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第三章
アパートを探しに 2
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そのまま山口君とはそこで別れ、私はスーパーに立ち寄ってから高科さんの家へと戻った。
鍵を開けて玄関に入ると、出っぱなしになっていた高科さんの靴が無くなっている事に気が付いた。片付けたのかと靴箱を覗いてみたけど、そこには入っていなかった。
「出掛けたのかな……」
ため息が出てきた。もしかしたらまた、夕飯はいらないって言うんだろうか?
スマホを確認してみたけれど、メッセージは何も入っていなかった。高科さんは元来生真面目な人のようで、私を避けるようになってからもそういう連絡だけはちゃんとしてくれている。だから恐らく、夕飯を食べないという状況ではないはずだ。
ごちゃごちゃ考えていても埒が明かないので、私は夕飯の支度に取り掛かった。
ある程度出来上がった頃に、玄関の鍵を開ける音がした。
高科さん!?
もしかしたらまた遅く帰って来るのではないのかと危惧していたので、高科さんが帰って来たという事だけで私のテンションが上がった。
思わず走って玄関に出迎えると、高科さんは私の顔を見て驚いた表情を見せた。
あっ、やっちゃった?
てか、自分でもびっくり。考えるよりも先に行動に移してた。
「お、お帰りなさい」
意を決して挨拶の言葉を口にすると、高科さんは驚いた顔を元に戻して、そしてフッと安心したように息を吐いた。
「……ただいま」
ボソッと小さな声で返事をした後、高科さんは洗面所で手を洗い、部屋には行かずリビングのソファに座った。
「ご飯にしましょうか」
「……そうだな」
食卓に夕飯を並べている間も、どういうわけか高科さんの様子が最近のソレとは違っていた。帰って来た時の彼の表情とあいまって、もしかしたら何か私に話したいことでもあるのではないかと思った。
思い切って聞いてみようかしら?
顔を上げて、チラリと高科さんを窺ってみる。
やっぱ、聞けない……。
私の視線の先の高科さんは、先ほどの表情は影を潜め、眉間に皺を寄せて焼き鮭の骨を取り除いていた。
こんな表情、以前の高科さんならしていない。お魚が嫌いなわけじゃないし、もっと美味しそうに幸せそうに食べていた。
……悲しい。何でこんな事になっちゃったんだろう。私、高科さんに何か悪いことをしたんだろうか?
喧嘩をした記憶もないし、ましてや高科さんの邪魔をしたり物を壊したこともないのに……。
結局その後も高科さんに声を掛けることが出来ず、また掛けられることもなく、高科さんは無言で部屋に戻って行ってしまった。
鍵を開けて玄関に入ると、出っぱなしになっていた高科さんの靴が無くなっている事に気が付いた。片付けたのかと靴箱を覗いてみたけど、そこには入っていなかった。
「出掛けたのかな……」
ため息が出てきた。もしかしたらまた、夕飯はいらないって言うんだろうか?
スマホを確認してみたけれど、メッセージは何も入っていなかった。高科さんは元来生真面目な人のようで、私を避けるようになってからもそういう連絡だけはちゃんとしてくれている。だから恐らく、夕飯を食べないという状況ではないはずだ。
ごちゃごちゃ考えていても埒が明かないので、私は夕飯の支度に取り掛かった。
ある程度出来上がった頃に、玄関の鍵を開ける音がした。
高科さん!?
もしかしたらまた遅く帰って来るのではないのかと危惧していたので、高科さんが帰って来たという事だけで私のテンションが上がった。
思わず走って玄関に出迎えると、高科さんは私の顔を見て驚いた表情を見せた。
あっ、やっちゃった?
てか、自分でもびっくり。考えるよりも先に行動に移してた。
「お、お帰りなさい」
意を決して挨拶の言葉を口にすると、高科さんは驚いた顔を元に戻して、そしてフッと安心したように息を吐いた。
「……ただいま」
ボソッと小さな声で返事をした後、高科さんは洗面所で手を洗い、部屋には行かずリビングのソファに座った。
「ご飯にしましょうか」
「……そうだな」
食卓に夕飯を並べている間も、どういうわけか高科さんの様子が最近のソレとは違っていた。帰って来た時の彼の表情とあいまって、もしかしたら何か私に話したいことでもあるのではないかと思った。
思い切って聞いてみようかしら?
顔を上げて、チラリと高科さんを窺ってみる。
やっぱ、聞けない……。
私の視線の先の高科さんは、先ほどの表情は影を潜め、眉間に皺を寄せて焼き鮭の骨を取り除いていた。
こんな表情、以前の高科さんならしていない。お魚が嫌いなわけじゃないし、もっと美味しそうに幸せそうに食べていた。
……悲しい。何でこんな事になっちゃったんだろう。私、高科さんに何か悪いことをしたんだろうか?
喧嘩をした記憶もないし、ましてや高科さんの邪魔をしたり物を壊したこともないのに……。
結局その後も高科さんに声を掛けることが出来ず、また掛けられることもなく、高科さんは無言で部屋に戻って行ってしまった。
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