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巻き戻り前
愚かなリズリー1
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アイシャの目が覚めると、レオナルドのいた場所は冷たくなっていた。
本当にレオナルドがアイシャの元に戻って来てくれるのかという不安で潰されそうになった。
コンコンッとドアがノックされ侍女が朝の支度の為に部屋に入ってきた。
「おはようございます、奥様。旦那様からの伝言で、執務室にいるので朝食の際は声をかけるようにとのことでございます。」
昨日屋敷に帰って来たばかりなのに、もう仕事をしていたのかと思うが、私を迎えに行ったりレオナルドが寝込んでいた間にやはり仕事が溜まってしまったんだろうと気が付く。
私も女主人としての執務がたまっていると思うので、今日から早速取り掛かろうと決めた。
言われた通り、朝食に向かう途中でレオナルドの執務室に行きそれから一緒に朝食へ向かった。
すぐそこまでなのに、腕に抱えられてそのまま席まで連れていかれた。
そんな仲睦まじい夫婦の様子に思わず涙ぐむ使用人もおり、たくさんの周囲の人々に心配をかけてしまったのだなと改めて申し訳なく思った。
「レオ、大げさね。わざわざそんな抱きかかえてくれなくても歩けるわよ?ふふふっ」
「ああ、アイシャ、君が歩けるのは知ってるさ。ただ俺が抱きかかえたかったんだ。とにかく君はもっと太らなきゃいけないからね。そんな事は気にしないで、さあ、早くどんどん食べてしまおうか。」
そういって、私のカトラリーを取り上げたレオナルドは終始私の口に食べ物を運んではニコニコしていた。
「あの、レオ。こんな場所で聞くのもどうかとは思うけれども、リズリー様とは…話をしたの?」
「アイシャ…すまない。昨日話をしようとしたんだが彼女は部屋から頑なに出てこようとしなかったんだ。扉越しに話はしたが何も反応がないので、もし続けるようなら無理やりにでも扉を開けて今日にでも出て行ってもらう。…すまない、朝からこんな話。」
それはそうだろうと思う。
これまであんなに彼女を欲していたのに急に出て行けなんて、はい分かりました、なんて簡単には言わないだろう。
本当にレオナルドがアイシャの元に戻って来てくれるのかという不安で潰されそうになった。
コンコンッとドアがノックされ侍女が朝の支度の為に部屋に入ってきた。
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私も女主人としての執務がたまっていると思うので、今日から早速取り掛かろうと決めた。
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それはそうだろうと思う。
これまであんなに彼女を欲していたのに急に出て行けなんて、はい分かりました、なんて簡単には言わないだろう。
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