15 / 51
惨めな第二妃
しおりを挟む
一方でプリシアの王太子妃教育は一向に進まず、教師たち一同も匙を投げるほどだった。
そしてエルザは第二妃という肩書で、先の見えない王太子妃の仕事を肩代わりするだけの存在になっていた。
プリシアはルーカスの寵愛を独り占めしようと日々ルーカスを束縛し、王太子妃の仕事すべてをエルザに丸投げしたまま贅沢三昧で楽しい日々を謳歌していた。
また、初夜どころか未だにルーカスの訪れのないエルザを嘲笑う者たちがあちらこちらで現れ、周囲からの心ない言葉は当然のごとくエルザの耳にも入っていった。
エルザが第二妃として王宮にやって来て二か月が過ぎていた―――――。
「かつてはあんなに理想的な婚約者としてルーカス殿下のお傍にいらっしゃった方が、まさか男爵令嬢の聖女様に負けて第二妃様だなんて…なんて惨めなんでしょう…」
「初夜をルーカス殿下から放棄されて未だに閨を共にしていないらしいですわ…可哀そうな方…」
「王太子妃様は本当に可憐でいつも素晴らしい衣装と宝石を身に纏ってらっしゃるのに、エルザ第二妃様ときたら…惨めだわ…。ルーカス殿下の寵愛がプリシア様にのみ向いているのがあからさまで、本当に可愛そう…」
「王太子妃様の仕事を代行する為だけに嫁いだようなものですわね…本当に惨めだわ…」
至る所から聞こえてくるこのような心ない声や同情の声が、次第にエルザの心を確実に蝕んでいったのだった。
これまで王太子妃教育を頑張ってこれたのは、ひとえにルーカスの隣で王太子妃として支えていけるようにという一心からきたものだった。
第二妃にされた挙句、周囲から嘲笑われてまで、不貞を犯したあの二人を支え続けなければならないこの悲惨な状況からエルザは逃げ出したくてたまらなくなった。
次第にエルザの表情からは作ったような表情さえ失われて行き、かつてのエルザをよく知っている者達からはエルザを心配する声が後を絶たなかった。
そしてエルザは第二妃という肩書で、先の見えない王太子妃の仕事を肩代わりするだけの存在になっていた。
プリシアはルーカスの寵愛を独り占めしようと日々ルーカスを束縛し、王太子妃の仕事すべてをエルザに丸投げしたまま贅沢三昧で楽しい日々を謳歌していた。
また、初夜どころか未だにルーカスの訪れのないエルザを嘲笑う者たちがあちらこちらで現れ、周囲からの心ない言葉は当然のごとくエルザの耳にも入っていった。
エルザが第二妃として王宮にやって来て二か月が過ぎていた―――――。
「かつてはあんなに理想的な婚約者としてルーカス殿下のお傍にいらっしゃった方が、まさか男爵令嬢の聖女様に負けて第二妃様だなんて…なんて惨めなんでしょう…」
「初夜をルーカス殿下から放棄されて未だに閨を共にしていないらしいですわ…可哀そうな方…」
「王太子妃様は本当に可憐でいつも素晴らしい衣装と宝石を身に纏ってらっしゃるのに、エルザ第二妃様ときたら…惨めだわ…。ルーカス殿下の寵愛がプリシア様にのみ向いているのがあからさまで、本当に可愛そう…」
「王太子妃様の仕事を代行する為だけに嫁いだようなものですわね…本当に惨めだわ…」
至る所から聞こえてくるこのような心ない声や同情の声が、次第にエルザの心を確実に蝕んでいったのだった。
これまで王太子妃教育を頑張ってこれたのは、ひとえにルーカスの隣で王太子妃として支えていけるようにという一心からきたものだった。
第二妃にされた挙句、周囲から嘲笑われてまで、不貞を犯したあの二人を支え続けなければならないこの悲惨な状況からエルザは逃げ出したくてたまらなくなった。
次第にエルザの表情からは作ったような表情さえ失われて行き、かつてのエルザをよく知っている者達からはエルザを心配する声が後を絶たなかった。
303
あなたにおすすめの小説
もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~
桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜
★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました!
10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。
現在コミカライズも進行中です。
「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」
コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。
しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。
愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。
だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。
どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。
もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。
※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!)
独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。
※誤字脱字報告もありがとうございます!
こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他
猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。
大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
【完】お望み通り婚約解消してあげたわ
さち姫
恋愛
婚約者から婚約解消を求められた。
愛する女性と出会ったから、だと言う。
そう、それなら喜んで婚約解消してあげるわ。
ゆるゆる設定です。3話完結で書き終わっています。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
【完結】婚約破棄した王子と男爵令嬢のその後……は幸せ?……な訳ない!
たろ
恋愛
「エリザベス、君との婚約を破棄する」
「どうしてそんな事を言うのですか?わたしが何をしたと言うのでしょう」
「君は僕の愛するイライザに対して嫌がらせをしただろう、そんな意地の悪い君のことは愛せないし結婚など出来ない」
「……愛せない……わかりました。殿下……の言葉を……受け入れます」
なんで君がそんな悲しそうな顔をするんだ?
この話は婚約破棄をして、父親である陛下に嘘で固めて公爵令嬢のエリザベスを貶めたと怒られて
「そんなにその男爵令嬢が好きなら王族をやめて男爵に婿に行け」と言われ、廃嫡される王子のその後のお話です。
頭脳明晰、眉目秀麗、みんなが振り向くかっこいい殿下……なのにエリザベスの前では残念な男。
★軽い感じのお話です
そして、殿下がひたすら残念です
広ーい気持ちで読んでいただけたらと思います
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる