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第42話 部屋がお金まみれ!
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そういえば、少し試しただけで、お金で姫様の部屋がいっぱいになってしまった。
姫様お金持ちなんだな。いや、当たり前か。そもそも姫様なんだし。
でも、試してくれたのはいいけど、部屋をお金でいっぱいのままにするなんて、不思議なことをするものだなぁ。
そういえば、一応視界を届けていない時も常時僕に対するお金を送れるようにした方がいいと姫様が言っていた。
そんなことをしても、見ていない時は、誰も何もしないと思うのだけど。
まあ、姫様の提案だから、きっと何か考えがあるんだろうな。
「しつれ、うわあああああ!」
扉を開けた瞬間、部屋からお金が流れ出てきた。
「何これ!」
もしかして姫様、あの後もずっと部屋にお金を送り続けてたの?
「し、失礼しまーす……」
お金をかき分け、部屋に入ろうとするも、ダメだ。川の流れのようになっていて進めない。
姫様、埋まってないといいけど。
「セスティーナー! セスティーナー! ……返事がない。ど、どういうこと……? もしかして本当に」
「あ、リストーマ様! こちらです」
「セスティーナ?」
手招きされるまま、隣の部屋に入ると、どういうわけか昨日までの姫様の部屋と同じ内装の部屋になっていた。
部屋ごとに内装は違ったはずだけど、姫様は同じ部屋を複数持ってるってこと?
「えーと。これは一体どういうことですかね?」
「いやー。あはははは。実は、私も何が起きているのかわからなくて……。ひとまず用意できるものだけこの部屋に用意してもらったのですが……」
「なるほど」
どうやら姫様がお金を送っていたわけじゃないらしい。
でも、それならどうして?
「僕もちょっと混乱しているようなので、片づくまでダンジョン行ってきます」
「しかし、こんな状態で行ったら」
「大丈夫です。少しだけですから」
「わ、わかりました。お願いします。この状況には対処してみます」
「お願いします」
ダンジョンへ行く道でも、やっぱり考えてしまう。
あれはなんだったのか。
お金をもらえるってことは、多分認めてもらえてるってことだ。認めてもらえることは嬉しい。
でも、あれは本当にどういうことだろう。姫様が送った様子じゃなかったし……。
「……えっと。こっちもいつもと違うなぁ」
とりあえず、視界は前回と同じ範囲に届けてみたものの。このままでは始められなさそうだ。
よくないな。ダンジョン入り口にワナがある。
でも、これは魔獣が作り出したものではなく、人がしかけたようなものだ。
フロニアさんたちとの訓練だけでなく、剣聖の家にもあったような、一般的な魔獣捕獲用のワナ。
「さあて、どうしようかな? よっと」
"《セスティーナ》どうされました?"
「いえ、なんでもないです。ちょっと邪魔なものを片していました。入りますね」
"《セスティーナ》はい。お願いします"
放置して帰る時に引っかかったら最悪だ。
そんなことにならないように解除しておいた。これで大丈夫だろう。
でも、ダンジョンの魔獣に効くとは思えないし、どうしてこんなダンジョンの入り口なんかに?
フラータが言ってた、周りにいた誰かってのと同じ人がやったのかな?
「誰だろう、狩人の人とか? もしくは、冒険者の人とかかな?」
"《セスティーナ》リストーマ様! "
"来てます来てます!"
"狩人どころか狩られる側になりますよ!"
「おっと」
考え事をしていたら魔獣の接近に気づかなかった。
姫様たちの言葉がなければ攻撃が当たっていたかもしれない。
さて、
「フゴー! フゴー!」
「あれは、オーク……ですかね?」
"《セスティーナ》そうです。気をつけてください。武器、それも冒険者から奪ったようなものを持っています"
「はい」
危険かもしれないが、今回ばかりは僕でも知っている。
あれは豚鼻の魔獣、オークだ。
「武器はヤリ。見かけからして上等なもの、そのうえ扱い慣れている。多分、ヤリの扱いなら僕より上だろうな」
「フゴー! フゴゴゴ、フゴ、フゴゴゴ、フゴッ! フゴッ!」
なんだかやる気があるみたいだ。
よほど攻撃をかわされたことが悔しいらしい。
僕の武器も警戒しているようだし、これはなめてかかれないな。
会話はムリでも、戦闘センスが高そうだ。
「フゴー!」
「クッ。うおっ」
突進。
見かけ以上に素早い。
それに、体格があるからか、攻撃が重い。地面が簡単に穴だらけになりそうだ。
「どうしたものかな」
"オーク肉は食べられますわよ! ぜひともワタクシに!"
"ふっ。オーク肉はワシのものだ。金は出す! いや、もう送っているぞ!"
"いいえ。ぼくの方が額は多いはずです。どうかお納めください"
「え、え? 何の話ですか?」
なんだろう。ちらっと届く言葉を見たら、まったく関係ないことで盛り上がってる。
オークって食べられるの!?
い、いやいや。さすがに、冗談じゃないかな?
でも、言葉の上に額が書いてあるけど……。
「一、十、百、千、万……」
"《セスティーナ》リストーマ様、まずは目の前の魔獣に集中を"
「は、はい!」
「フゴー!」
やばい、戦闘に集中してなかったからか、オークを怒らせてしまったようだ。
どうやら武人気質らしい、けども。
「怒りはチャンス」
攻撃が単調になった。
それに、スキも増えた。
素早さは上がった印象だが、反面溜めも大きい。
「ここだ!」
「フガッ!」
"倒したー! わたしのだからね!"
"いいや。違う。私のために倒したのだ"
"どうしてそんな話になっているのかな?"
「ま、まあまあ、落ち着いてください。オークはしっかり持ち帰りますから」
しっかし、どうしてオーク肉ってだけでこんななんだ?
帰ったらすぐに聞かないと。
姫様お金持ちなんだな。いや、当たり前か。そもそも姫様なんだし。
でも、試してくれたのはいいけど、部屋をお金でいっぱいのままにするなんて、不思議なことをするものだなぁ。
そういえば、一応視界を届けていない時も常時僕に対するお金を送れるようにした方がいいと姫様が言っていた。
そんなことをしても、見ていない時は、誰も何もしないと思うのだけど。
まあ、姫様の提案だから、きっと何か考えがあるんだろうな。
「しつれ、うわあああああ!」
扉を開けた瞬間、部屋からお金が流れ出てきた。
「何これ!」
もしかして姫様、あの後もずっと部屋にお金を送り続けてたの?
「し、失礼しまーす……」
お金をかき分け、部屋に入ろうとするも、ダメだ。川の流れのようになっていて進めない。
姫様、埋まってないといいけど。
「セスティーナー! セスティーナー! ……返事がない。ど、どういうこと……? もしかして本当に」
「あ、リストーマ様! こちらです」
「セスティーナ?」
手招きされるまま、隣の部屋に入ると、どういうわけか昨日までの姫様の部屋と同じ内装の部屋になっていた。
部屋ごとに内装は違ったはずだけど、姫様は同じ部屋を複数持ってるってこと?
「えーと。これは一体どういうことですかね?」
「いやー。あはははは。実は、私も何が起きているのかわからなくて……。ひとまず用意できるものだけこの部屋に用意してもらったのですが……」
「なるほど」
どうやら姫様がお金を送っていたわけじゃないらしい。
でも、それならどうして?
「僕もちょっと混乱しているようなので、片づくまでダンジョン行ってきます」
「しかし、こんな状態で行ったら」
「大丈夫です。少しだけですから」
「わ、わかりました。お願いします。この状況には対処してみます」
「お願いします」
ダンジョンへ行く道でも、やっぱり考えてしまう。
あれはなんだったのか。
お金をもらえるってことは、多分認めてもらえてるってことだ。認めてもらえることは嬉しい。
でも、あれは本当にどういうことだろう。姫様が送った様子じゃなかったし……。
「……えっと。こっちもいつもと違うなぁ」
とりあえず、視界は前回と同じ範囲に届けてみたものの。このままでは始められなさそうだ。
よくないな。ダンジョン入り口にワナがある。
でも、これは魔獣が作り出したものではなく、人がしかけたようなものだ。
フロニアさんたちとの訓練だけでなく、剣聖の家にもあったような、一般的な魔獣捕獲用のワナ。
「さあて、どうしようかな? よっと」
"《セスティーナ》どうされました?"
「いえ、なんでもないです。ちょっと邪魔なものを片していました。入りますね」
"《セスティーナ》はい。お願いします"
放置して帰る時に引っかかったら最悪だ。
そんなことにならないように解除しておいた。これで大丈夫だろう。
でも、ダンジョンの魔獣に効くとは思えないし、どうしてこんなダンジョンの入り口なんかに?
フラータが言ってた、周りにいた誰かってのと同じ人がやったのかな?
「誰だろう、狩人の人とか? もしくは、冒険者の人とかかな?」
"《セスティーナ》リストーマ様! "
"来てます来てます!"
"狩人どころか狩られる側になりますよ!"
「おっと」
考え事をしていたら魔獣の接近に気づかなかった。
姫様たちの言葉がなければ攻撃が当たっていたかもしれない。
さて、
「フゴー! フゴー!」
「あれは、オーク……ですかね?」
"《セスティーナ》そうです。気をつけてください。武器、それも冒険者から奪ったようなものを持っています"
「はい」
危険かもしれないが、今回ばかりは僕でも知っている。
あれは豚鼻の魔獣、オークだ。
「武器はヤリ。見かけからして上等なもの、そのうえ扱い慣れている。多分、ヤリの扱いなら僕より上だろうな」
「フゴー! フゴゴゴ、フゴ、フゴゴゴ、フゴッ! フゴッ!」
なんだかやる気があるみたいだ。
よほど攻撃をかわされたことが悔しいらしい。
僕の武器も警戒しているようだし、これはなめてかかれないな。
会話はムリでも、戦闘センスが高そうだ。
「フゴー!」
「クッ。うおっ」
突進。
見かけ以上に素早い。
それに、体格があるからか、攻撃が重い。地面が簡単に穴だらけになりそうだ。
「どうしたものかな」
"オーク肉は食べられますわよ! ぜひともワタクシに!"
"ふっ。オーク肉はワシのものだ。金は出す! いや、もう送っているぞ!"
"いいえ。ぼくの方が額は多いはずです。どうかお納めください"
「え、え? 何の話ですか?」
なんだろう。ちらっと届く言葉を見たら、まったく関係ないことで盛り上がってる。
オークって食べられるの!?
い、いやいや。さすがに、冗談じゃないかな?
でも、言葉の上に額が書いてあるけど……。
「一、十、百、千、万……」
"《セスティーナ》リストーマ様、まずは目の前の魔獣に集中を"
「は、はい!」
「フゴー!」
やばい、戦闘に集中してなかったからか、オークを怒らせてしまったようだ。
どうやら武人気質らしい、けども。
「怒りはチャンス」
攻撃が単調になった。
それに、スキも増えた。
素早さは上がった印象だが、反面溜めも大きい。
「ここだ!」
「フガッ!」
"倒したー! わたしのだからね!"
"いいや。違う。私のために倒したのだ"
"どうしてそんな話になっているのかな?"
「ま、まあまあ、落ち着いてください。オークはしっかり持ち帰りますから」
しっかし、どうしてオーク肉ってだけでこんななんだ?
帰ったらすぐに聞かないと。
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