TS転生したら、カードゲーム系アニメのノリで美少女令嬢とダンジョン探索してた

マグローK

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第41話 バトルスタート! 世界第2位とのエキシビション!!

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「さあ、これから始まる注目の一戦! 戦うヤツらが発表された時は、みんなにも驚きが広がったんじゃないか?」

 エキシビションの映像を見た時にも聞いた実況の声に、とうとう本番の日がやってきたことを理解した。
 場所もダンジョンの中にある特設コート。
 正直、こんな場所があるなんて今日の今日まで知らなかった。

 ただ、気持ちはすでに出来上がっている。

 今日、僕は、コーダを倒す。

「歴ちゃん。普段通りにね」

「うん」

 みふだちゃんの言葉にうなずきながら、ふと、周りを見回してみたが、千伊香ちゃんの姿が見えなかった。

「あれ? 千伊香ちゃんは?」

「客席の方にいるみたいだよ」

「てっきりこっちにいると思ってたのに。なんでだろう」

「あたしはお姉様の一番のファンですわ! って張り切ってたよ」

「えぇ、何それ」

 嫌な予感しかしない……。
 変なことしてないといいけど、多分してるんだろうなぁ……。

「さあ、無名のチャレンジャーを紹介しよう!」

「きたよ。頑張って」

「うん」

 ここまできたら、やるしかない。
 今回は特殊なデッキとなって、モンスターたちには申し訳ないが、僕もウサリドルに手向けたいのだ。

「公開ダンカ初挑戦! 推すはチャンプ、勝てるか? 新人! ニュービー! 梨野ォォオオオ歴ィィィイイイイ!」

「うおおおお!」
「かわいいぞおおおおお!」
「お姉様あああああ!」

「……千伊香ちゃ……」

 手を振って入場すると、アイドルの応援みたいなうちわを持った千伊香ちゃんの姿が目に入ってしまった。

「お姉様ああああ! お姉様ああああ! こっちですぅ! お姉様あああああ!」

 よく見るとペンライトみたいなものも持ってアピールしているのがわかる。
 他の人が誰も持っていないだけに、浮き出ているようにバッチリ見える。

 やっぱり変なことしてた……。

 顔が熱くなるのを感じる。
 けど、手は振り返しておいてあげよう。

「きゃああああ! お姉様あああ!」

「対するは、多くの場合は格上のはずが、チャレンジャーとして敗北している姿ばかり見ているこの男ォ。世界第2位! ドレイクゥ・コーダァァアアアアア!」

「勝利を譲れえええ!」
「正々堂々戦うんだろうなぁ?」
「いい加減まともにやれええ!」

「うるせえ! 黙って見てやがれ!」

 僕と違って場に慣れている様子。
 雰囲気にのまれていない。
 罵倒をものともしていないように見える。

 宿敵、ドレイク・コーダ。

「びびって来ないかと思ったぜ。女」

「そっちこそ」

「口だけは達者な新人ねぇ。このまま勝ってもつまらんから、3ターン待ってやる。俺のモンスターが1体だけの状況で好きなだけ準備をするといいさ」

「余裕ですね」

「あたりまえだろ。ガキ。こんな舞台で格下相手に本気で戦ってどうする?」

 ならその油断。存分に使わせてもらうとしよう。

「両者準備はいいな? それでは、バトォルゥスタァアトォ!」

「いけっ! ブラックドラゴン!」

「来てくれ。ドリルリド」

 独特なかけ声とともにモンスターを召喚。

 相手は黒のドラゴン。名前もそのままブラックドラゴン。
 威圧感からして、おそらくはSランクモンスターが1体。

 対してこちらはドリルリドという名のユメウサギ。

「はっ。ユメウサギかよ。お師匠様大好きってか? こういうのを百合とかいうのかね?」

「そっちの人ですか」

「違えよバカ! いったいそんな雑魚1体で何ができる? また破壊されるだけだろう?」

「どうでしょうね」

「そいつは束になって初めて強いモンスターだ。現に、ランク自体は単体評価でGランク。進化したら特性が変わる。扱いにくいったらありゃしない。お前みたいなペーペーには無理だぜ」

 ということで、実はなくてもあまり変わらないのだが、ハンデを使う。

 2体目、3体目のユメウサギ。

 今回のデッキに投入されたモンスターは、このユメウサギが多くを占める。

「なっ。しっかり引き込んでやがるだと……? 素人にしちゃあよく集めた。が、俺がただでターンをやったと思うか?」

 ようやく回ってきたコーダの番。
 ニヤリと笑ったその顔は何か上手くいったような笑顔をしていた。

「おい、そいつ今」

「うるせえ! 外野が騒ぐな! 『催眠光線』! 俺に従え!」

 変な色の光がダンジョンの四方八方へと広がった。
 まるで自覚できる超音波でも発されているように、何かが頭の中まで響いてくる。

「ニュービー相手に恥ずかしくないのか?」
「これは互角を打開する技だろ」
「たまには正面から戦ったらどうだ」

「なんとでも言え! オーディエンス! 何もしてないやつに口出す権利はない。結果的に勝てばいいのだ。こんな見栄えだけの非公式戦。どんな勝ち方だって問題ない!」

「本当。友だちの言葉は聞くものだな」

「あ?」

 卑怯な手。コーダが使うことは読めていた。

 それだけじゃない。

 そんな読めていた手のジャンルもだいたいは経験者に聞けばわかった。
 この催眠光線もみふだちゃんには使わなかった理由がある。

 ある種の自爆可能性があるスキルなのだ。
 無効化されると、その効果が自陣に反射されるという。

「即応スキル『心配り』! 大丈夫。落ち着いて!」

「なっ!? バカな、即応スキルで克服した……? 素人が、即応スキルカードを……?」

「使えないとでも?」

「い、いや、おかしい。ユメウサギは場に3体。ならそもそも、手札は残っていないは……、なんでまだ一枚残ってるんだよ! 山を引くカードを使ってないってのに! 多く引くことまで許しちゃいねぇぞ!」

「自分はイカサマしておいて?」

「……、い、イカサマ? ふっ、バカ言っちゃいけねぇ」

 笑ってごまかしたところを見ると、やはりイカサマまでしていたか。

 オーディエンスに指摘されかけ、周りに対してもスキルを発動させた、といったところだろう。

 さすがにそちらの証拠は提示できない。

 だが、こちらの無実は示しておこう。

「種明かしをしてあげますよ。使ったのはモンスターのスキルです」

「お前のユメウサギは分身スキルが使えるとでも……? どんなルートで」

「さあ、どうでしょうね。でも、私の方を気にしていてもいいんですか? スキルの反射によって、構えていたドラゴンはどうなるでしょうね?」

「貴様ァ!」
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