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留守番戦争
第一章:11話 『第二次防衛戦開始』
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一時的な脅威である黒フルフェイス…カインの存在は撃退された。あれだけの戦闘があったにもかかわらず、廊下には雷撃の矢の傷やちょっとしたひびしかなかった。
「カイン…お前は確かそんなやつじゃなかったはずだ……。」
アレスはイオン時代のカインのことを思い出していた。いつも勉学に励み、生徒会の仕事も難なくこなして裏では結構頼りにされていた人物。欠点としては、少し人を見下す癖があることぐらいか。
「それに『アルカディアル家の血』……何なんだよ…。」
「アレス様っ!!」
カインとの会話を思い出し、気になる点を整理しているときにテーラの声が響いてきた。テーラの指差す方向を見てみると窓の外に黒ずくめの装甲や服装をした人が30~40ほどいた。
「逃げてください!私が殲滅しますから!」
「いや、俺も戦う!二手以上に分かれられたらアイリスが危ない。」
「だからこそです!ここはアイリス様を連れて逃げてください!お二人を守りながらですと火の粉がかかります!」
「………わかった……その代わり…、フィリップス家次期当主アレスフィリップスが命じる――死ぬな…。」
少しの間をおきアレスはテーラの提案をのみ、アイリスを引き連れて逃げることにした。そのとき、アレスはテーラに命令を言い渡した。
「わかりました…フィリップス家のメイド、テーラ・メインドール。確かに承りました!」
さすがベテランのメイド、6歳とは思えないその言葉を何の違和感もなく受け入れる。
「オフェンシブアーマー!」
そしてアレスは身体能力強化の魔術を自身にかけ、アイリスの部屋の元に向かって走り出す。
==========================
アレスは道中誰にも会わないで無事にアイリスの部屋にたどりついた。アレスは扉をバンバンとたたき、緊急事態であることを知らせる。
「アイリス、開けてくれ!ここから逃げるぞ!」
「…………っ。」
中からの返事はなかった。
「ここから出ないと俺もお前も死んじまうんだぞ!お願いだから出てきてくれ!」
もちろん嘘だった。ここでアレスがアイリスを見捨てて一人で逃げ出せば、助かる可能性はアイリスを守りながら逃げるよりもかなり高い。
「……っ。」
それでも返事はなかった。アレスはとうとう最終手段に出る。
「はっ!!」
アレスは【オフェンシブアーマー】で底上げしたパンチ力で思い切り扉をたたき破る。鈍い音とともに壊れた扉の先にいたのは、ベッドの上で体育すわりの状態から驚いて後ろに手をついていたアイリスだった。
「ここから逃げるぞ…。」
「ほっといて……。」
「―――っ…。(6歳の女の子ってどう説得すればいいんだよ…くそっ!)」
そのときのアイリスの表情はアレスもよく知っていた表情。いや、アレスというよりもイオンか…。
「(似てるな…あのころの俺に…。)」
=====================
――短い昔話をしよう――
俺はその日大事な人を失った。その人は俺が生まれたときからよくしてくれたり、お世話をしてくれた人だ。
「ひっく…えぐ…おじいちゃん……」
当時5歳になり立ての俺でも、その出来事はよく覚えていた。俺は家の近くの草原で泣いていた。
「君、大丈夫?」
膝を抱えて座り、うつむいていた俺を真後ろから声をかけてきた女の子がいた。その女の子こそユーナ・アルカディアルであり、俺と彼女との出会いだった。
―そういえばあの時ユーナは何してくれたっけ…―
「どうしたの?」
彼女は俺の隣に座り込んで何があったのかを聞いてきた。俺は泣く声を無理やり殺してその少女に何があったのか話した。
「おじっ…いちゃんが…事故で死っ…死んじゃった…」
「そっか……ごめんね、悲しいこと聞いちゃって……」
―そうだ、ユーナはあの時…―
=====================
アレスは特別何もしなかった。ただただアイリスの隣に座った。アレスは最初拒絶されるかと思ったが、アイリスのほうも何もしてくる事はなかった。
「――………。」
「――………。」
二人の静寂をかき消すかのように廊下でテーラが戦っている音が部屋に響いてくる。今のところ部屋に侵入者が来る気配はない。アレスはずっと沈黙したまますわり続ける。
「なんで?」
沈黙に耐えかね、口を出したのはアイリスのほうだった。
「なんで私にかまうの?」
――なんでって、それは……――
アレスはアイリスの問いかけに対する答えを口に出そうとしたとき、扉の方から黒い影が接近していることに気づいた。
「カイン…お前は確かそんなやつじゃなかったはずだ……。」
アレスはイオン時代のカインのことを思い出していた。いつも勉学に励み、生徒会の仕事も難なくこなして裏では結構頼りにされていた人物。欠点としては、少し人を見下す癖があることぐらいか。
「それに『アルカディアル家の血』……何なんだよ…。」
「アレス様っ!!」
カインとの会話を思い出し、気になる点を整理しているときにテーラの声が響いてきた。テーラの指差す方向を見てみると窓の外に黒ずくめの装甲や服装をした人が30~40ほどいた。
「逃げてください!私が殲滅しますから!」
「いや、俺も戦う!二手以上に分かれられたらアイリスが危ない。」
「だからこそです!ここはアイリス様を連れて逃げてください!お二人を守りながらですと火の粉がかかります!」
「………わかった……その代わり…、フィリップス家次期当主アレスフィリップスが命じる――死ぬな…。」
少しの間をおきアレスはテーラの提案をのみ、アイリスを引き連れて逃げることにした。そのとき、アレスはテーラに命令を言い渡した。
「わかりました…フィリップス家のメイド、テーラ・メインドール。確かに承りました!」
さすがベテランのメイド、6歳とは思えないその言葉を何の違和感もなく受け入れる。
「オフェンシブアーマー!」
そしてアレスは身体能力強化の魔術を自身にかけ、アイリスの部屋の元に向かって走り出す。
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アレスは道中誰にも会わないで無事にアイリスの部屋にたどりついた。アレスは扉をバンバンとたたき、緊急事態であることを知らせる。
「アイリス、開けてくれ!ここから逃げるぞ!」
「…………っ。」
中からの返事はなかった。
「ここから出ないと俺もお前も死んじまうんだぞ!お願いだから出てきてくれ!」
もちろん嘘だった。ここでアレスがアイリスを見捨てて一人で逃げ出せば、助かる可能性はアイリスを守りながら逃げるよりもかなり高い。
「……っ。」
それでも返事はなかった。アレスはとうとう最終手段に出る。
「はっ!!」
アレスは【オフェンシブアーマー】で底上げしたパンチ力で思い切り扉をたたき破る。鈍い音とともに壊れた扉の先にいたのは、ベッドの上で体育すわりの状態から驚いて後ろに手をついていたアイリスだった。
「ここから逃げるぞ…。」
「ほっといて……。」
「―――っ…。(6歳の女の子ってどう説得すればいいんだよ…くそっ!)」
そのときのアイリスの表情はアレスもよく知っていた表情。いや、アレスというよりもイオンか…。
「(似てるな…あのころの俺に…。)」
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――短い昔話をしよう――
俺はその日大事な人を失った。その人は俺が生まれたときからよくしてくれたり、お世話をしてくれた人だ。
「ひっく…えぐ…おじいちゃん……」
当時5歳になり立ての俺でも、その出来事はよく覚えていた。俺は家の近くの草原で泣いていた。
「君、大丈夫?」
膝を抱えて座り、うつむいていた俺を真後ろから声をかけてきた女の子がいた。その女の子こそユーナ・アルカディアルであり、俺と彼女との出会いだった。
―そういえばあの時ユーナは何してくれたっけ…―
「どうしたの?」
彼女は俺の隣に座り込んで何があったのかを聞いてきた。俺は泣く声を無理やり殺してその少女に何があったのか話した。
「おじっ…いちゃんが…事故で死っ…死んじゃった…」
「そっか……ごめんね、悲しいこと聞いちゃって……」
―そうだ、ユーナはあの時…―
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アレスは特別何もしなかった。ただただアイリスの隣に座った。アレスは最初拒絶されるかと思ったが、アイリスのほうも何もしてくる事はなかった。
「――………。」
「――………。」
二人の静寂をかき消すかのように廊下でテーラが戦っている音が部屋に響いてくる。今のところ部屋に侵入者が来る気配はない。アレスはずっと沈黙したまますわり続ける。
「なんで?」
沈黙に耐えかね、口を出したのはアイリスのほうだった。
「なんで私にかまうの?」
――なんでって、それは……――
アレスはアイリスの問いかけに対する答えを口に出そうとしたとき、扉の方から黒い影が接近していることに気づいた。
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