今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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エルザの変化

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自分のしでかしたことでエルザが落ち込んでいるのを心配するとともに、エルザがそれで嫉妬してくれて落ち込んでしまったのかと思うと多少の喜悦感を感じたルーカスは、渡したプレゼントを見てエルザが機嫌を直してくれることを期待した。

しかし、以前のエルザなら大層喜んだであろうが、その時のエルザはただ感情のない瞳とわずかな嫌悪感を放ちながら、そのイヤリングに視線をとどめるだけであった。 
 

「…エ、エルザ…?」 

「素敵な贈り物をありがとうございます、殿下。 

 それと私に遠慮なさらなくとも宜しいのですよ。 

…以前学園で、お二人が仲良く抱き合っていたのも目の当たりにさせて頂いておりましたので、こうなることは本当は予想しておりました。 

まさかこうなってしまったのにも関わらず、私が殿下の第二妃として嫁ぐことになるとは夢にも思いませんでしたが…。 

殿下のお部屋にプリシア様をお通ししたのであれば、お二人には媚薬など必要なかったのではないのですか? 

…申し訳ございません。体調がすぐれませんので私はこれで失礼させていただきます。ごきげんよう、殿下。」 

自分のことを殿と呼ぶエルザが、差し出された贈り物に触れようともしないどころか目もくれないエルザを目の当たりにして、ルーカスの背中を冷や汗が伝った。

「エルザッ…!待ってくれ、エルザ!違うんだ!私はプリシアではなく君を愛しているんだ!」 

 
エルザが以前のように自分のことをルーカスと名前で呼んでくれなくなってしまったことにも、その瞳の熱が冷めてしまっていたことにも気が付いていたルーカスは、ただエルザが消えた扉を呆然と眺めたのだった。 

そしてその数日後、遂にプリシアとルーカスの盛大な挙式が行われたが、そこにはエルザの姿はなかった。 

ウィリアムソン侯爵家一同は挙式への参加を固辞したのだった。 
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