35 / 75
第一章
らしくなさ過ぎだよ、私
しおりを挟む
お昼休み、私たちがお弁当を持ってくる時は、秋永君や椎名君が加わるのがもう普通なことになっていた。
「……秋永君たち、なにのんびりしてるんだろ?」
雅乃はいつものように私の席の隣に来たものの、秋永君たちが未だ自分たちの席でぐずぐずしているのが気になるようだ。
「秋永君、椎名君もー、おそーい。待ってるんだけど」
ぶんぶんと大きく手を振る雅乃に、ハッとした表情で秋永君が席を立った。その隣では椎名君が、ポンポンと彼の背中を叩いて「売店行ってくる!」と私たちに告げて廊下へと出て行った。
秋永君はちょっぴりバツの悪そうな表情をしながらも、こちらへと歩いてきた。
「あれ? 秋永君は売店行かなくていいの?」
「あ、うん。……未花ちゃんにお弁当作ってもらったから」
そう言って、私が手渡しておいたお弁当を机の上に置く。雅乃は、目を見開いて私を見た。
「あ、お礼だってば。……秋永君には、ホント感謝してるから」
「……本当に? 今日からも送るって話、ちゃんと有効?」
「え? うん」
なんでそんなこと聞くんだろ? 朝ちゃんと話したのに。
「ならいいんだけど。……もしかしたら、状況変わって躊躇してるのかなって思っちゃたから」
「ああー、それ! 大丈夫、大丈夫。意識はしてても躊躇はしてないから、ね? 未花!」
「ちょっと、雅乃! 何よそれっ」
もう! 意識してるって何よ。間違ってないけど、そんなハッキリ秋永君に言わなくたっていいじゃない!
あまりにも恥ずかしくて、顔に熱がカーッと集まる。そんな私の顔を見た秋永君は少し目を見開いて、でもすぐにホッとしたようにその表情を崩した。
そして秋永君は私と目が合うと、にこりとほほ笑む。そのとたんに、心臓がキュッてなった。
……どうしよう。雅乃が言っていたのは本当だ。意識しまくりだよ私……。
そんなことに気が付いたら、なんだかとても恥ずかしくなってしまって、まともに目が合わせられなくなってしまった。らしくもなく目を泳がせて、自分の弁当箱に視線を移す。
……ああ、もう本当に何なの私。らしくないどころか、秋永君に変な風に思われちゃうよ。さっき躊躇してないかって心配されたばっかなのに……!
「椎名君遅いねー」
一人でわたわたする私の隣で、雅乃がのんびりとした感じで秋永君に声をかけた。はああ~と、肩の力が抜けるのを感じる。
「うん。でもさっきダッシュで走ってったから、すぐ戻ってくるんじゃないかな」
「そっか。そういえば秋永君、未花をストーカーから守ってくれたんだってね。ホントありがとうね。さすがボディガードだよ」
「いや、まあ。守るって約束してたし、当然のことだから」
「お待たせー。何が当然だって?」
椎名君が売店から戻ってきた。袋を机に置きながら、秋永君を見る。
「ん? 話したろ? 未花ちゃんのストーカー、今朝見つけたって」
「ああ、アレ。よかったね糸魚川さん。こいつやる時はやる奴だから、ずっとそばに置いとくといいよ。その方が安心だ。な?」
「おう」
椎名君の言葉にすぐさま同意した秋永君が、二人そろって私を見る。それには私も素直にこくんと頷いた。
「……秋永君たち、なにのんびりしてるんだろ?」
雅乃はいつものように私の席の隣に来たものの、秋永君たちが未だ自分たちの席でぐずぐずしているのが気になるようだ。
「秋永君、椎名君もー、おそーい。待ってるんだけど」
ぶんぶんと大きく手を振る雅乃に、ハッとした表情で秋永君が席を立った。その隣では椎名君が、ポンポンと彼の背中を叩いて「売店行ってくる!」と私たちに告げて廊下へと出て行った。
秋永君はちょっぴりバツの悪そうな表情をしながらも、こちらへと歩いてきた。
「あれ? 秋永君は売店行かなくていいの?」
「あ、うん。……未花ちゃんにお弁当作ってもらったから」
そう言って、私が手渡しておいたお弁当を机の上に置く。雅乃は、目を見開いて私を見た。
「あ、お礼だってば。……秋永君には、ホント感謝してるから」
「……本当に? 今日からも送るって話、ちゃんと有効?」
「え? うん」
なんでそんなこと聞くんだろ? 朝ちゃんと話したのに。
「ならいいんだけど。……もしかしたら、状況変わって躊躇してるのかなって思っちゃたから」
「ああー、それ! 大丈夫、大丈夫。意識はしてても躊躇はしてないから、ね? 未花!」
「ちょっと、雅乃! 何よそれっ」
もう! 意識してるって何よ。間違ってないけど、そんなハッキリ秋永君に言わなくたっていいじゃない!
あまりにも恥ずかしくて、顔に熱がカーッと集まる。そんな私の顔を見た秋永君は少し目を見開いて、でもすぐにホッとしたようにその表情を崩した。
そして秋永君は私と目が合うと、にこりとほほ笑む。そのとたんに、心臓がキュッてなった。
……どうしよう。雅乃が言っていたのは本当だ。意識しまくりだよ私……。
そんなことに気が付いたら、なんだかとても恥ずかしくなってしまって、まともに目が合わせられなくなってしまった。らしくもなく目を泳がせて、自分の弁当箱に視線を移す。
……ああ、もう本当に何なの私。らしくないどころか、秋永君に変な風に思われちゃうよ。さっき躊躇してないかって心配されたばっかなのに……!
「椎名君遅いねー」
一人でわたわたする私の隣で、雅乃がのんびりとした感じで秋永君に声をかけた。はああ~と、肩の力が抜けるのを感じる。
「うん。でもさっきダッシュで走ってったから、すぐ戻ってくるんじゃないかな」
「そっか。そういえば秋永君、未花をストーカーから守ってくれたんだってね。ホントありがとうね。さすがボディガードだよ」
「いや、まあ。守るって約束してたし、当然のことだから」
「お待たせー。何が当然だって?」
椎名君が売店から戻ってきた。袋を机に置きながら、秋永君を見る。
「ん? 話したろ? 未花ちゃんのストーカー、今朝見つけたって」
「ああ、アレ。よかったね糸魚川さん。こいつやる時はやる奴だから、ずっとそばに置いとくといいよ。その方が安心だ。な?」
「おう」
椎名君の言葉にすぐさま同意した秋永君が、二人そろって私を見る。それには私も素直にこくんと頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。
亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。
しかし皆は知らないのだ
ティファが、ロードサファルの王女だとは。
そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?
いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー
これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。
「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」
「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」
冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。
あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。
ショックで熱をだし寝込むこと1週間。
目覚めると夫がなぜか豹変していて…!?
「君から話し掛けてくれないのか?」
「もう君が隣にいないのは考えられない」
無口不器用夫×優しい鈍感妻
すれ違いから始まる両片思いストーリー
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる