学校にいる人たちの卑猥な日常

浅上秀

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先生はボクのもの 

前編

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FILE 5 笹原(生徒)×山下(化学科教師)



笹原が先生の秘密を知ったのは偶然だった。
その日、化学の課題を出し忘れていたことを思い出し、慌てて化学科の教師の部屋にむかっていた。
しかし教師の部屋には山下はいなかった。

「山下先生なら明日の授業の準備に化学室に行ったよ」

笹原は答えてくれた別の教師に頭をさげると山下のいる化学室にむかった。



笹原は化学室の独特な雰囲気が苦手だった。

「失礼しまーす」

ガラガラと扉を空けて中に入る。
カーテンは閉まっており薄暗く、机の天板も真っ暗でどこか陰鬱とした空気が流れている。

「山下先生~?」

そーっと机の間をくぐるように歩く。
広い教室の中、笹原以外の人影は見えない。

「どこだろ…」

笹原は黒板の横の扉から繋がっている準備室の存在を思い出した。
そこは様々な薬品や備品が保管されており、生徒の立ち入りは禁止されている部屋だ。

「準備室かな…」

笹原は準備室の扉の前に立った。
小窓にはカーテンがかかっていて中の様子はわからない。

「…よし」

笹原は扉をノックしてみることにした。

「失礼します!」

ドアノブを開くとすんなり開いた。
そーっと扉を押しみる。

「ん、え!?」

中には山下がうつ伏せで倒れていた。

「え、先生!?先生!大丈夫ですか!?」

笹原は課題を放り投げて山下に駆け寄った。

「んんっ…」

山下を抱き起した笹原は驚いた。
山下の服装が、下半身が裸だったのだ。

「せん、せい?」

山下はゆっくりと目を開けた。

「さ、笹原!?」

山下は飛び起きた。

「何、してたんですか…?」

「いや、これは、えっと、あの…」

笹原は立ち上がって一歩、山下に近づく。

「そ、それよりも、生徒は立ち入り禁止だぞ!」

山下は自分のズボンと下着を手繰り寄せる。

「ノックして開けたら、先生が倒れていたから驚いたんですよ」

笹原はまた一歩、山下に近づく。

「そ、そうか、それは悪かったな…それで俺に何の用だ」

「課題を出し忘れたので持ってきたんですけど…先生こそ、ナニ、してたんですか?」

笹原がまた一歩近づく。
山下の後ろは壁だ。
逃げ場はもう、なかった。







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