ダンジョン行くなら監禁するよ?

浅上秀

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第五章 結婚

4話

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庭でしばらく抱き合っていたが、照れくさくなったグレンがマルクを引きはがした。
二人は役所に提出する書類の作成に取り掛かるべく、マルクの書斎に移動した。

「そういえばグレン、仕事はどうするの?」

「冒険者は続けたいんだけど…マルクは嫌だろ?」

「うん、家から出て欲しくはないかな」

グレンは苦笑いを浮かべている。

「身体が鈍ってきてるのがやっぱり不安なんだよな」

「外に出ないなら問題なくない?」

「いや…太ったらマルクに嫌われたり、とか」

マルクは目を瞬かせた。

「太ったくらいで俺がグレンのこと嫌いになると思う?それに夜の運動してるんだから大丈夫でしょ」

「ぶーっ、おま、マルク、馬鹿ッ」

グレンは真っ赤になってマルクの肩を叩いた。



役所に提出する書類が完成すると、マルクはマルクの実家とグレンの実家宛てに結婚することを報告する手紙をしたためた。
そしてマルクが騎士団に提出する結婚証明やグレンの所属しているギルドに提出する書類も全て用意した。

「さて、行こうか」

手紙を使用人に託すとマルクが立ち上がった。
二人でこれから役所に向かうようだ。

「おう」



二人で馬車に乗り込んで役所に向かう。
婚姻届けを提出するための建物は普通の行政を行うものとは別の場所にある。

「ついたぞ」

マルクがエスコートしてグレンを馬車から降ろしてくれた。
二人ともこの建物に来るのは初めてだった。

「こんにちは。本日のご用件は?」

建物に入った二人に受付係の人が声をかける。

「婚姻届けの提出をしに」

「かしこまりました。本命の方であれば二階へどうぞ。その他の方はこの奥へどうぞ」

「二階だって」

「ん」

二人で大きな階段を上って進んだ。



「次の方どうぞ~」

二階はそこそこ混雑していた。
番号札を取って二人で順番を待った。

「な、なんか、緊張するな」

「ああ」

グレンはズボンで手汗を拭っている。
マルクは緊張した様子のグレンをクスクスと笑いながら眺めていた。

「〇〇番の方、どうぞ」

「あ、俺たちだ」

「行こうか」

二人は自然に手をつなぐと窓口まで向かう。

「こんにちは。本命婚姻届けのご提出でお間違えないでしょうか?」

「はい」

「これが書類一式です」

「…不備はございませんね。こちらで受理いたしました。これでお二人の婚姻はご成立でございます。おめでとうございます」

「ありがとうございます」

マルクは手に力を込めて繋いでていたグレンの手を握りしめた。
グレンもそれに気付いて握り返した。

「こちら職場にご提出される書類をお返しいたします。どうぞお幸せに」

「はい」

「ありがとうございます」

二人は書類を受け取ると建物を出て、乗ってきた馬車に戻った。

「なんかあっという間だったな」

「あぁ」






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