22 / 74
お誘いお家訪問編
3話
しおりを挟む
二人はお互いの話をしながらオムライスを食べた。
「そういえば近藤さんってお仕事は何を?」
「普通のサラリーマンですよ」
「へぇ」
思えば、診察以外で会う機会がないため、お互いのことをほとんど言っていいほど知らなかった。
「ご家族は?」
「両親と弟が一人」
「なんかそんな感じしますよね」
「そうですか?」
「真壁さんは?」
「私は一人っ子ですので」
「そんな感じがします」
「ほんとうですか?」
二人は終始和やかに談笑していた。
…
食事が終わると、近藤は片付けの手伝いをした。
「お客様だから休んでいただいていて良かったのに」
「そういうわけにいかないですよ」
二人で食器を片付けた。
再びソファに戻ったが、付いているテレビなんて気にも留めずに二人は話し続ける。
仕事、家族、悩み、趣味、話題は多岐に渡った。
話をしているうちにどんどんと近藤の緊張はほぐれた。
…
「真壁さんは、」
「あ、その真壁さんっていうの辞めませんか?」
「え?」
「敬語も、辞めましょうよ。せっかくの仲ですし、ね?」
真壁は小首を傾げた。
「わかりました」
「じゃなくて?」
「わか、った」
「そう」
近藤は戸惑いながらも敬語を外した。
「でも名前、何て呼べば…」
「下の名前で、健太って呼んで下さい」
「け、んた」
「はい」
近藤は頭を掻きながら続けた。
「あの、健太も、敬語、辞めろよ…」
「え?」
「あと、名前で呼んで…」
真壁は一瞬、目を見開いた。
しかしすぐに笑顔になって言った。
「わかった、猛」
「ふはっ」
なんだか気恥ずかしくなった。
…
「そろそろ帰ろうかな…」
近藤は時計を見ていった。
「泊まっていけば?」
「それは悪いよ」
「だってなにもしてないよ、今日」
「な、何もしてないって…」
真壁は意地悪そうな顔で近藤を見る。
「明日も休みだろ?」
「そ、そうだけど…」
今日は土曜日なので近藤は明日も休みだった。
「泊まっててよ」
「お、おう」
真壁の押しが強いので結局、泊まることにした。
…
「乾杯」
「乾杯」
二人は夕食を共にしていた。
ついでにと言って真壁はワインのボトルを持ってきた。
「急患とかで呼ばれないのか?」
「うん、うち別に救急とかじゃないからね」
真壁は嬉しそうにワインに舌鼓を打っていた。
「あー、うま」
「たしかに、このワイン旨いな」
「でしょ?」
二人は和やかに晩酌を楽しんだ。
「そういえば近藤さんってお仕事は何を?」
「普通のサラリーマンですよ」
「へぇ」
思えば、診察以外で会う機会がないため、お互いのことをほとんど言っていいほど知らなかった。
「ご家族は?」
「両親と弟が一人」
「なんかそんな感じしますよね」
「そうですか?」
「真壁さんは?」
「私は一人っ子ですので」
「そんな感じがします」
「ほんとうですか?」
二人は終始和やかに談笑していた。
…
食事が終わると、近藤は片付けの手伝いをした。
「お客様だから休んでいただいていて良かったのに」
「そういうわけにいかないですよ」
二人で食器を片付けた。
再びソファに戻ったが、付いているテレビなんて気にも留めずに二人は話し続ける。
仕事、家族、悩み、趣味、話題は多岐に渡った。
話をしているうちにどんどんと近藤の緊張はほぐれた。
…
「真壁さんは、」
「あ、その真壁さんっていうの辞めませんか?」
「え?」
「敬語も、辞めましょうよ。せっかくの仲ですし、ね?」
真壁は小首を傾げた。
「わかりました」
「じゃなくて?」
「わか、った」
「そう」
近藤は戸惑いながらも敬語を外した。
「でも名前、何て呼べば…」
「下の名前で、健太って呼んで下さい」
「け、んた」
「はい」
近藤は頭を掻きながら続けた。
「あの、健太も、敬語、辞めろよ…」
「え?」
「あと、名前で呼んで…」
真壁は一瞬、目を見開いた。
しかしすぐに笑顔になって言った。
「わかった、猛」
「ふはっ」
なんだか気恥ずかしくなった。
…
「そろそろ帰ろうかな…」
近藤は時計を見ていった。
「泊まっていけば?」
「それは悪いよ」
「だってなにもしてないよ、今日」
「な、何もしてないって…」
真壁は意地悪そうな顔で近藤を見る。
「明日も休みだろ?」
「そ、そうだけど…」
今日は土曜日なので近藤は明日も休みだった。
「泊まっててよ」
「お、おう」
真壁の押しが強いので結局、泊まることにした。
…
「乾杯」
「乾杯」
二人は夕食を共にしていた。
ついでにと言って真壁はワインのボトルを持ってきた。
「急患とかで呼ばれないのか?」
「うん、うち別に救急とかじゃないからね」
真壁は嬉しそうにワインに舌鼓を打っていた。
「あー、うま」
「たしかに、このワイン旨いな」
「でしょ?」
二人は和やかに晩酌を楽しんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
696
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる