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第二章 監禁スタート(?)

2話

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「さてと、お腹いっぱいになった?」

「おう!美味しかった!」

「コックに伝えておくね」

「俺がコックさんに言いに行きたい」

「だーめ、グレンはこの部屋から出ちゃだめだから」

そういうとマルクはポケットから取り出したベルを鳴らした。

コンコン
外からドアをノックする音が聞こえた。

「失礼いたします」

「入って」

先ほど食事を運んできた執事が入ってきた。

「これ、片付けて」

マルクがテーブルの上を指さした。

「かしこまりました」

執事はワゴンに食べ終わった食器をのせた。

「グレン、片付けるから椅子からベットに戻って」

「あ、あぁ」

そして執事あグレンが使っていた机と椅子をクローゼットに戻した。

「また何かございましたらお呼びください」

「うん」

執事はガラガラと部屋を出て行った。



「毎日は家にいれないから、何か食べたかったり欲しい物あったらこのベル鳴らしていいから」

マルクはベルを揺らした。
そして壁のフックに引っ掛けた。

「え?」

「あ、そうだ。言い忘れてたけど、今日からここがグレンの部屋だから。この部屋の中では好きにしてていいけど部屋から出ないでね」

「いや、なんで?」

「だってグレンが勝手にダンジョン行こうとするから…」

「だからそれは!」

グレンが反論しようとした。
マルクは聞きたくないとばかりに言葉を重ねる。

「だめ、絶対にだめ、僕から離れるなんて許さないから」

「おまえから離れるなんて一言も言ってねぇよ!」

「あのダンジョンに行くってことは死んでも良いってことでしょ?それって俺から離れても良いって思ったってことでしょ?」

「なんでそうなるんだよ!」

「とにかく!グレンのことはこの部屋から出さないからっ!トイレとお風呂は自由、食事は呼べば持ってくる、何が不満なの?」

二人の口論がヒートアップしていく。

「ぜ、全部だよ!なんで、なんでこんな…こんな監禁まがいなことするんだよ!」

「監禁まがいじゃないよ、監禁そのものかな」

「は?」

グレンは固まった。

「グレンの衣食住を支配したい。グレンを俺のそばから離したくない。グレンが俺だけを頼るようになって欲しい…ただそれだけだよ」

マルクは悲しそうに笑う。

「いや、支配って、依存って…」

グレンは混乱していた。


「でも、マルク、おまえ今度、結婚するんだろ?そしたら俺のことなんて…」





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