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エピローグというより番外編?
迎えに来るまで待ってるよ
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「お邪魔しました」
夕方近くになって陽が落ちて来たので、ヒロくんが送るよと言ってくれた。それで、居間にいるおばさん達に挨拶のために顔を出した。
「あら、もうそんな時間なのね」
そう言いながらお母さんは立ち上がり、私を送るために玄関まで一緒に出て来てくれた。
「ねえ未花さん、今度来てくれる時は、一緒にクッキー焼きましょうね」
「はい、ぜひ!」
「未花ちゃん、その時は俺の分もよろしく頼むな」
「はい、もちろんです」
「俺の分もだよ、未花さん。てか、俺がいる時に来てね」
みんなの歓迎ぶりがうれしくて、大きく頷いた。隣ではヒロくんが、嬉しいような面白くないような複雑な表情をしている。
三人に見送られて、私とヒロくんは駅まで向かった。
「ありがとうねヒロくん。今日はここまででいいよ」
「え? なんで? 遠慮しないでいいよ。家までちゃんと送るから」
「ううん、そうじゃ無くて。お母さんに、帰る前に連絡しなさいって言われてたの。もしその時間にお父さんの用事が終わって家にいたら、迎えに行かせるからって」
「ああ、それでさっき……」
「うん。返信確認したら、すぐ迎えに行くからって」
「そう、なんだ……」
ヒロくんの顔が、ちょっぴり真顔になった。……もしかして、緊張してる?
「じゃあ未花ちゃんのお父さんが迎えに来てくれるまで、一緒に待ってるね」
「うん、ありがとう」
お父さんがここに着くまでには、まだ10分くらい掛かるだろう。近くに百均があるから、そこで時間をつぶした方がいいかもしれない。
「ヒロくん、もうちょっと時間があるから百均にでも行く?」
「いや、でも。逆にお父さんを待たせちゃ拙いし」
「ええっ? 大丈夫だよ。お父さん待ち慣れてるから、怒ったりしないよ」
「……て?」
「お母さんと私でね、買い物とかに出かけた時、お父さんに迎えに来てもらう時があるんだけど。私たちの買い物って長いからさあ、30分近く待たせるのってデフォなんだよ」
「それは……」
ヒロくんは言葉を飲み込んだけど、顔にはしっかりと気の毒にと書いてあった。
「でもやっぱり、ここで待っていよう? 俺、お父さんに会うの初めてだし、出来れば良い印象を持ってもらいたいから」
「そっか。ヒロくんがそう言うなら……」
そんな心配しなくても、ヒロくんなら目を見て話をしただけで、それだけで彼の誠実さはちゃんと伝わると思うんだけどな。
「あっ、あっちにベンチがあるよ」
ヒロくんが指差した先のベンチには誰も座っていなかった。
夕方近くになって陽が落ちて来たので、ヒロくんが送るよと言ってくれた。それで、居間にいるおばさん達に挨拶のために顔を出した。
「あら、もうそんな時間なのね」
そう言いながらお母さんは立ち上がり、私を送るために玄関まで一緒に出て来てくれた。
「ねえ未花さん、今度来てくれる時は、一緒にクッキー焼きましょうね」
「はい、ぜひ!」
「未花ちゃん、その時は俺の分もよろしく頼むな」
「はい、もちろんです」
「俺の分もだよ、未花さん。てか、俺がいる時に来てね」
みんなの歓迎ぶりがうれしくて、大きく頷いた。隣ではヒロくんが、嬉しいような面白くないような複雑な表情をしている。
三人に見送られて、私とヒロくんは駅まで向かった。
「ありがとうねヒロくん。今日はここまででいいよ」
「え? なんで? 遠慮しないでいいよ。家までちゃんと送るから」
「ううん、そうじゃ無くて。お母さんに、帰る前に連絡しなさいって言われてたの。もしその時間にお父さんの用事が終わって家にいたら、迎えに行かせるからって」
「ああ、それでさっき……」
「うん。返信確認したら、すぐ迎えに行くからって」
「そう、なんだ……」
ヒロくんの顔が、ちょっぴり真顔になった。……もしかして、緊張してる?
「じゃあ未花ちゃんのお父さんが迎えに来てくれるまで、一緒に待ってるね」
「うん、ありがとう」
お父さんがここに着くまでには、まだ10分くらい掛かるだろう。近くに百均があるから、そこで時間をつぶした方がいいかもしれない。
「ヒロくん、もうちょっと時間があるから百均にでも行く?」
「いや、でも。逆にお父さんを待たせちゃ拙いし」
「ええっ? 大丈夫だよ。お父さん待ち慣れてるから、怒ったりしないよ」
「……て?」
「お母さんと私でね、買い物とかに出かけた時、お父さんに迎えに来てもらう時があるんだけど。私たちの買い物って長いからさあ、30分近く待たせるのってデフォなんだよ」
「それは……」
ヒロくんは言葉を飲み込んだけど、顔にはしっかりと気の毒にと書いてあった。
「でもやっぱり、ここで待っていよう? 俺、お父さんに会うの初めてだし、出来れば良い印象を持ってもらいたいから」
「そっか。ヒロくんがそう言うなら……」
そんな心配しなくても、ヒロくんなら目を見て話をしただけで、それだけで彼の誠実さはちゃんと伝わると思うんだけどな。
「あっ、あっちにベンチがあるよ」
ヒロくんが指差した先のベンチには誰も座っていなかった。
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