隣にいて

立樹

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 横になっても眠れない。誰かがいようと、それは変わらなかった。

 思い頭を枕に押し付け、目を瞑った。

 その時、扉を叩く音がした。

「杉山か?」

 隼大は、ベットから起き上がりながら言った。
 起こしてしまったのかと気になった。てっきり寝たとばかり思っていた。違っていたのだろうか。
 扉の向こうから「すみません」という、杉山の声が聞こえた。

 急いで、扉を開けた。
 
 杉山は、眩しいのか、眠いのか、いつもの凛とした目ではなくトロンとした目で隼大を見てきた。

「悪い、さっき起こしてしまった。どうした?」
「いえ、なんか……気になってしまって」

寝ぼけた声と、ふんわりとした雰囲気に思わず、起こしてしまった罪悪感よりも、小さな子どものようで、顔がほころぶ。

「あれだよな」
「なんですか?」
「小さい子がさ」
「はい」
「親戚の家にお泊りして、寝られません、って起きてくる子みたいだな」
 プッと吹き出しながら笑うと、半分眠っていた杉山の目が大きく開いた。

「ちょ、ちょっとひどくないですか、川浪さん」
 心外だという顔で近づく杉山の肩を押し返しながら、笑った。

「すまん。けど、本当に俺のことよりも寝てくれ」
 笑いを引っ込めて言うと、「それは、こっちのセリフです。寝て下さい」と口をとがらせて言った。
「いや、もう寝るよ」
「ホントですか?」
「ほんと、ほんと」
 ジトっと見られ、なんだか、こちらを見透かされているようで、居心地が悪くなる。顔を背けると、背けた方へと杉山が移動してきた。
 じりじりと距離を詰めてきた。あと数センチの距離にいる杉山。
「近い。近い、ちょっと離れてくれないか?」
 そう言うと、杉山はスッと離れ「寝るまで、側に居ちゃ駄目ですか?」と、聞いてきた。

「え?」と、思わず問い返した。
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