初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人

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新国王夫妻と新王弟夫妻の誕生

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当時の国王夫妻と三男ルイスはサミュエルに再三その二人の近すぎる距離感を危惧し離れるよう伝えたがついぞ改善されることはなかった。

他からやめろと言われれば言われるほど、サミュエルとブリアナはそれに抗う自分たちに酔いしれるかのように、悲劇の恋人同士のようにふるまっていった。

しかし、そのような状況の中でも王太子教育は勧められ、定期的なウィリアムとブリアナの交流の場が設けられていた。

ウィリアムは愚かな婚約者ブリアナに早々愛想をつかしていたが、サミュエルとブリアナは体の関係も口づけも交わしてはおらず、残念ながら婚約を破棄の希望は認められなかった。

そして、サミュエルの気持ちをもてあそぶだけでは飽き足らないしたたかなブリアナは、婚約者ウィリアムを前にすると従順でいかにもウィリアムを慕っているという素振りを見せていた。

ウィリアムはそんな愚かなブリアナに対して、婚約者として必要最低限の役目をするのみであった。

ウィリアムとブリアナが婚約して二年後、遂にサミュエルにも婚約者が出来た。

サミュエルとブリアナの関係は貴族間では知れ渡っていたので、高位貴族は誰もサミュエルの婚約者として名乗りを上げることがなかった。

誰しもサミュエルの婚約者になろうとする者がいない中、王命まで使ってようやくサミュエルの婚約者に決められたのが、ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズであった。

言葉にはしなかったが皆ローズに同情した。

そして皆一様に、貴族に生まれた以上は役目を果たさなければならないのだから仕方のないことだと、自分たちがその王命を受けなくてよかったと胸をなでおろしたのだった。

ローズがサミュエルの婚約者に決まっても、サミュエルとブリアナの関係は変わることはなかった、
しかしサミュエルは婚約者としての必要最低限の義務はローズに行っていた。

サミュエルがローズに対して、特に暴言を吐くわけでも邪険に扱う訳でもないのだが、やはりその視線の先にはブリアナがいただけの話だ。

それから四年後、ウィリアムが20歳になり国を挙げての盛大な婚姻式が執り行われた。

ブリアナの本性を知らない多くの者達から祝福の声が寄せられ、一見幸せでいっぱいであるはずのウィリアムの胸中は荒れていた。

その三年後、父である国王が体調を崩し療養を余儀なくされた為、ウィリアムは新たにその王の座を譲り受けたのだった。

23歳でウィリアムとブリアナがミラリス国王と王妃になったのだった。

新国王と王妃が誕生したその年、王弟サミュエルとローズの婚姻式が盛大に行われ、その年は新国王夫妻と新王弟夫妻の誕生でミラリス国はお祭り騒ぎとなっていた。
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