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お似合いの二人2
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その日の宴で、形式に沿って妻である私とファーストダンスを踊った夫は、私に気遣う素振りを見せるも、いつものようにまっすぐと義姉ブリアナをダンスに誘った。
私から離れて行った夫はまっすぐにブリアナに歩を進め、まるで長く離れていた恋人同士がやっと出会えたかのように互いを見つめあっていた。
そして寄り添い相変わらず息の合ったダンスを義姉と夫は披露し、お互いに熱をはらんだ目で見つめあったままダンスを終えた。
そして夫サミュエルは、私の存在を忘れてしまったかのように、義姉ブリアナのエスコートをしながら招待客に囲まれて歓談を始めたのだった。
サミュエルの逞しい腕に当然のようにエスコートされるブリアナと、その彼女を慈しむように時折気遣う仕草を見せる夫はまるで本物の夫婦に見える。
その腕にエスコートされるべきなのは妻である私だと、出来るものなら声を上げたいのを必死に耐え、笑顔で王族席からその滑稽な状況を見下ろしていた。
「…ローズ…。少し顔色が悪いんじゃないか…?控室に連れて行こうか?」
そう父が私を気遣っていたところに私の兄のジェイドがやってきた。
「ローズ、元気だったか?ウィリアム陛下の件では本当に大変だっただろう。まさかこんなことになるとはな…。」
「お兄様…。ええ、本当に私もこんなことになるとは思ってもみませんでしたわ…。それはそうと、お兄様のお顔を拝見できて少し元気が出たような気がします。もしよければ、これからも出来たら会いに来ていただけると嬉しいですわ。」
「ああ、ローズはいつまでも私の大事な妹なんだ。頼まれなくてもローズが嫌というほど会いに行ってやるよ。」
「ふふふっ。お兄様。ありがとうございます。」
落ち込んでいた気持ちが父と兄の温かな気遣いによりようやく落ち着いてきたところに、サミュエルが義姉ブリアナをエスコートしながら戻ってきた。
私から離れて行った夫はまっすぐにブリアナに歩を進め、まるで長く離れていた恋人同士がやっと出会えたかのように互いを見つめあっていた。
そして寄り添い相変わらず息の合ったダンスを義姉と夫は披露し、お互いに熱をはらんだ目で見つめあったままダンスを終えた。
そして夫サミュエルは、私の存在を忘れてしまったかのように、義姉ブリアナのエスコートをしながら招待客に囲まれて歓談を始めたのだった。
サミュエルの逞しい腕に当然のようにエスコートされるブリアナと、その彼女を慈しむように時折気遣う仕草を見せる夫はまるで本物の夫婦に見える。
その腕にエスコートされるべきなのは妻である私だと、出来るものなら声を上げたいのを必死に耐え、笑顔で王族席からその滑稽な状況を見下ろしていた。
「…ローズ…。少し顔色が悪いんじゃないか…?控室に連れて行こうか?」
そう父が私を気遣っていたところに私の兄のジェイドがやってきた。
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「お兄様…。ええ、本当に私もこんなことになるとは思ってもみませんでしたわ…。それはそうと、お兄様のお顔を拝見できて少し元気が出たような気がします。もしよければ、これからも出来たら会いに来ていただけると嬉しいですわ。」
「ああ、ローズはいつまでも私の大事な妹なんだ。頼まれなくてもローズが嫌というほど会いに行ってやるよ。」
「ふふふっ。お兄様。ありがとうございます。」
落ち込んでいた気持ちが父と兄の温かな気遣いによりようやく落ち着いてきたところに、サミュエルが義姉ブリアナをエスコートしながら戻ってきた。
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