丈夫な男子って」
「うん……」
……実際は、触れても大丈夫だったんだけど。
でも、まだそこまで話してしまうのは恥ずかしいから、私は心の中でこっそり呟くだけに止めておいた。
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