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疲れた体を引きずって返る途中に、不動屋さんのウィンドウに貼ってある一枚のチラシに目がいった。
それは、会社から、歩いて20分ほどの所にあるアパートだった。
築年数も浅く、設備も整っていた。
次の休みの日には、引き寄せられるように、不動屋さんに入ると、部屋を一応確認した後、そのアパートに引っ越した。
それが、今から約2年前の話。
多分、俺が一人暮らしをしていることを青木は知っているはずだ。
お酒で、気が大きくなっているのと、このまま青木をずぶぬれで帰らすにも気が引け、
「俺んち来るか?」
と、青木を見ながら聞いた。
一瞬、大きく目を開いたように見えたが、気のせいだったかもしれない。
「どうした?」
口を少し開いたままの青木に訊ねた。
「いや、迷惑にならないか?」
「布団がないから、俺のベットかソファーか雑魚寝になるけどそれでもよかったら来いよ。まあ、これだけ暑かったら布団なくても寝れるだろうし、俺は構わないよ」
「佐藤がいいんだったら、遠慮なくお邪魔させてもらうよ」
「ああ、そうしろよ。この雨じゃ、ずぶ濡れの上に、タクシー拾うにも大通りまで歩かなくちゃいけないし。どうせ、濡れるんだったら、近い方がマシだろ」
そうこう言っていると、数人の会社帰りと思われる、一団が清算を済ますと、こちらにやってきた。
中のウィンドウが開き、5人の男女がオレと佐藤がいる前を横切っていった。
けれど、外側のウィンドウが開いた瞬間、猛烈な風に混じって雨が入り込んできて、思わず、俺たちはもう一度中に入った。
その5人は、俺たちと同じく、また、中に入り直し、どうするか相談を始めたようだった。
それを見て、俺と佐藤は顔を見合わせ、フッと笑った。
「同じだな」
「そうだね。この雨じゃ仕方ないよ。佐藤の家は走ってどれくらい?」
「歩いて10分、走ったら5分ぐらいか?」
「服借りていい?」
「ああ、青木さえイヤじゃなかったら遠慮なく使ってくれ」
「イヤっていったらどうすんだよ」
「ええ!いやなのか」
「いや、そうじゃなくて、イヤなんて思わないけど、そんな言い方するから、からかいたくなっただけさ」
そう言いながら、軽く笑う青木。
「おい、からかうなよ。本気でいやなのかと焦った」
「悪い、悪い」
と謝るも、顔が笑っているので、本気で謝られている気がしない。
冗談をいう青木もめずらしいが、いつもより表情が柔らかいのはアルコールのせいか……?
そんな青木から目を離し、「じゃあ、せーので行くか?」
と顎で外のウィンドウを指す。
「いいよ」
「せーの!」
俺の掛け声で、さっきの5人組の前を通り過ぎ、大雨が吹き込んでくるウィンドウを出ると、痛いほど打ち付けてくる雨の中を、走り抜けた。
それは、会社から、歩いて20分ほどの所にあるアパートだった。
築年数も浅く、設備も整っていた。
次の休みの日には、引き寄せられるように、不動屋さんに入ると、部屋を一応確認した後、そのアパートに引っ越した。
それが、今から約2年前の話。
多分、俺が一人暮らしをしていることを青木は知っているはずだ。
お酒で、気が大きくなっているのと、このまま青木をずぶぬれで帰らすにも気が引け、
「俺んち来るか?」
と、青木を見ながら聞いた。
一瞬、大きく目を開いたように見えたが、気のせいだったかもしれない。
「どうした?」
口を少し開いたままの青木に訊ねた。
「いや、迷惑にならないか?」
「布団がないから、俺のベットかソファーか雑魚寝になるけどそれでもよかったら来いよ。まあ、これだけ暑かったら布団なくても寝れるだろうし、俺は構わないよ」
「佐藤がいいんだったら、遠慮なくお邪魔させてもらうよ」
「ああ、そうしろよ。この雨じゃ、ずぶ濡れの上に、タクシー拾うにも大通りまで歩かなくちゃいけないし。どうせ、濡れるんだったら、近い方がマシだろ」
そうこう言っていると、数人の会社帰りと思われる、一団が清算を済ますと、こちらにやってきた。
中のウィンドウが開き、5人の男女がオレと佐藤がいる前を横切っていった。
けれど、外側のウィンドウが開いた瞬間、猛烈な風に混じって雨が入り込んできて、思わず、俺たちはもう一度中に入った。
その5人は、俺たちと同じく、また、中に入り直し、どうするか相談を始めたようだった。
それを見て、俺と佐藤は顔を見合わせ、フッと笑った。
「同じだな」
「そうだね。この雨じゃ仕方ないよ。佐藤の家は走ってどれくらい?」
「歩いて10分、走ったら5分ぐらいか?」
「服借りていい?」
「ああ、青木さえイヤじゃなかったら遠慮なく使ってくれ」
「イヤっていったらどうすんだよ」
「ええ!いやなのか」
「いや、そうじゃなくて、イヤなんて思わないけど、そんな言い方するから、からかいたくなっただけさ」
そう言いながら、軽く笑う青木。
「おい、からかうなよ。本気でいやなのかと焦った」
「悪い、悪い」
と謝るも、顔が笑っているので、本気で謝られている気がしない。
冗談をいう青木もめずらしいが、いつもより表情が柔らかいのはアルコールのせいか……?
そんな青木から目を離し、「じゃあ、せーので行くか?」
と顎で外のウィンドウを指す。
「いいよ」
「せーの!」
俺の掛け声で、さっきの5人組の前を通り過ぎ、大雨が吹き込んでくるウィンドウを出ると、痛いほど打ち付けてくる雨の中を、走り抜けた。
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