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さびれた商店街に出資してみた
11話
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それから魚屋やら美容室やら子供のころから馴染みのあったりなかったりする人たちの卑猥な姿を俺はぼーっと眺めていた。
なんとも言えない感情が胸の中を渦巻いている。
周りの席の人はどんどん減っていくが、俺はなぜか一向に競りに参加する気にはなれなかった。
「それでは最後にこちら!」
俺ともう二人くらいしか会場内に残らない状況になった時だった。
「三人同時に始めさせていただきますので、お好きな方にお好きなだけお支払いください」
現れたのは紙袋を頭にかぶせられた三人の男性だった。
「お顔はあとでのお楽しみということで、身体だけを見ていただいて好みでお決めください」
左端の男は日焼けしていてしっかりと筋肉がついていた。
黒のブーメランパンツがよく似合う体形だ。
真ん中の男はそれと対照的に真っ白でもやしのようだ。
筋肉はないが贅肉もない、わりと骨が見える感じの体形をしている。
右端の男はどちらかというと筋肉質だが、ゴリゴリに鍛えているわけではなさそうだ。
「おっと、左端の方、即決できまりました。500万です、よろしいでしょうか?」
左端の男が連れていかれるのと同時に、俺の二つ隣にいた男性も出ていく。
あとは俺ともう一人だけだ。
「さぁ、どちらになさいますか?まぁどちらも不要という選択肢もございますが…」
俺は無言である男に金を入れた。
「おや、お二人ともそちらにされなすか。かしこまりました。これにて競りは終了とさせていただきます!!」
どうやらもう一人の男と俺と好みは被らなかったようだ。
気づくと一足先に舞台上にいた男たちははけていた。
俺はタブレットの画面の電源を落としてその場に置く。
運営側の人が席までやってきて先導してくれるようだ。
案内されるままに外に出ると二台のタクシーが止まっていた。
「こちらへどうぞ」
俺は一人でタクシーに乗り込んだ。
「ご購入された商品はお部屋に直接お届けさせていただきますのでご安心ください」
タクシーに乗りこむ前に案内役の男がそう言った。
なるほど、部屋で初めて顔がわかるのか。
「わかりました」
「では、失礼いたします」
俺を乗せたタクシーはあっという間に旅館に到着した。
逸る気持ちを押さえつけて部屋の鍵を開ける。
部屋に入ると誰もいなかった。
ベットに腰かけるとすぐにチャイムが鳴った。
「はい」
「失礼いたします。商品のお届けに参りました」
「どうぞ」
扉が開くと黒いスーツに覆面の男性が紙袋を被った中肉中背の男を連れてきた。
「それでは私はこれで」
スーツの男性が出ていく。
紙袋を被った男性はおずおずと部屋の中に入ってくる。
「とりあえずそれ、脱がしていいですか?」
こくりと頷いたのを見て俺は紙袋を脱がせる。
「…は?」
俺は思わず驚いてしまった。
「何してんだよ、おまえ」
「それは俺のセリフだ」
なんとも言えない感情が胸の中を渦巻いている。
周りの席の人はどんどん減っていくが、俺はなぜか一向に競りに参加する気にはなれなかった。
「それでは最後にこちら!」
俺ともう二人くらいしか会場内に残らない状況になった時だった。
「三人同時に始めさせていただきますので、お好きな方にお好きなだけお支払いください」
現れたのは紙袋を頭にかぶせられた三人の男性だった。
「お顔はあとでのお楽しみということで、身体だけを見ていただいて好みでお決めください」
左端の男は日焼けしていてしっかりと筋肉がついていた。
黒のブーメランパンツがよく似合う体形だ。
真ん中の男はそれと対照的に真っ白でもやしのようだ。
筋肉はないが贅肉もない、わりと骨が見える感じの体形をしている。
右端の男はどちらかというと筋肉質だが、ゴリゴリに鍛えているわけではなさそうだ。
「おっと、左端の方、即決できまりました。500万です、よろしいでしょうか?」
左端の男が連れていかれるのと同時に、俺の二つ隣にいた男性も出ていく。
あとは俺ともう一人だけだ。
「さぁ、どちらになさいますか?まぁどちらも不要という選択肢もございますが…」
俺は無言である男に金を入れた。
「おや、お二人ともそちらにされなすか。かしこまりました。これにて競りは終了とさせていただきます!!」
どうやらもう一人の男と俺と好みは被らなかったようだ。
気づくと一足先に舞台上にいた男たちははけていた。
俺はタブレットの画面の電源を落としてその場に置く。
運営側の人が席までやってきて先導してくれるようだ。
案内されるままに外に出ると二台のタクシーが止まっていた。
「こちらへどうぞ」
俺は一人でタクシーに乗り込んだ。
「ご購入された商品はお部屋に直接お届けさせていただきますのでご安心ください」
タクシーに乗りこむ前に案内役の男がそう言った。
なるほど、部屋で初めて顔がわかるのか。
「わかりました」
「では、失礼いたします」
俺を乗せたタクシーはあっという間に旅館に到着した。
逸る気持ちを押さえつけて部屋の鍵を開ける。
部屋に入ると誰もいなかった。
ベットに腰かけるとすぐにチャイムが鳴った。
「はい」
「失礼いたします。商品のお届けに参りました」
「どうぞ」
扉が開くと黒いスーツに覆面の男性が紙袋を被った中肉中背の男を連れてきた。
「それでは私はこれで」
スーツの男性が出ていく。
紙袋を被った男性はおずおずと部屋の中に入ってくる。
「とりあえずそれ、脱がしていいですか?」
こくりと頷いたのを見て俺は紙袋を脱がせる。
「…は?」
俺は思わず驚いてしまった。
「何してんだよ、おまえ」
「それは俺のセリフだ」
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