売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹

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初夜

初夜(2)

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 手を引かれ、ベッドに連れて行かれる。
 衣を取り払われ、湯浴みの際、お湯に入れていたラヴェンデルの爽やかな甘い香りがふわりと香り立つ。
 気恥ずかしさを紛らわすために、ユリウスはふと思い出した疑問を口にした。

「そう言えば、ライニ様はウェルナー城に赴任した後も、普段から湯浴みの際に薬草を使っていらっしゃったのですか?」

 そのおかげで、舞踏会の夜、薬草の匂いを頼りに彼の居場所を突き止めることができた。

「湯浴みのときにユリウスが使っていた薬草は、トマスに頼んで買い集めてもらって、都から持って来たんだ。薬草の香りはユリウスを思い出させてくれるから。湯浴みのときはいつも使っていた」

 彼自身もすぐに衣を脱ぎ去り、均整の取れた武人の身体が燭台の明かりに照らし出される。
 一瞬怯んでしまいそうなほどに彼の雄は顕著に下着を押し上げていて、思わず目が釘付けになる。 
 こうなることを予想していたから燭台の明かりは最低限にしていたが、発情期ヒート中と違い、今は理性がある分、恥ずかしい。 

 ラインハルトがユリウスの体をそっと寝台に倒し、右手を取る。
 その視線は、腕にある傷に注がれている。

「すまなかった」

 傷に対しての謝罪のようだ。

「これは、僕が勝手に作った傷なので……」
「いや。俺のせいだ。俺の、迷いのせいだ……。お前を巻き込まぬために早く故郷に帰した方がいいことはわかっていたが……、同じ城にいれば遠くからでも顔が見れると思えば、無理やり帰すこともできなかった」
「僕も……。早く帰ったほうがいいことはわかっていたのに、いつまでも帰れませんでした。少しでもライニ様の近くにいたくて……。だから、ライニ様のせいじゃないです」

 縫い目が少し盛り上がったその傷にラインハルトがキスをし、腕、肩、鎖骨……、とその唇が移動していく。
 薄い胸元を吸われ、上目遣いで見上げながら、見せつけるように突起に舌を這わされる。

「ふぁっ、……んっ……」

 両方をきゅっと抓まれて、臍の下が切なく疼く。
 女性でもないのに。どうして、そこを弄られただけで、こんなにも感じてしまうのだろう。

「可愛いな。ユーリはここを舐めただけで、こんなになるのか」

 ゆるく勃ち上がった性器を、下着越しに大きな掌に包まれる。

「あ、あの! ライニ様!」
「どうした?」

 ユリウスの胸元に顔を伏せたまま、ラインハルトが上目遣いで見上げてくる。

「その……、できれば……、僕もライニ様のを……」

 最後まで言えなかったけど。ちゃんと言いたいことは伝わっただろうか……。
 ラインハルトは体を浮かせ、ユリウスの顔を上から覗き込んできた。

「無理しなくていいぞ」
「無理……とかでは……ないです。……か、可愛がりたい気持ちは、僕も一緒なので……」

 もっと他に色気のある誘い方があるだろうと思うけど、必死に考えた結果がこれだ。
 困惑顔が、ぷっ、と吹きだす形で崩れる。

「ユーリはすごいな。その言葉だけでやられそうだ。……じゃあ、一緒にやるか」

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