230 / 3,146
DIY、出合い出遭う
百個の石
しおりを挟む作った理由はなんとなく、死に戻りによるテレポートをしてみたいと思ったからだ。
転送装置が有るにも関わらず、一度やると決めたらやってみたくなる性格がそれを促すことになった。
そして生まれたセーブ石──その数百個。
作ること自体はまあどうにかなり、今では住民に使い切りの劣化版死に戻り装置を与えられるほどに、技術革新は進んでいる。
不老不死……はさすがに禁止。
魔物たちの意思を尊重し、風兎と相談しながら星を回しております。
「まあ、俺には関係ないか」
《そうですね》
結局のところ、プレイヤーが起こした揉め事が『超越者』にでも及ばない限り、俺に悪影響はない。
それに、いつしか『超越者』に俺以外のプレイヤーが入ったならなお僥倖。
星で引き籠ってフリーライフ、家族全員と再会できたらそうしよっかな?
それでも今は、『超越者』になったプレイヤーは俺だけらしい。
なので、『超越者』絡みの話をさせられるのは残念なことに俺だけなのだ。
「早く代わりがほしいよ」
「どうした『生者』、そのように落ち込み嘆くとは。何かあったのか?」
「最近、『超越者』に絡まれることが多くてな。今も大変なんだ」
「ほお、それは辛そうだ。私でよければ、いつでも力になるぞ」
「そうか、ならさっそく──」
すぐさまボタンを取り出して押そうとするのだが、『騎士王』に取り上げられる。
「……何をする、『生者』」
「辛いから、『騎士王』に協力してもらって帰ってもらおうかと」
「協力など一片たりともしていないではないか! 誰だ、今日はいったい誰が来るというのだ!」
「さぁ、俺にもそれは分からないし」
ランダム仕様である。
これは予め『騎士王』に買収されないようにするため、といった理由もあってのこと。
一部甘い人が居るらしいんだよ。
「ほ、ほら『生者』! 私が相談にのってやろう、だからまだこれを押すんじゃない」
「仕方ないな、分かったよ」
「そうか。ならこれは……いらないな」
握力だけでバキッと俺の用意したボタンを壊す『騎士王』。
……こいつ、わざと壊したな。
とりあえず、最近の出来事を話してみた。
すると、『騎士王』の答えは──
「そうだな。一度、『超越者』の集まりに参加してみてはどうだ?」
「……いやいや、だから行きたくないと最初から言ってるじゃないか」
「見るだけだ。別に加盟しろ、などとは言っていない」
なるほど、情報を集めるのには向いている場所だろう。
なんせ、世界中の強者共が集まる悪魔の巣窟なんだから。
その返事をすべく、ある物を取りだす。
「……『生者』。どうしてボタンがまだあるのだ」
「それさ、済し崩しに加盟させようとしてるだろう。行っちまえばそこで俺の身は興味が無かった奴の前にも晒され、むしろ被害は悪化する。だってそうだよな、俺って便利屋だもんな」
「そんなことはない」
「その台詞、せめて俺の方を向いて言ってくれてれば良かったんだが……」
視界が俺から離れている今、ボタンをスッと押しておく。
あっ、と息を漏らす頃にはもう遅い。
「……ガウェインさん、お疲れ様です」
『騎士王』をこの場から消し去ってくれた恩人に感謝し、今日一日の中で残った時間を平和に過ごしていった。
11
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる