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古代遺跡

127 古代遺跡の罠

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 百二十七話 古代遺跡の罠



 「すみませんでしたぁー!!」


 私はルーナの女王の前に着くなり深く頭を下げる。


 「どうしてそんなに謝るの。」

 「だってこの国の外を一面焼け野原にしちゃったから…。」


 それを聞くと女王は手を口に当てて笑い始める。


 「えっとあの…何か?」

 「いやいや申し訳ない、私はただ昨日この国を襲ってきた魔物たちを倒してくれた礼が言いたかっただけなのだ。」

 「ー…あ、そうなんですか?」

 「あぁ。かれこれ3日くらいだろうか。他国に助けを求めようにもあまり有効な関係築けていないもので。」


 どうやらルーナ国は規模が小さすぎるあまり、遺跡以外あまり有名でもないことから関わってもあまりメリットもない…と敬遠されているらしい。
 
 そしてあの魔物たちの襲撃をどう対処しようかと頭を抱えていたところ、私たちが来たとのことだった。


 「それであなたとそのお仲間たちに図々しいとわかっていながらもお願いがあるのだけれど…。」


 女王が手を合わせながら私を見つめる。

 
 「お願い…??」


 
 ◆◇◆◇


 
 「ーー…で、遺跡調査ですか。」

 「うん。たくさんある遺跡の中で、1つだけでも全階層行き来できるようにしたいんだって。研究の発展と観光客増加のために。」


 私たちはルーナ国から一番近い遺跡の中を歩く。
 ー…ホーリー研究所の助手たち数人を引き連れながら。


 「ここから先が未開拓エリアとなります。」


 そこにあったのは鉄の扉。
 鍵を開けるとそこから階段となっており、私たちは慎重におりていく。


 「ねー、どうしておじちゃんたちみんな怖い顔してるのー?」

 
 ヒミコが白衣を引っ張りながら助手たちを見上げる。


 「遺跡調査で事故は付き物なんだよ。急に魔物が出てきたり、当時仕掛けられていた罠が作動したりね。」

 「そうなのー?」

 「うん。僕の友達もそれで亡くなっちゃった人もいるんだ。だから慎重にね。」

 
 「ちなみにどんな罠があったのかちら。」


 ツクヨミも興味あるのかな。色々助手の人たちに質問をしている。


 「んー、例えば踏んだら上から巨大な針が落ちてきたりー…」



 カチッ



 「ー…え?」


 助手の一人が何かを踏む。
 その瞬間天井が開き巨大な針がいくつも落下してくる。


 「うわっ!」


 咄嗟にヒミコが周囲に結界を展開。落下してきた針は結界に弾かれ周囲に転がっていく。


 「ーー……。」


 助手たちは顔を青ざめながら顔を見合わせる。


 「ねぇ他には何かあるのかしら。」


 「あ、…えっと、、後はいきなり床が崩れ落ちたりー…。」



 ミシッ…


 
 「「ー…えええ?」」


 私たちが降りていた階段に亀裂が入る。
 そして崩壊。


 「「うわああーーー!!」」


 私たちは一斉に落下。
 光の届かない闇の底へと真っ逆さまに落ちていく。


 「きなちゃい!!」


 ツクヨミが壁に手をかざして魔法陣を展開。そこから出てきた触手がツクヨミ、ヒミコ、助手たちを絡め取る。
 ーー…が。。


 「ーー…あれ?」


 触手が間に合わず私とウルゼッタはそのまま下へ。


 「ナタリー! ウルゼッタ!」


 ツクヨミが私たちの方へ手を伸ばす。
 
 
 「なんとかするからみんなは上で待っててー!!」

 「すぐ戻りますわー!」


 私たちはすでに見えなくなったみんなにそう言い残し、そのまま落ちていった。


 「ちょっとウルゼッタ、これ掴んで!」


 落下の途中、私はウルゼッタに覇王ミルキーポップを掴んでもらってマルファスを召喚。
 なんとか力を振り絞って覇王ミルキーポップを持ちながら飛ぶマルファスのおかげで私たちの落下スピードが減速し、痛い思いをすることなく最下層らしき場所に降り立つことができた。


 『ふぇえ…もう力出ません。。』


 力のほとんどを使い果たしたのかマルファスはそこで姿を消し、魔法陣の中へと戻っていく。



 「ー…ここが最下層…ですかね。」


 ウルゼッタが周囲を見渡す。


 『ー…のようです。この下には大きな水脈が通っている模様。』


 ちゃっかり隣にいたイルレシオンがウルゼッタに説明する。


 「分かるんですの!?」

 『はい。機械人形の中でも我々イルーナ式は戦闘のみならず、こうした探知能力にも長けております。』

 「ー…すごいですのね。」

 『そしてこの階層ー…なんらかのカラクリで魔力が無効化されているようです。ご注意を。』


 イルレシオンが私たちに視線を向ける。


 「「ー…え?」」


 まさかと思い【苺爆弾】を使用しようとしても覇王ミルキーポップは動作しない。
 

 「ウルゼッタ、その情報ガチっぽい。」

 「そうですの? ー…といっても私魔法使えないのであまり関係ないんでしたわ。」


 落ちた場所は謎に広い空間。このままここでジッとしているのもアレなので、私たちは上へと上がるための階段を探すため適当に道を探そうってことになったんだけど。。


 『敵反応感知。 主人様方、ご注意を。』


 そうイルレシオンが口にした直後。
 地面が大きく揺れ出したかと思えば私の真下に大きな亀裂が走る。


 「え!?」


 そこから謎の透明の光が前後左右から飛び出し私を囲う。


 「ええええええ!!??」


 なんか閉じ込められたんだけど!
 結界の類なのだろうかー…覇王ミルキーポップで叩いてみても特殊な何かが私の攻撃を吸収、無効化させる。


 「ちょっと…ウルゼッタ、どうしよう!」

 
 そう助けを求めながらウルゼッタを見るとー…。


 「こちらもなかなかに凄い状況ですわ。」

 「ー…!!」


 人型の石像のような魔物が剣を構えてウルゼッタを囲んでいる。


 「とりあえずナタリー、あなたを助けるのはこいつらを倒してからになりそうですわ!」


 そう言うとウルゼッタはローターの先をアソコに突っ込みスイッチをオン。
 顔を赤らめながらクリスタルソードに手を添えた。 

  

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